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MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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『可憐! 胡乱路秘子デビューライブ!』(2)
花菱 朱音
はあくまで、語り手です。憧れはあれど、自ら胡乱な何かへ昇華しようとは思いません……少なくとも、今はまだ。
けれど、
「今まさに、都市伝説が誕生する瞬間! 私が参加しないでどうするんだって話よね?」
その手伝いをすることには、躊躇いもありません。
たとえそれが、誰かのフツウを侵すとしても。
どこか、高いビルの屋上です。荒い息をついて、秘子はびょうと吹いた強い風にあおられて、よろめき手すりへすがりつきました。
「ああ……都市伝説とはなんて、甘美なものだろう!」
見ると彼女は、モノクローム。白黒な映像の中、両手を振り上げ、朱音は空へ叫びます。
「ねえ。君も、そう思うでしょう?」
「……わたくしは」
秘子は、困り顔。口元には変わらず笑みを張り付けて、首を傾げて。
そんな彼女には構わず、朱音は目の前に連なる無機質なビル群へと、手を掲げて。
「私が望むのは、フツウなんかじゃない、不思議で不気味で、奇怪な存在。知ってる? 都市伝説の根底を成すのは、『誰かに覚えられている』、ってこと。そうでなきゃ、彼らは存在していられない。だから彼らは、誰かに覚えていて欲しい。忘れられたくない」
「……そう。忘れられて……誰にも見てもらえず、省みられず……ずっと、ずっと……それこそが……」
「私はそれを、否定しない。否定できない。私もそれを、望んじゃってるから。ふふ……『都市子さん』が笑ってる。誰かに覚えていて欲しいんでしょう? って」
朱音には、二面性が存在します。決して分かたれた人格などではなく、それは言わば立ち位置の違いではありながらも、明るくポジティブな大学生である朱音と、奇怪な都市伝説をつらつらと語る『都市子さん』には、彼女の内面において厳然たる区切りがありました。
薄く開いた口からちろりと覗く、灰色の舌。
「私は語る。都市伝説を形作る。
私は、都市伝説の語り手。
そうしていつか、私もそちら側に行くのかもしれない」
街は白黒、モノクローム。まるで彼女が、全ての彩りを隠してしまったかのよう。
「語り手……? 都市伝説の?」
びょう、と風が吹きました。いくつものヘアピンで留められた真っ黒な髪がそれを孕んで舞い上がり、ばたついて暴れ。はためく髪の隙間から覗いた瞳が、じっ、と秘子を見据えて。
「『忘れられたくない』って気持ちは、誰にでもあるものでしょう? 友だちに。家族に。恋人に。都市伝説はその対象が、不特定多数になっただけ。友だちの友だちに。恋人の知り合いに。家族の顔見知りに。ただ、それだけ」
秘子もまた、最初からそれほどに多くを求めたわけではなかったでしょう。クラスメートに、学校の先生に、家族に、見てもらいたかった。忘れられたくなかった。いつしかその願いは少しずつ趣きを違え、成長していったのでしょう。
「都市伝説は、不気味で……どこか、悲しい存在なのかもしれない。だからこそ私は、その誕生を望む。語り手として」
望んでしまうのです。否応なく。朱音の中の『都市子さん』が、自ら産声を上げる瞬間を夢想してか、切に望み、願うのです。
滑らかに光を返すドレスの胸を抑え、整ってきた息をひとつふうと吐き出して、秘子は見つめます。
朱音の顔をした、『都市子さん』を。
「わたくしが、歌えば……あの、ステージで。そうしたら、わたくしも、都市伝説になるのですか?」
代えがたい友人たちの語る話では、そのように言っていたように思います。秘子がその意味を、完全に理解しているそぶりはありません。夢叶えること、それ以外には今もって、深く理解は及ばず。どこか夢見心地のまま、そんな風に、彼女は見えました。
「わたくしが、都市伝説になれば……忘れられずに、いられますか?」
「ええ。私は、語り手だから。『MFS!のストーリテラー』、『
胡乱路 秘子
』を私が語れば、君はきっと誰もが知るような、完璧な都市伝説に昇華するでしょう。私は、それを望んでいるんです。たとえみんなのフツウが壊れても、この不思議な不気味を望んでしまうんです。私は、語りましょう。広めましょう。君がそれを、望むのなら」
しばし、困り果てた笑顔のまま、彼女は悩みに暮れて。
『都市子さん』の導きは救いであり、秘子のたどる未来であり、きっと番組を通じて得たあたたかい繋がりとの断絶をも意味するのだと、彼女は少しずつながらに理解し始めていたのでしょう。
それでも夢は、あまりにも、まぶしくて。ぎらぎらと輝いていて。
「……見てほしい。忘れられたくないんです。もうそんなのは、嫌です。辛いんです。あんなのは……あの、暗い廃墟にひとりぼっちは、もう…………でも、ああ。でも、わたくしは……」
立ち尽くす秘子を、朱音はびょうと吹く風に黒髪を舞い上げられながら、その隙間からじっと、見つめていました。
口元からちろり、灰色の舌を覗かせながら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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