うみねこで親睦を｜リアクション

うみねこで親睦を

●宴会芸、いっきまーす！

　料理がなくなりかけてきたので、調理する面々は厨房で追加分を作ることに。
「ケンゾウさん、ビールお注ぎしましょうか？」
「おっ、ありがとよ」
　英モニカのお酌に上機嫌なケンゾウ、料理を美味しそうに食べるハルコを見た仙藤紫は、夫妻が元気そうなので安心した。
　その元気で、これからもお店を切り盛りしてほしい。

　飲んで食べての『うみねこ』新年会を盛り上げるべく、北玄は持ってきた荷物を持ち、小上がりのお座敷へ。
「僕、これから宴会芸するですよ！　テーブルを片付けるですよ！」
　待ってました！　と宴会芸を期待していた参加者のひとりがが手を叩く。
　総悟と数名の参加者がテーブルを片付けている間、玄は荷物の中から大きな布を取り出すとお座敷の角にひっかけた。
　その一角に入り込むと、荷物から衣装を取り出しゴソゴソと。どうやら手製の簡易更衣室らしい。
「準備、できたですよ！」
「では皆さん、北玄さんの宴会芸をお楽しみください。拍手ー！」
　司会の総悟が拍手すると、参加者達も拍手を始めた。

「ありがとうですよ！」
　そう言って現れ、両手をブンブン振る玄の衣装は……寝子高を卒業した親戚からもらった夏の制服だった。
　身長が違うので、ブラウスがスカートより長い。
　なので、ブラウスをワイルドに羽織っている。足元は流行の耐火性防弾靴下……だそうで。
　衣装はともかく、鍛え上げられた腹筋は見事である。
　３年に一度の「寝子高制服☆トリエンナーレ！」で見たことがある参加者は唖然となった。

　簡易更衣室に大急ぎで引っ込み、またもお着替え。次の衣装は……なんと、ウェディングドレス！
　登場は誰かに蹴りを喰らったかのように転がって……なのだが、大いにウケた。
　これは島をあげての一大イベント「寝子島ハロウィン☆デイズ！」での仮装だ。

　再度引っ込んだかと思うと、変幻自在か！　と突っ込みたくなるほどの早着替え。
　額に墨で「肉」と書き、頭にはサンタ帽とトナカイの角がついた水中メガネ。鼻にはトナカイの赤い鼻。
　紋付羽織に大胆にカットした巫女さん袴、穿いている白い褌には「童帝」と書かれている。
　手にはお正月らしく羽子板を持っているが、これは何を意味しているのだろう？
「メリー苦しみましておめでとうございます、ですよ！」
　その一言で、シーサイドタウンのクリスマスイヴでの仮装と気づいた参加者が何人かいた。
「これはまだ序の口ですよ！　仮装マラソン大会で優勝、映画でミドリ人間を熱演、水着コンテストでビーチ☆アクロバティック賞受賞した僕のアクロバティック、お見せするですよ！」

　まだあるの！？　とビックリする総悟をよそに、玄と参加者、魚戸夫妻は大盛り上がり。
「ありがとうですよー！」
　上機嫌な玄の仮装とアクロバティックは更に続く、というのは言うまでもない。

　宴会芸で腹がすいてきたのか、楽しんでいた参加者と玄は用意された料理を食べる。
「美味しいですよ！　もっと食べたいですよ！」
　そういうだろうと思い、綾辻綾花達は厨房で追加分を調理中。
「宴会芸、お疲れ様でした」
　天満七星が、玄にから揚げが盛られた皿を差し出す。
「ありがとうですよ！」