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眠れない夜に <冬>
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「……う」
布団の上で爪先から指先まで伸ばす。大欠伸しつつ眼を擦り、うつ伏せに転がり直す。カーテン越しに流れ込む白い月明かりに時計を確認しようと視力の弱い眼に力をこめて、それでも見えずに枕に顎を埋める。
寝乱れた挙句に眼前を覆う黒髪をかき上げ、手首に通した髪ゴムで適当に結わえる。枕元に投げ出していた眼鏡を手さぐりに見つけだし、蔓を耳に掛ける。
鮮明になった視界にもう一度時計を確かめれば、針が示しているのは午前二時。
(こんな時間か)
前日の寝不足が祟って、学校から帰るなりベッドに入って寝てしまった。夕飯頃には自然と目も覚めるだろうと思っていたのに。
枕を抱く格好でもう一度枕に顎を埋め、
神代 千早
は小さな息を吐いた。
室内にあっても、壁の薄さ故かどこからか入り込む隙間風の故か、猫鳴館の冬の夜は寒い。吐いた息が白く見える気さえして、眼鏡を外す。頭の先まで布団を被る。
(寝直そう)
瞼を閉じる。
(サンマさんが一匹、サンマさんが二匹、)
羊の代わりに数えてみるのは、イルカのように輪を潜るサンマさん。
五十匹目あたりでサンマさんがいかにも美味しそうな焦げ目をつけ始めた。
百匹目あたりでマンボウくんがサンマさんの代わりに波間から顔を出した。飛び上がろうとしたところをサンマさんに『死ぬだろそれ』と止められた。それでも飛びたいマンボウくんとサンマさんが終わらない小競り合いを始めたところで、
「眠れない……」
千早はうんざりとベッドから抜け出した。眠気がサンマさんとマンボウくんの喧嘩に持っていかれた上に、夕飯を抜いたせいで空腹感まで我慢できないほど募っている。
(マンボウって新鮮だと美味しく食べられるんだっけ)
ぼんやりと思いながら眼鏡をかけ直す。ぺたんこの腹を抱え、部屋の隅の棚に置いた電気ケトルを持ち上げる。朝沸かした水が入ったままなのを重さで確かめ、電源を入れる。
湯が沸くのを待つ間に、棚に仕舞っていた買い置きのポタージュスープの素を取り出し、白いカップに中身を入れる。ケトルから熱い湯気が白く吹き上がり、沸きあがりを示してスイッチが跳ねるのを待って、カップに湯を注いだ。
温かなスープの匂いに目を細め、差し込む月明かりに窓の外を見遣る。
凍える夜は、月も星もよく見えそうだ。
スープの熱で掌を温めながら一口すすり、空っぽの胃も温める。カップを一度棚に置き、手にするのは隙間風の多い部屋の防寒用のための着る毛布。毛布の袖に手を通し、引き摺る裾を片手、スープのカップをもう片手、
「……と、」
毛布を腕に手挟み、空いた指にレトロデザインのREDランタンの取っ手を通す。
部屋を出る。深夜ということもあってか、何かしら謎な品々が転がる廊下は静まり返っていた。
寂とした静けさに、いつか迷い込んだ一人きりの世界の孤独を一瞬思い出すも、それは本当に一瞬だけ。どこかの部屋から寝言とも独り言ともつかぬ寮生の声が薄い壁を通して聞こえて、千早は細い息を零す。
電灯が切れかけの暗い廊下を渡り、通用戸から庭に出る。
誰が置いたかもしれない、ガーデンテーブルとは名ばかりの板の上にカップを置き、その辺の壁に立てかけられて忘れ去られていた折り畳み椅子を持ってきて広げる。軋む椅子にそっと腰掛け、背もたれに毛布に包んだ背中を預けて月の明るい夜空を見上げる。
凍った風が流れて行く度、空気が震えて月星が瞬いた。
熱いスープを吹き冷ましつつ啜り、ともすればすぐに冷える身体を温めていると、不意にガサリ、庭の向こうに広がる森の闇が揺れた。
音のする方に顔を巡らせる。ぴかり、闇にふたつの瞳が光った。
こちらを見つめる金色に光る瞳に、思わず毛布の中から指を差し伸ばす。チチチと舌を鳴らして招けば、人慣れした猫はすぐさま寄って来た。
「鼠でもいた?」
人懐っこい仕草でしなやかな胴をゆるりと足元にすりつける猫の頬を指先で撫でる。ちくちくとした髭の感覚を掌に感じつつ、腕を伸ばす。ひょいと膝に抱き上げても、猫は逃げようともしなかった。
靴下を履いた猫の足が泥に汚れているようにも夜目に見えたけれど、構わない。フリースの毛布は洗えば済むこと。
毛布に肉球のかたちした泥の判子を押しながら、猫は光る眼を瞬かせ首を傾げた。なぁに?、と問うような視線に思わず口元が緩む。
「何でもないよ」
滑らかな毛に包まれた頭から背をそっと撫で下ろす。掌の下でするすると滑るような被毛と柔らかく温かな毛触りに、知らず笑みが深くなった。こうしていれば、膝の上も暖かいし、
(何だか落ち着く)
星月の空を仰ぎ、飽きず猫を撫でているうち、もう一度ガサリ、森の繁みが揺らいだ。もう一匹いたのかと視線向けると、夜の山道を駆けて来たのは、猫ではなく寮生らしき少女。
「シー、なのだ」
大荷物を肩から掛けた少女が唇に人差し指を立てる。どんな表情を返せばいいのか分からぬまま、真似して人差し指を立てる間に、少女は慣れた様子で寮の窓から室内に潜り込んだ。
まるで猫のような少女に目を瞬かせ、膝の上から見上げてくる猫に小さく笑いかける。
ぅなん、猫が鳴いた。
――もう寝たら?
そう言われたようにも聞こえて、千早は素直に頷く。
猫の温もりを感じながら一緒に月と星の夜空を眺めているうち、眠気も戻ってきている。
「そうだね。寝直すかな」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月02日
参加申し込みの期限
2016年06月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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