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寝子島高校
MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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『可憐! 胡乱路秘子デビューライブ!』(3)
とぼとぼと、歩く街はモノクローム。全ては白黒、せっかくデビューのためにと用意してもらった美しいドレスも、どこか色褪せてしまったように見えました。
「わたくしは。わたしは」
忙しない雑踏にすれ違う人々は、秘子を振り返って訝しげに見たり、物珍しく見つめたりはしません。
ただ、通り過ぎてゆくだけ。無機質で色の無い街並みに、赤くきらめくドレスを着込んだ彼女には見向きもせず、行き交うだけ。
明るくカラフルに見えていた希望が、虚ろで空しい、曖昧なものに変わり果ててしまったような。今まで前のめりに信じ込んでいたものが、もろく崩れ落ちてしまったような。
「わたし……」
「あ、いたいた! アリーセちゃん、こっちこっちー!」
良く通る、明るい声でした。すっかり色味を失ってしまったつまらない道行き、雑踏や街並みへ、不意に聞こえたそんな声が、再び色をつけていきます……音の波が走り抜けて、秘子の髪を巻き上げながら、あっという間に。
「見つかって良かったわ。
胡乱路 秘子
さん」
「夏朝ちゃんやロベルトセンパイに話を聞いてねー、探してたんだ!」
ぱちくりと、見開いた目を瞬かせた秘子へ声をかけたのは、ふたりの少女。
「はじめまして! 寝子島高校軽音楽部部長、
雨寺 凛
っていいます!」
「
黒依 アリーセ
です。あなたのことを聞いて、話をしてみたくて。来てみたの……ね、凛さん」
「うん!」
開けっぴろげな明るい笑みに、落ち着いてふわりと穏やかな微笑み。
それらを目の前にして、秘子は、
「…………ああ」
何だかまるで、信じられないものを見るように、口をぽかんと開いて。
「あれ? 秘子センパイ?」
「ちょっと、突然すぎたかしら」
「……いいえ。いいえ」
こぼれた笑み。彼女の瞳には、今、驚きと喜びが満ちていました。
「ああ……知って、いるんです。何度も何度も、見ているんです。わたくしは、おふたりを…………雨寺さん。黒依さん。ああ、だっておふたりも、わたくしには…………とっても、憧れで。わたくしはおふたりの歌を、演奏を、何度も……!」
これから舞台に立って歌おうという彼女を止めることは、もちろん凛やアリーセにとって、心苦しいことではあるのです。
「同じ音楽好きとしてはね……でも」
凛が構えたのは、愛用のギター。アリーセも、当然のように路上へ据えられているキーボードへと手を滑らせて、凛と、秘子へもうなずいて。
「私たちのフツウを壊されちゃうのも。秘子センパイが、都市伝説になって消えちゃうのも。私たちは、見過ごすわけには行かないんだ。だから!」
途端。走り出します。凛の指先が、うなりを上げるように。アリーセのキーボードが、遠くどこまでも聞かせるように。
奏でます。こんな時、気持ちを伝えるのにぴったりな、あの曲を。
響くのは夏の暑い日、青空へと轟かせた……『
フェス
』のメロディを!
「……!!」
息を呑んだ秘子へ、凛は、
「ねえ、秘子センパイ! ステージってね、案外いろんなところにあるものなんだよ? 都市伝説になって、曖昧な舞台で歌って、そんなので満足するより……もっともっと、楽しい道があるんだよ!」
「楽しい、道?」
「そうっ、たとえば!!」
ちらりと目くばせ。うなずいたアリーセの指先が踊るように跳ね、鍵盤をなぞり、キーボードは伸びやかな声で歌い。張り詰めた弦が弾けてしまいそうなほど、凛は加減無し、全力で。思い切り!
そのさなかに、ぱちりと片目をつぶり、告げました。
「寝子高で私たち
軽音楽部
と、一緒にやってみる……とか、ね!」
「わ……わたくしが? おふたりと、一緒に? ほ……本当に?」
それはふたりの、本心でした。
ふたりもまた、『MFS!』を深夜に見かけたことがありました。そして今夜、友人たちに話を聞いて、知ったのです。胡乱な存在であった彼女が、音楽と歌に憧れを抱いていることを。自分たちと、極めて近しい夢を持つことを。
今夜のデビューライブは、確かに彼女の願望と心のうろを埋めてはくれるでしょう。けれどその先に横たわるものが、希望に輝くような道であるとは到底、思えないのです。
だから凛はギターをかき鳴らし、叫びます。心を乗せて。願いとともに!
