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ところで、英二が仲間たちとパンケーキ屋を訪れていたこの日、世間では『高校入試まであと少し』まで迫っていた。
大好きな兄たちと彼を甘えさせてくれる年上の友人たちと過ごせてにっこにこなイーリャチカを見ていると失念しそうになるが、彼女を見ていたとしたらハラハラしてしまうだろう——大変に荒廃した精神状態になっていたのは、
水上 桜
である。
現在彼女は約1年前から背中に伸し掛かって、日に日に巨大化していく『焦り』の文字に押しつぶされかけている。
悩みは苦手教科、公民だ。
どうにも上手く出来ない。気ばかり焦り、焦れば焦るほど空回りして集中出来ず覚えられない。桜はよくないループにハマっていた。
(いっそのこと公民捨てちゃうか?)
「うんそうしよう!」
完
。
などと開き直れる訳がない。
「はぁ……」ため息をついて、何もかも投げ出したくなるくらい煮詰まっていると自覚する。きっとこれがよくないのだ。考えすぎるきらいを、どうにかしなければ。
そう気付いた桜は、気分転換をすべく外出した。
こんな時。遠くに行きたいと思ってしまうのは人の性である。桜を乗せたねこでんは、寝子島大橋を渡り、島から脱出していく。ああ、どこまでも連れて行って。
(今財布に軍資金が二万あるから——)
銀行員の親に強制的に口座に預金されてしまったお年玉。こっそりへそくりしていてよかった。
桜は気がつくと、若者の街、渋谷に立っていた。
桜の趣味はアクセサリー制作だから、駅から一直線に評判のアクセサリーショップへ向かった。
そこで色々なデザインを鑑賞し、クラフト用素材も購入した。中心地の品揃えに喜んで、あの服ならこんな……、これならどこにつけようか……と、考えるうちに心の中に巣食っていた暗い色のモヤモヤが晴れていったのを感じ取る。
(なんかすっきり……)
そしてすっきりしたら無意識に腹をさすっていた。
(お腹へったな)
ちょうど良い時間だし、沢山歩いた疲れもあって椅子に座って休みたい。こういう時は甘い物だろうか。
歩くスピードを落として周りを見ていると、女性ばかりの行列が目に入った。
「……へえ」
パンケーキの店だ。あの外観はテレビか雑誌かその両方かで見た記憶がある。
(評判なのよね。失敗しなさそうだし、あそこにしようかな)
賑やかな場所にいると気分が上がるかもしれないし——。そう思った桜の足は、店へ向かって歩き始めていた。
案内されるまでそこそこ並んだから、先に決めていた『ベリーとベリーのパンケーキ』をすぐに注文した。
てんこ盛りのクリームの上からシロップをだばーっとかけて、家で作るのとは違うふんわりしたケーキにナイフを入れる。
するとセットに注文した紅茶の香りの上に、もっと甘い香りが広がった。これだけでお腹いっぱいになれる満足感だ。
(夢の世界ね。これぞ現実逃避……。東京まできた甲斐があったわ)
人を幸せにする甘さに咀嚼するごとに荒みきった心を洗われながら、桜は眉間のシワを緩めていった。
この皿がテーブルに登場した時は引くほど多いと思ったけれど、これなら食べきれる。メニュー表にあったトッピングの『クリーム追加』も今なら理解できた。
顔を上げてふうっと満足げに息を吐き出した時、桜の目に一人の少女の姿が目をひいた。
いつもよりかなり控えめ。しかし基準にしている『いつも』が派手なドレスなのでやっぱり変わっている。ヴィンテージ風のピコットストライプワンピースは、多くの女性の持つファッションセンスではない。
(おお……凄い……って言うか、あっ!)
知り合いだ。よく見てみるとあのテーブルの一角全てが。
「こんにちは」
「あれ桜さん? こんにちは」
エリセイが返事をすると、皆が彼女の方を向いた。挨拶されながら、桜はのんびりしている同窓生の方を見て軽いジャブをうつ。
「余裕そうね、ジュラヴリョフ君」
「桜さんもここにいるって事は余裕でしょう?」
「私は現実逃避……もとい気分転換よ。公民が上手くいかなくて」
「1日1時間くらい集中すればどうにかなるよ」
「は、は、は」これだから成績上位者は。桜の目が細くなると、イリヤは不思議そうに首をかしげる。
「でも泉なんか勉強してるところ見た事ないよ?」
「察するに彼は得意な事……主に英語の成績だけでどうにかするタイプではないかしら」と紅緒。
「授業聞いてなさそうだよね」
陽毬が言うと、イリヤはそういえばと頷いた。
「いつも遠く見てる」
「やっぱりそうなんだ」英二が納得している。
「それがまたカッコイイんだよ!」
「いや、勉強しよ? 今現実逃避してる私が言う事じゃないけど」
桜が流石に言ってしまうと、一番離れた席にいるエリセイが顔をこちらに出した。
「公民って他の教科より後回しにするから焦るし、俺も苦戦して分かったんだけどさ。1、2年の範囲をしっかりやるのが大事なんだよ。やってみるとそんだけ。
だから焦んないで毎日……それこそ1時間でもやっていけば積み重ねで出来るようになるよ」
「過去問やってる?」とレナート。エリセイは続けた。
「書き込みしちゃってるけど、それで良かったら参考書あげる。イリヤに今度持ってかせるから——」
思わぬ出会いに背中を押された。
煮詰まって逃げてきたが、それでも家に篭っているより全然良い。気分も切り替えられたし。
この日は少女としても受験生としても、桜にとって有意義な1日になった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月22日
参加申し込みの期限
2016年06月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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