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眠れない夜に <冬>
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夢を夢だと分かっていて、けれど覚めたくなかった。
だってこれは、この夢は、あの日から幾度となく見続けて来た夢。
夢の中、泣きながら叫ぶ。
まだ目が覚めないでと願う。
それでも、夢は覚めてしまう。大切な人との別れがいつもそうであったように、突然に。
目を開く。
開いた途端、瞳に溜まった涙が眼尻から零れて落ちた。
流れるうちに冷えて耳に落ちる涙に、
宮祀 智瑜
は悲しい吐息を零す。
(また……)
頬を濡らす涙を指先でそっと拭う。憶えていないけれど、悲しい夢を見た。とても悲しい、だからこそ思い出すのも躊躇われる夢。
あの日のあの夢を見る度、夢を見て起きる度、泣いている。
頬を冷たく濡らす涙に半ば途方に暮れながら、枕元の時計を確かめる。豆電球の橙の光に薄く見える時計の針が示しているのは、午前三時。
泣き腫らした瞼を擦りつつ起き上がる。閉ざしたカーテンの隙間、深夜の闇と、闇を白く流れ落ちる月光が透けて見えた。
起き上がる。掛け布団を畳み、布団を離れる。
(行ったって、会えない)
それはよく分かっている。
(でも、もしかしたら)
祈るように黒い睫毛を伏せる。うなじを覆う黒髪を手櫛に梳かし、壁のハンガーに掛けたコートをパジャマの上に羽織る。
(もしかしたら)
心を占める想いを抑えきれず、家を飛び出す。月に照らされて案外明るい参道商店街の道を懸命に駆けて向かうのは、寝子島神社。
あの神社では、不思議でフツウでないことがよく起こる。
(きっと)
あの場所は色んな場所と繋がっているのだと、思う。
凍てつく風に吹かれ、髪や頬があっと言う間に冷たくなる。剥き出しの指先が感覚もないくらいにかじかんでくる。
震える身をそれでも立ち止まらせず、神社の石段を一心に登る。月明かりの石段の上で出迎えてくれた狛猫の前でやっと立ち止まり、息を切らせながらぴょこんと一礼。
鳥居を潜る。静けさと月光がしんしんと冷たく降り注ぐばかりの石畳の参道を小走りに行き、手水舎の前に立つ。ちりちりと冷たい音立てて流れる水を柄杓に受け、冷えた指先に落として、
「ひゃっ!」
あまりの冷たさに思わず声を出してしまった。誰も居ないと分かっていて、思わずふわり頬を赤らめつつ、作法通りに手と口を清める。
楼門を潜り、真夜中のお堂の前、小さく柏手を打って手を合わせる。
思うのは、亡くなった父や母、
(日暮さん、ちよちゃん)
今までに出会った、そうしてもしかしたらもう会えないかもしれない大切な人たち。それでも、二度と会えないとしても、変わらず大切で大好きな人たち。
彼らの顔をひとりひとり丁寧に思い浮かべ、智瑜は真摯に祈る。
(どこに居ても、いつまでも幸せでありますように)
強く強く、願う。
息を詰めるほどに、寒さを忘れるほどに手を合わせていて、ふと、冷えた背中を誰かの温かな掌に優しく撫でられた気がした。慌てて顔を上げて、凍り付くほど寒い風に髪を乱された。
振り向いても、誰も居ない。
白い息を吐き出しつつ、深くお辞儀をする。
「また来ます」
口に出して言えば、泣いたせいで強張っていた頬が柔らかく緩んで笑顔になれた。
月と星に照らされた道を辿り、帰路につく。こっそりと家に入り、音がしないように鍵を掛けて、家の中の温かさに智瑜は思わず息を吐いた。冷たい頬を両手に包み、奥で眠る祖父母を起こさぬよう、そっと廊下を渡って自室に戻る。
物音を立てぬようにコートを片づけ、冷え切ってしまった身体をベッドに潜り込ませる。外に出ている間に冷えてしまった布団の中で体を縮こまらせて、眠気が戻るのを待つ。
目を閉じても戻らぬ眠気に寝返りを打つ。腕を伸ばし、毎日一緒に寝るウサギの縫いぐるみをぎゅっと抱き寄せる。ふかふかのウサギの胸に顔を埋め、
「やっぱり会いたい……」
内緒話を打ち明けるように囁く。
大切な人がどこにいても幸せでいてほしいと思うのも本当。
顔を合わせて笑いあいたいと思うのも本当。
「……わがままかな」
呟いた途端、目の奥がじりじりと熱を持った。瞼を閉ざしていても溢れる涙を止められず、智瑜はウサギに抱きつく。
「わがままかなぁ……」
せめて、夢で会えるように、その夢が良い夢であるようにと願ううち、涙まじりの吐息はいつしか寝息に代わる。
(夢で逢えたら……)
起きたときにはきっと、笑顔でおはようを言えるはず。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月02日
参加申し込みの期限
2016年06月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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