this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
アモーレ 4 アモーレ!
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
18
つぎへ >>
折角だからとレストラン『アモーレ』へと
ロベルト・エメリヤノフ
を誘った
千種 智也
は愕然としていた。
オフの日だからとレストランへと誘ってくれた智也に「やった!」と嬉しそうに返した彼は悩ましげにメニューを眺めている。
「何頼もうかな?」
勿論、お誘いいただけたのだから『奢り』なのだ。
人間はどうにも奢りという言葉に弱い。自身の財布のひもを固く締め、相手に緩めて貰うのが高等なテクニックなのだろう。メニュー表の上段、金額にしても店内で一番高いメニューになるのだろう。
「これ」と指差したロベルトの横顔を眺め智也の表情が引き攣る。
「あとは……ん? なにこれ、面白そう。これもお願いします」
智也の表情はこの世の臓お全てを詰め込んだかのような形相に変化している。固く結んだ財布の紐が盛大に緩んでいるのだ――他人の力によって、この様な事になるなど、誰が予想した事だろう。神が居るならば何の罪だと問い詰めたい程だ。
「……」
「御馳走様!」
まあ、いいや。そう唇から毀れた言葉を飲みこんで、後で何かと理由を付けて取り返そうと智也は心に誓う。
アモーレの店内は屋外だというのに過ごしやすい気候だ。凪ぐ風が髪先を擽り、結婚式が起こっている幸福そうな気配が周囲から漂っている。
「それにしても、この店にいる美少年は最高だね……。
何人か花嫁姿の子も見かけるけど……眼福眼福……」
どうしたものか、美少年を探して眼福と言うのはある意味で得体の知れない言葉だが、ロベルトならば常習犯だ。
『また』という言葉はしかと似合う彼の様子に思わず顔を顰めた智也は「そういうのやめろ」と息と共に長く吐きだした。
「最近の千種はお母さんみたいだな、そんなに僕にはまともになって欲しい?」
頬杖を付き、伺う様な上目遣いで問い掛けるロベルトの足を蹴り飛ばし智也は頭を抱える。
甘えたな表情に、軽口を叩き続ける彼の様子には慣れたものだ。若干の苛立ちと共に注意をせんと再度蹴り飛ばせば「痛い」とだけ小さな笑みが返された。
「美少年とか言って現実逃避するのやめろ」
「妬いたかい? ……冗談だって、睨まないでよ」
カン、と鈍い音を立てたのは智也の靴底が椅子を蹴ったから。脛を蹴らずにおいたのは彼なりの優しさなのだろうか。
肩を竦めて落ち付いてと嗜めるような仕草を取ったロベルトへと返した咳払い。如何せん、彼のペースに呑まれてしまっては漫才を行っている様にしか見えないだろう。
幸福(けっこんしき)のムードに呑まれぬ様にしているのは良いが、折角のアモーレだ。その様な空気に浸る場所とも言えるだろう。
「あのな、お前の為を思って言ってやってるんだからな……」
尻尾をきゅ、と引っ張り「冗談だって、ごめん!」とお母さんの呼び名を撤回させる為に智也は尽力した。
特段イラついている訳でもないが、幸福溢れる空間には余りにも似合わない言葉が口から飛び出しかける。
そうしていれば、彼との時間が随分と心地よい物になりつつあることに気がついた。
ウェイターや美少年をうっとりとした表情で眺めたロベルトの横顔を見詰めて、漏れだした溜め息を抑える事が出来ないまま鬱屈とした思いを吐きだした。
「なあ」
「ん?」
ウェイターが運んできたドリンクと料理。大皿に盛られたステーキやサラダは食欲をそそるものだ。
併設チャペルで思いを汲み合せた新郎新婦の星屑から直ぐに作られたものなのだと耳にして、智也は小皿を二枚置いて席を後にしたウェイターの背を見詰める。
「この前、彼女と別れたんだ」
「え?」
――クリスマスは共に過ごした筈だろう。
ロベルトが意味が分からないと表情を曇らせれば智也は忌むべき事柄を吐きだす様に、迷いを感じさせる低い声音で「ああ」と相槌を返した。
「幸せな未来が見えないからってよ……訳わかんねぇ」
「……な、なるほどね……。
でも、君ならすぐに次が見つかるよ。君は完璧だもの」
女なんて星の数ほどいるだろうと励ましの様に笑いかけるロベルトに、複雑だと表情を歪めたままアイスコーヒーを飲み干した智也はがくりと肩を落とす。桃色の瞳は、虚勢を拭う様に口元をごしりと吹いて瞳を細めた。
「じゃあ、幸せな未来ってなんだ?」
「未来? 夢とかじゃなく? ……まぁ、僕も話しの分かる女性と結婚するしかないよね」
親愛なる友人は、真顔で「美少年はーれむを築くって野望があるからさ」と軽口とも取れぬ真面目さで『奇天烈』な言葉を発した。
思わず顰めた表情に、友人である事を悔みそうになるその想いを飲みこんで智也は「最低だな」と笑い返した。
彼の性的思考に己は該当しない。彼がオープンに話すから、腹を割って話せるのかもしれない。男友達とは案外本音では語り合い難いのだと智也もロベルトも感じていることなのかもしれないが――「最低だ」と評した彼の思考を訂正するには確りと対話を持てばいいと智也は思いこんでいた。
「直せよ?」
「必要ないよ?」
結婚式へと視線を送り、花嫁(♂)同士でキャットファイト等は無いものかと目を皿にして周囲を見回すロベルトの横顔を見詰めて智也はどうにも腑に落ちぬと「未来」という言葉を幾度も繰り返した。
未来がないとは、どういう意図だったのだろうか。
口にする事がないままの智也の複雑さを感じとってロベルトは机に並んだ料理を取り分けた。
「ご飯食べよ? ここのは誰かの愛で出来てるんだってさ」
料理の温もりが失われぬうちに。智也の想いを感じとり「お母さんみたいだ」と冗句めかしたロベルトは注文した高価な料理を遠慮なく頬張った。
「美味しいね。どう、千種は」
「……上手いな」
ダウナーな反応を返し、智也はアイスコーヒーをオーダーする。
からりと音を立てた氷の様に、複雑な想いが溶けていくのは幸福な拍手と笑い声が耳に届いたからだろうか。
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
18
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
アモーレ 4 アモーレ!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
日下部あやめ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
28人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月09日
参加申し込みの期限
2016年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!