「どうせならもっともっと、大きいステージを目指そうよ! その名前をしっかりと刻んで、歴史に語り継がれる……本物の『伝説』! 私たちと、作ろうよ!!」
びりびりと。声は波となり、震わせたことでしょう。きっと、秘子の心をも。
交差点。いつしか雑踏は足を止め、ふたりの少女が奏でる爆音はギャラリーを生み、周囲の空気は熱を帯びて、足元から燃え上がるかのよう。
メロディへ耳を傾けリズムに揺れ、いつしか観客のひとりとして埋もれかかっていた秘子。自分の夢も忘れかけ、ただのひとりのファンとして、潤んだ瞳でふたりを見つめた彼女を、
「さあ。胡乱路さんも一緒に」
「え? あの……わたくしも、とは?」
その手を取って、アリーセは導きます。自らと同じステージへ。
右手にアリーセ、左手に凛。中央に秘子を据えると、
「……この番組で、ぱあっと花火の様に咲き誇り、一瞬で目を奪うデビューは華々しく、きっと誰もが夢見る瞬間でしょう。でも……たとえば、街灯の様に。夜道を行く人々の足元を、そっと照らす……そんな歌い方だって、あるんです。それは地味で、長い道のりに思えるかもしれないけれど」
アリーセは、微笑みます。同じ夢を抱く、彼女へ。
「良かったら、私たちに、そのお手伝いをさせて欲しいんです」
どこか切なく、どこか儚く。けれど美しく、静かに心弾ませるような、そんなメロディを奏でて。
やがてあふれ出す、伸びやかで澄んだ、この歌声。
揺らぐ影 沈みゆく 夕陽と一緒に 消えてしまうの?
少しずつ 掠れてく 記憶と一緒に 消えてしまうの?
唐突な路上ライブ。にも関わらず、ギャラリーからは歓声が沸き上がります。夏のフェスを大いに盛り上げたふたりのことを、知っている人々も中にはいたことでしょう。
続いて凛が、元気いっぱいの笑顔とともに、巧みなギター・プレイ。声を上げ、アリーセに負けじと歌を響かせます。
誰かが照らして くれなければ 自分の姿も 見つけられない
誰かに笑って 貰わなければ 自分の心も 見失うから
「さっ、秘子センパイも一緒に! ねっ♪」
「わ……わたくしが。おふたりと……歌を」
「これは、あなたのための曲。さあ、歌って胡乱路さん。あなたらしく……」
彼女は戸惑いがち。けれど控えめに、口を開いて。
───箱の中から 声を上げる 画面の向こうで 手を伸ばす
誰かに届くと 信じ続けて
帽子を被り 一歩踏み出す くるりと回って おどけて笑う
暗い夜の 幕を拒んで
凛やアリーセと比べて、決して上手いとは言えません。同じように歌える人は、観衆の中にだっていたはずです。
けれど頬を紅潮させた秘子へ、拍手は生まれました。届きました。大きく、優しく。
途端に彼女の絶えない笑みは、華やかさを増して。
星がひとつ 私を照らす ひとつひとつ 瞬き増える
月が昇り 私を照らす 銀の光に 舞台が浮かぶ
凛のギターはうなり、止まることなく広がり続け。
「まだまだ、いっくよーーー!!」
光溢れる 舞台で歌う あの日答えた 声に向けて
調べに乗せた 想いの欠片 色鮮やかに 世界を染める
やがて収束する音の全てをまとめ上げるように、アリーセのハイトーン。
深いブルーの瞳を、穏やかな笑みに細めて。
いつかどこかで 何気なく 夕陽に向かって 口ずさめば
影は回って おどけて笑う……
「……こんなのも、良いものでしょう?」
「ねっ、秘子センパイ!」
ビル街のど真ん中。反響する歓声と拍手、それにふたりの優しさと導きに、秘子はうっとりと、熱に浮かされて。
「ああ……こんなのって。何て、何て素敵……! んふふ、んふふふ♪」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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