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MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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『可憐! 胡乱路秘子デビューライブ!』(4)
電器店の店先にいくつもテレビの明りは灯り、秘子はそれらに映し出されている光景を、満足げに……けれどどこか遠い瞳で、見つめています。
「やあやあ秘子ちゃん、探したよ! こんなところにいたんだね。もうすぐ出番だよ?」
スケジュール表をぱらりとめくって、
八十八旗 信彦
はにこやかに言いました。彼はマネージャーであり、間近に迫ったステージへと、秘子へ手を差し伸べて導きます。
けれど秘子は、その手を虚ろに見つめて、しばし立ち尽くしたまま、
「……八十八旗さん。わたくしは……どうしたらいいのでしょう」
「うん?」
ぽつりと。
再び吸い込まれるように目線を寄せたテレビの中では、先ほど凛やアリーセと一緒に思うさま歌った、興奮の路上ライブの様子が映し出されています。それをじっと見つめる瞳には、羨望。そして並みならぬ、迷いの色が揺れていました。
「うーん、そうだねぇ。確かに、君が華々しくメジャーデビューすることには、俺も迷いがあるよ」
「? 八十八旗さんにも?」
そんな秘子の葛藤を、信彦もきっと、理解していたことでしょう。紳士として、レディのために尽くす……と、そんな彼は時に三枚目にも見えながら、その実女性への気遣い、フェミニズムは本物です。彼は真に、秘子のデビューを後押ししたいと望むひとりでした。
「そう。君が立派に、そして遠い存在になってしまうのにはやっぱり、寂しい気持ちはあるからね。一ファンとして!」
冗談めかしていながらも、信彦は優しく微笑みます。
そして彼女へ、答えを告げるのです。
「夢があるなら、チャンスは掴み取るべきさ。実力なんて二の次だよ」
それに信彦には、確信がありました。仮に彼女が、都市伝説……などと良く分からない、そんな不確かなナニカになってしまうのだとしても、それはあくまで可能性の中。未来の話。あらかじめ決められた予定調和でないのなら、きっと回避する術だってあるはず。信彦は目の前のデビューのみならず、その先もまた見据えているのです。
「そうなのだ、夢を持って何が悪いのだ! 生きようと頑張って……何が悪いのだ!」
そして、秘子を応援する彼女もまた。拳を握り、力強い言葉を述べました。
「自分から夢を諦めんななのだ!
応援するのだ新しい寝子島どんと来いなのだ!」
ぴくりと。秘子の肩は、震えます。
後木 真央
はいつだって前向き、前のめり。だから秘子自身があきらめない限り、それを否定するつもりは、
「1ミリだってないのだ! 後悔なんてしてから考えればいいのだ、何があっても何とかするのだ何とかなるのだッ!」
「後木さん……」
真央の腕の中で黒猫の福ちゃんが、頭の上でデブ猫のがおーが、にゃあ、ふみゃあと後押しするように鳴きました。
かつて真央が叫んだ、
あの言葉
を。秘子はきっと、覚えていることでしょう。番組に出演する中、ことのほか多くできた『ともだち』の、彼女もまたそのひとりです。大切な、かけがえのない……。
「……後木さん。でも、わたくしは……知ってしまいました。皆さんに、聞きました。わたくしが、何をしようとしているのか。この先、どうなってしまうのか。正直、全て理解しているとは言えません……んふふ、あまり頭が良くないみたいです、わたくし。けれど……」
「人は……生きていれば、願いを持つ」
まるで彼女は、別人のように。いつものお気楽さ、能天気などまるで見せずに、真央は半ば自分への言葉のように、つぶやきます。
真央にもまた、夢はありました。
「願いが集まれば、ぶつかることもある。自分の願いを叶えたいのなら……戦え!!」
強く。後ろなど振り返りもせず、ただ強く。かなえたい、夢がありました。
「私は、願いのためなら戦う。己の願いとぶつかり合う願いでないのなら」
「けれど……けれど、わたくしの、願いは。皆さんの、フツウを」
「誰の願いも、否定しない!」
真央は思います。
生きること。願いを持つこと。夢を持つことは、人にとってごく自然なこと。夢を持って、何が悪い? と。
「フツウがなくなって、何が悪い? 新たな普通がフツウにとって代わって、何が悪い? 人類が滅亡するわけでも、世界が消滅するわけでもない……」
全て、真央は受け入れるでしょう。変化も革命も、あるがままに。それが、友だちの望むことなら。
(だから、私は……貴方の夢を。貴方たちの願いを、否定しない。秘子ちゃん……譲さんも)
顔の無い、あの男もまた。真央には受け入れるべき、寝子島の住人に変わりはないのですから。
「……否定しないのだ。どんな選択でも、願いである限り」
テレビの中で歌う凛も、アリーセも、彼女らの願いもまた、真央は否定しません。夏朝やロベルトの想いも。朱音の導きだって。
全てが、秘子を想うがための言葉なのです。
「でも、願いのためには、戦わなきゃいけないのだ。半端な気持ちでなんて、きっと叶いっこないのだ」
「そうさ……ほら。行こう、秘子ちゃん」
再び差し伸べられた、信彦の手のひら。彼は笑顔でありながら、いつもどこか浮ついたように見えながら、語る言葉は真実であり、目を逸らしがたい現実です。
「どんなに実力があっても、一瞬のチャンスを逃してしまったばっかりに日の目を見ない歌手やアイドルが、世の中にどれだけいると思う? なら……君は、掴み取るべきだ」
「……八十八旗さん、でも」
「どんな選択にだって、後悔は付きものだよ。でもね」
当然にして、告げるのは彼女の背を押さんがため。せめて、悔いぬように。
「たとえ結果的に後悔することになったとしても、夢を挫かれて燻っているより億倍マシさ。掴むべきだよ、秘子ちゃん。目の前のチャンスを」
夢見るレディを応援するのは、紳士の役割だからね! そう言って茶目っ気たっぷり、片目をつぶってみせて。
そう。どの道の先にも、後悔はあるでしょう。あの時こうしていたら、もしあんな風にしていたら。結果は変わっていたかもしれない。いつだって、悔恨の念が尽きることなどありません。だからこそ悩み、往々にして人は、誰かの導きを求めるのでしょう。
「…………んふふ」
いつもの含み笑いから、全てが払拭されたとは思えません。
それでも少しだけ、絶えない笑みに明るさは戻り。秘子は、
「そう、ですね。わたくしは、やっぱり……あきらめられません。目の前にある、あのまばゆいステージ。初めてわたくしが立つ、あの舞台……」
真央のうなずきへ、信彦の手のひらへと、手を伸ばし……触れて。
「…………ダメだッ!!」
どこからか聞こえた叫びに、明るく灯りかけた世界は、ぐずぐずと降り始めた雨の中へ、瞬く間に飲みこまれていきました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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