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ＭＦＳ！ ～あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのＴＶショウ
【ＭＦＳ！】六根清浄大祓
【ＭＦＳ！】六根清浄大祓
【ＭＦＳ！】神（こころ）
【ＭＦＳ！】神（こころ）
『輝け！ ミッドナイト・フリーキー・コンテスト！ 第二部』（５）
ぼう、と篝火。それらは一定の間隔に配され、頭上にそびえるは真紅の鳥居。ずらずらり、並び立つ宮司や巫女はユメギワ空想楽団。タキシードを和装と替え、神懸かるよう鳴らす鈴や琵琶や。
まるで、神降ろしの儀。やけにだだっ広い御神楽の舞台、美しい和の衣装を纏う仲村渠 鳴はぽつんと立ち、それでも今宵に自らの役目を果たさんがためと、遠く響かせる伸びやかな歌声。絢爛なる舞台へ不釣り合いな寂寥の音に、いささかの戸惑いを抱きながらに。
夜はおぼろげ、鳴は思考。そう、こんなときにこそ。
（…………市子が……いてくれたら）
そうして萎みゆくよう、静かに歌い上げたなら。
「どーした、相棒？ シケたツラして」
唐突に上がる東西声は、ユメギワ空想楽団のひとりが巫女。ひょいと鈴を放り投げ、取り出したるはギター一本。
するりと脱ぎ捨てた巫女装束、ぼうと篝火照らし出す、裸身は露と艶やかに。
赤猫役、仲村渠 鳴、仲村渠 鳴！
鉢割役、獅子島 市子、獅子島 市子！
以って阿吽の狛猫一座
あらたかなる祝詞一番、ご覧に入れまするぅ！
そのため口上左様ッ……とざい、とぉーざい！」
「市子ーーー！？」
相棒。楽団にしれっと紛れ、口上述べるは他ならぬ片割れ、ハチワレ猫。
「そ、そんなところで何して……っていうか、何て恰好してるのよ！」
「カタいコトゆーな、どうせ深夜枠だし。っつーかさ、ホントはこーいう怪奇現象？ みたいなのヤなんだけど……」
相棒。ぽかんと、けれどたちまち昂揚を面に乗せた片割れ、跳ねた赤猫。
視線は絡み合い、
「でも……鳴がいる」
「……うん。そうだね……市子がいる」
揃って、『狛猫』。仔細無し。
じゃららららんとギター鳴らして、
「ジョニーだか胡乱路だか、他の連中もまとめて食う気でいかしてもらう。そのくれーできんよ……鳴がいるから、さ！！」
♪『神（こころ）あるいは六根清浄大祓』
鈴の音笛の音、厳かに響く雅楽の調べ。
事始め、口火を切るはハチワレ猫。
日の曰わく 人は神
静謐を 掌る
肩へ提げたキーボード。清廉なピアノの音色と、融け合う赤猫の歌声。
目を開けてご覧 それが落日でも
耳を澄まそう 悲鳴が刺さろうと
鼻の呼気そのまま 澱みにむせたって
かき鳴らすギターは和琴のごとく、まるでかの石窟を開きし天沼琴。
ぱちりと跳ねた篝火は、ろっこん、市子の点けた炎。願わくは番組一切合切、まとめて大祓！
口籠らずに 病んだ世界を語る
身を鎧うよりは 痛くても触れよう
意を汲むの 底知れぬ想いの
ピアノにギターは絡み合い、火の粉を巻き上げ嵐のように。
鳴とて願うは番組出演者、彼の者らへ幸あれかしと。
胡乱でも 顔がなくても
心清く浄ければ 何も穢れない
嵐は全て巻き込む颶風と化して、白い楽団員らの鈴の音笛の音、織り上げて。
渦の目を成す二人、見つめ合い。声を揃えて、織り成して。
法は影かたち 説は置き去れ
皆花よりぞ 木実とは生る
叶うに適うは 六根清浄
どうか願いを 傷つけないで
やがてハチワレ、俯き目を伏せ。音の全ては波引くように、嵐は晴れて。
再び見やるはレンズ・キャッツ、まあるいカメラ・アイの向こうへと。
すべて同じひとつだから 心だから
鈴の音笛の音、雅な調べ。
赤猫ぽつり。祈りのように。
日の曰わく 人は神
須らく静謐を掌る神（こころ）……
「ま、ね。何でかこんなトコ呼ばれてっけど、あたし島外にいたもんだからさ……」
ぼう、と。篝火のひとつひとつが消えていき、市子が鳥居の向こうへと消えていこうとしているのを見送りながらも。鳴の胸にはなぜだか、先ほどに感じた寂寥の念など、これっぽっちも残ってはいませんでした。
「じゃ。しっかりやんなよ」
「うん」
「……会えて良かった。またな。相棒」
「うん……うん！」
その背が夜の暗がりへ、すうと溶けるように見えなくなってから。鳴は胸に手を添え、目を伏せ、ぽつり。
「……ありがとう、市子……」
楽しかった。あたし、きっと……次の夢が見られる気がするよ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年07月23日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年07月30日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年07月30日 11時00分
