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九夜山で猫まみれ!
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恵御納 夏朝
は九夜山で力強い歩きを見せた。ゆったりとした黒いジーンズのおかげで足は滑らかに動く。猫を模した帽子の耳は機嫌よく上下した。身体が熱くなってきたのか。オーバーオールの前を少しはだけた。
「体力はいるもんね」
顔を斜め下に向けて言った。右肩に掛けた白い布鞄の縁には橙色のパペット、
ハルくん
が顔を覗かせていた。
分岐した道を適当に選んで歩く。風景に見覚えがないのか。首を傾げる仕草を交えた。
急に視界が開けた。夏朝は目を丸くして現れた教会を眺める。白い装飾が施されたような外観はよく見ると白い薔薇であった。建物全体を覆っている。
夏朝は見詰めながらゆっくりと近づく。合間に大きく息を吸い込んだ。
「こんなところに、教会があるなんて……知らなかったよ」
そろそろと近づいて中を覗き込む。遠慮気味に入っていった。
割れたステンドグラスが方々に散らばっていた。踏むことを躊躇い、踵を上げて奥へと向かう。
「なんでこんなに……酷いことをするのかな」
過去の騒乱の一部を見せ付けられて目を伏せる。夏朝は布鞄の縁にいたハルくんの頭を優しく撫でた。
「猫さん撫でたら、争う気持ちとか、なくなっちゃうと思うんだけど……」
夏朝の瞳は天使像に向けられた。痛々しい姿で全体が煤けて見える。
「天使さん、拭いたら、綺麗になるかなぁ」
相棒のハルくんの頭を指で軽く押した。夏朝の意見に同意したように見えた。
「そうだよね。あ、今でも天使さんは、その、素敵だとは思うんだけど……」
夏朝は口籠って布鞄の中に手を入れた。天使像の視線を気にしながら取り出したハンカチを湿らせた。
「あぁっ、間違えた!?」
ハンカチを湿らせた物は水ではなかった。旧市街の薬局で購入した『濃縮マタタビエキス』であった。
「ど、どうなっちゃうんだろう」
心配そうな声を余所に表情は意外と明るかった。
九夜山の山道。
青山 絢
が機敏な動きを見せていた。薄手のコートに活動的なパンツルックで一瞬の風景をデジタルカメラに収めていく。
「この陰影は絵になるわ」
カメラのレンズを覗きながら角度を決める。強い風が吹く前に木漏れ日の写真を撮った。その場で画像を確認すると笑みが零れた。
「会心の一枚ね」
目は次の被写体を探した。登り始めの緩やかな時間は、とうに過ぎて今は新進気鋭のカメラマンとして活動していた。道から外れた薄暗がりを厭わず、感性のままに足を動かす。
セミロングの髪に舞い落ちた木の葉を手で払い除けた。斜面に差し掛かり、顔を上げると先の方に光が見えた。
「なんだろう」
暗がりを身体から引き剥がすようにして突っ込んでいった。
台風が過ぎ去ったような荒れた地にひっそりと教会が佇んでいた。その身には白い薔薇を纏っている。
早々とカメラを構える。教会の全体がフレームに入るように工夫して撮った。直後に複数の猫の鳴き声を耳にした。
「こんなところに猫?」
教会の中から大量の猫が現れた。こちらに向かって一斉に走り出す。絢はカメラのストラップを首に掛けると、その場にしゃがんだ。両手を広げて猫達を迎え入れる。
瞬く間に猫に囲まれた。天然の毛皮に囲まれて表情が自然に緩む。
「毛並みもいいわね」
近くにいた白猫の頭を撫でた。順番を待てないサバトラ柄の猫が頭を突き出してきた。撫でると別の頭が割り込む。催促するような鳴き声に急かされて絢は両手を使う羽目になった。
「あのぉ、困ってるのかな?」
同じように猫に囲まれた
恵御納 夏朝
が声を掛けてきた。絢は目にして少し笑った。
「くすぐったいの?」
「そうじゃなくて、大きな猫もいるんだなって思ったら、おかしくなって」
絢は両方の掌を立てて頭に添えた。目は夏朝の帽子に注がれた。
「僕の帽子が猫っぽいからだね」
「そうよ」
話をしている間に絢の肩に黒猫が攀じ登る。大変そうな様子に夏朝は手を差し出した。
「あの、立てる? 今日はごめんね」
「どうして謝るの? 私は何もされてないと思うんだけど」
「この猫がね、ちょっと多いのが、その、僕のせいかなって」
「そうなの?」
不思議そうな声で絢は夏朝の手を握って立ち上がる。近くにあった石の上に並んで座った。二人の回りには猫達もいて気ままに寝転がっている。
夏朝は絢の胸元に目を留めた。
「カメラが趣味なの?」
「カメラは……そうね。たまに撮るわ」
歯切れの悪い言葉に夏朝は遠慮がちに言った。
「もしかして、聞かれたくないこと、僕が聞いちゃった?」
「そんなことはないわ」
絢は足元に目をやり、手前の猫の背中を撫でた。自然に表情が柔らかくなる。他の猫にも同様の優しさで接した。
猫を愛でながら絢は独り言のように話し始めた。
「……父は名の知れたカメラマン。三年前に私の母が亡くなって、すぐにアシスタントの女性と結婚したわ。その行動が受け入れられなかったのかもね。私の心は父から離れていった。その一年後には男の子が生まれて、家に私の居場所がなくなったわ。そう、感じたのよ」
「そんなことが、あったんだね」
夏朝は絢と同じく、足元の猫を撫でながら返した。
「……寝子島には社会人の従姉妹がいて、この島を勧められて同居しているわ」
「僕は桜花寮に住んでいて、本当の家は本島にあるんだよ」
「私と同じように引っ越してきたのね」
絢と夏朝は同時に顔を横に向けた。二人は偶然の出来事に目を丸くして笑い合う。
「こんなに猫に囲まれることなんて、あまりないと思うから、記念に一枚、撮ってみない?」
「じゃあ、お願いするね」
二人は間を詰めた。絢はカメラを高々と上げる。周囲の猫も写るように配慮してシャッターを切った。
早速、画像で確かめる。親友のような二人が朗らかに肩を寄せ合う。周囲には愛らしい姿の猫達が無邪気に戯れていた。
夏朝は思わず、目を細めた。
「構図がとてもいいよ。記念の一枚になったね」
「ありがとう」
絢は艶やかな頬を微かに染める。
青く澄み渡った空の下、二人は愛らしい猫達に囲まれて楽しい一時を過ごすのだった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月16日
参加申し込みの期限
2016年06月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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