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眠れない夜に <冬>
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冬の電車の座席は足元が熱いくらいに暖かい。
本土から島に戻る電車の向かいの窓に写る自分の顔がひどく眠たそうに見えて、
後木 真央
は翡翠色の瞳を拳で擦った。もうすぐ寝子島駅に着く。ここで眠ってしまうわけにはいかない。
網棚に乗せた今日の戦利品を見上げ、思わず唇を笑みのかたちに持ち上げて、
――そこまでは覚えている。
肩をしつこく叩く誰かの手を必殺の猫パンチで退けようとして、
「……ファッ!?」
悲鳴じみた声をあげた。上げた自分の声にも驚いて、真央は猫じみた仕草で周りを見回す。
「星ヶ丘? 寝過ごしたのだっ?!」
ホームの駅名に思わず頭を抱えたところで、困った顔で正面に立つ車掌と眼が合った。真央の猫パンチを避けようとして引っ込めた手の行き場に迷いつつ、年配の車掌は網棚の上に残った真央の荷物をおろし、確認と共に手渡す。
終点です、と苦笑い気味に言われ、真央は目を丸くした。だって電車に乗ったのは午後九時過ぎだった。慌ててポケットのスマートフォンを出してみれば、内蔵時計が示しているのは確かに終電の時間。
降車駅である寝子島駅前で寝落ちた挙句にぐっすり寝入り、本土と寝子島とを数往復してしまったらしい。
「ごっ、ごめんなさいなのだ、起こしてくれてありがとなのだ!」
大わらわで大荷物を抱え、ホームに飛び降りる。眠ってしまったからには仕方がない。電車賃を精算して、星ヶ丘から猫鳴寮まで徒歩で帰るしかない。
肩から大荷物を下げ、いつもの赤猫リュックを背負い直す。改札口目指して歩き出したところで、少し先を歩く二人連れの背中を見つけた。
一人は清楚なドレスにコート、一人は凛々しい三つ揃えのスーツ。
「あっ!」
後ろ姿だろうが、どれだけ正装していようが、
「修ちゃん! 美咲紀ちゃん!」
友人を見紛うことはない。正装姿に怖じてしまうことだってない。迷うことなく声を掛けて駆け寄れば、スーツ姿の
八神 修
がちょっと驚いたように眼を瞠って後、淡く微笑んだ。
「真央」
「わ、後木さんなのです」
花の髪飾りを差した黒髪を揺らし、
椿 美咲紀
が人懐っこそうな八重歯を見せて笑う。
「どうしてこんな深夜に」
修に問われ、真央は改札口へと向かいながら屈託ない笑顔を二人に向ける。
「ちょっと本土までジャージや靴買いに行って寝落ちたのだ」
肩から掛けた大荷物を得意げに見せつつ、こんな時間になるつもりではなかった、とホームの屋根の向こうに広がる深夜の空を見仰ぐ。
「修ちゃんと美咲紀ちゃんは?」
「本土へクラシックコンサートに行ったのです」
「戻ったらこんな時間だ」
「く、クラッシック!?」
顔を見合わせて笑いあう正装の二人を交互に見、真央は目を白黒させる。
「シンバルで頭を挟まれても寝られる自信があるのだ、高尚すぎるのだ……」
ついでに頭も抱える。
「修ちゃんと美咲紀ちゃんが遥かな高みに、なのだ~……」
「映画音楽のコンサートもあるぞ」
よろめいて後退る真央に笑いかけ、修と美咲紀は先に改札を潜る。
駅舎の外に出た途端、息が白く凍り付いた。街灯の光さえ圧倒して空に広がる深夜の星空を仰ぎ、修は駅前ロータリーにタクシーを探す。
正装の二人を追う格好で改札を出、普段着の真央は星ヶ丘の瀟洒な町並みに映える白壁の駅舎の前で手を振る。
「週明けにまた学校でなのだっ」
「どうやって帰るんだ?」
「もちろん、走るのだ!」
元気いっぱいに宣言するなり、真央は両手を丸めた。
「にゃにゃにゃがおー!」
深夜とあって人気の少ない駅舎の影でろっこんを発動させ、ふっくふくの三毛猫がおーを召喚する。のそのそと足元に現れ、さも面倒くさそうに丸くなろうとするがおーを抱き上げ定位置な頭の上に乗せる。
「門限のない寮で良かったのだ、セフセフなのだ」
「真央ちゃん、腹が減っては完走できぬ、なのです!」
真央の手にどこからか出した個包チョコレートを握らせつつ、お腹の空いた美咲紀は自分の口にもチョコレートをひと欠け含む。
「気をつけて帰れよ」
「美咲紀ちゃんと修ちゃんも、気を付けてなのだー!」
もう一度振り返って両手を振って後はもう猫鳴館へと夜道をひた走る小柄な少女の背を見送り、修と美咲紀は思いがけない時間に思いがけない友人に出会えた楽しさを共有して笑み交わす。
「思ったより帰りが遅くなっちゃいましたね」
白い息を手袋の掌に吐きかけ、美咲紀は冷たい頬で夜空を仰ぐ。
「今から家に帰るとメイドさん達を起こす事になってちょっとかわいそうです」
星ヶ丘寮のメイドたちは門限についてなど何も言及しないだろうし、勤務時間外の労働についても嫌な顔ひとつしないだろうけれど、
「勤務時間は守らせなくちゃなのです」
だからこそ、主はその辺りに配慮しなくてはならない。美咲紀は両の拳を固めて力説する。
「そうだな」
八神家と椿家、家同士の関わりもある中学生の頃からの友人の言葉に修は同意を示す。彼女の言う通り、今から帰れば家の者に食事の用意等で負担を掛けてしまう。
「ホテルかな」
「ホテルにお泊りしましょ」
しばらく考えてからの提案が重なり、ふたりはまた笑いあう。
使用人たちへの配慮もあるが、耳と心の奥にはまだ、ホールで聴いた重厚でありながらも繊細な音楽が残っている。
(余韻そのままにホテルに泊まるのも悪くない)
思いながら、修は携帯のアドレスメモリを開く。コールするのは、星ヶ丘マリーナを臨む高級ホテル、ステッラ・デッラ・コリーナ。
飛び込みに近い格好になってしまうものの、あのランクのホテルならば、
(緊急用に数室空けてあるものだし、)
数コールもしないうちに応じたフロントに、最上階への宿泊が可能かを問う。
(最上階ならそもそも客が入ってない可能性も高いからな)
見込んだ通り、最上階には空きがあった。予約を入れ、星ヶ丘駅前から向かう旨を伝える。フロントの快い応対に礼を言って通話を終え、携帯を仕舞う。隣で目を丸くしている美咲紀にちらりと首を傾げる。
「どうした」
「いえ、あんまりさらりとホテル最上階を用意するシュー君にビックリです」
「……そうか?」
不思議そうに瞬き、修は駅前を見回す。深夜の駅前とあってか、ロータリーには何台かの空きタクシーが停まっている。
(歩くか、短距離だがタクシーにするか)
「行こう、美咲紀」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月02日
参加申し込みの期限
2016年06月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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