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眠れない夜に <冬>
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寝子島総合病院内科医である
深倉 理紗子
の一日は忙しい。
激務による疲労に倒れ、幾許かの休暇を経て職場復帰を果たして一ヶ月以上を経た。復帰後しばらくは比較的短時間だった勤務体制も、年明けには倒れる前と同じ、朝六時出勤深夜十二時退勤に戻った。
以前と同じほとんど休みなしの日々にあって、明日は久々の休日。
少なくとも昼までは眠れる。何事もなければ、下手すれば夕方近くまで眠れる。
はずだった。
疲弊しきって重い体を引き摺って帰宅するなり、もう何にもするものかと食事もせずシャワーも浴びずベッドに倒れ込んだ。それでもほとんど無意識のうちにごそごそと寝間着代わりのロングTシャツワンピースに着替えて布団に潜り込んでいたのは神経質な性格のおかげだろうか。
その寝間着がわりのシャツの袖で瞼を擦る。
深翠の瞳に暗い天井をぼんやりと映してしばらく後、自分の眼が開いていることに気付いて、理紗子は眉を顰めた。ぎゅっと瞼を閉ざす。布団の端を胸に抱き込み、ぐるりと身体を丸くする。
忙しい上に長時間な勤務を終え、やっと横になれたのに。今日こそは目が腐るまで眠ろうと決めていたのに。
ベッドで何度となく苦しい寝返りを打つ。気が付けば開いている瞼をきつく瞑る。
(……眠れない)
どれだけ眠ろうとしても寝付けない。
体は疲れ切っているのに、眠りたくても眠りに就けない。挙句の果て、神経が尖ってくるような、疼痛にも似た嫌な感覚が全身を覆い始める。
眠れない。
動けば軋むような体でもう一度寝返る。布団の温かな闇から頭と手だけを抜け出させ、枕元を探る。布団に入る前に鞄から出した記憶はなかったが、そこはやはりいつ何時勤務先の病院から連絡が入るかも分からぬ身。手元にスマートフォンを置いて眠ることは習慣となっている。
手探りで枕元に見つけたスマホに触れる。疲れ目を射るほどに眩しい画面に示される時間は午前三時少し前。
このままベッドに横たわっていても眠れそうにはない。
寝乱れた黒髪をかき上げつつ、観念して起き上がる。冷たく暗い部屋の床を素足で踏み、ベッドに至るまで無意識のうちに脱ぎ捨てていた衣服を苦笑まじりに拾い上げる。まとめて風呂場脇の洗濯機に放り込み、ついでに寝間着がわりのTシャツも同じように突っ込む。シャワーを浴びて手早く身支度を調え、外出用の服に着替える。
(冷えるわよね)
コートのボタンをきちんと掛け、マフラーで顎まで覆い、手袋をはめる。準備万端調え、部屋を出る。
音をなるべく響かせぬよう気を配りつつ鍵を掛ける。居住するマンションの外廊下に視線を巡らせれば、橋を挟んだ川向う、勤務先の総合病院と旧市街が闇の中に見えた。
マンションを出る。なんとなく足の向くまま、橋を渡る。
橋の上に立ち止まり、真冬の冷厳な夜を仰ぐ。空に輝く星の海が一際綺麗に見えて、けれど心はどうにも澄み切らせることができなかった。
夜に白く濁る息を吐き出し、俯く。心に重く蟠っているのは、仕事に対する疲労だけではないのだろう。
(オリオン)
萎みそうになる肩をどうにかしたくて空を仰ぐ。
(おうし、)
記憶にある星座を一つ一つ確認しつつ、あてもなく歩を進める。
(おおいぬ、)
瞳に星座を辿り、心に記憶を辿る。あてどもない歩みは、迷いに迷う己の心のようだと、そう思った。
(……二十八歳になったよ)
届かぬ空の彼方に逝ってしまった次姉に呼びかける。
去年の十二月二十二日、二十七歳で亡くなった次姉の年齢を越してしまった。
(今年の誕生日が来れば、二十九歳になるわ)
瞼をきつく閉ざす。歩みを緩めぬまま、瞼を手袋の甲で擦り、星を仰ぐ。
(……こいぬ)
堪えたはずの涙がまた滲んで、俯く。
(来年は……)
年齢ばかりが姉を越えて、中身はいつまでも変わらない己を思う。他の人にはきっと何でもないようなことに戸惑って、怖気づいて、動揺して、些細なことに傷ついて、
(本当に何も変わってない)
変われていない。
知らず知らずに自分で自分を罵って、その途端、空見上げた眼尻から涙が零れて落ちた。頬に冷たく流れる涙を慌てて指で拭って、
「……あれ」
気づいた。いつの間にこんなに歩いたのだろう。馴染みの居酒屋、『ハナ』の店先に立っている。暖簾は下ろされているが、店内はまだ明るい。
(どうせ仕事は休みだから)
女将の許しを得られたら、気が済むまで女将とふたり、酒を飲みながらいろいろと話をしよう。
そう思い格子戸に手を掛ける。何の抵抗もなくカラリ、戸が開いた。
「あら、深倉さん」
「おや、おばんです」
カウンター席で熱燗を酌み交わしていた女将と壮年の男性に揃って穏やかな眼差しで見られ、理紗子はほんの僅かに後退りつつ丁寧に頭を下げる。
今晩は、と言おうとして気付いた。そういえば、今年はこの店に来るのは初めてだ。
「ずいぶん遅くなったけど……あけましておめでとうございます」
「はい、おめでとうございます。さ、座って座って。来てくれて嬉しいわ」
いそいそと理紗子のための猪口を用意する女将の隣、
楾 龍一郎
は理紗子に席を譲って立ち上がる。
「僕はそろそろお暇しますね。ありがとうございました」
空けた銚子の下に心ばかりの礼を忍ばせ、コートを羽織る。
「あの、私、……」
「僕は充分に頂きましたから」
出直します、と言いかける理紗子を遮り、龍一郎は温和な笑みで首を横に振る。少し遠回りになるが、酔い醒ましも兼ねて海沿いの道をゆっくり歩いて帰ろう。
「まだ日の出には早いですが、歩くうちに日も昇るでしょう」
理紗子を席に座らせ、龍一郎は戸口で静かに礼をする。ふわり、柔らかく微笑む。
「朝焼けの時の、空のグラデーションはとても綺麗で、好きなんですよね」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月02日
参加申し込みの期限
2016年06月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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