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MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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『決意! 踏み込め、立入禁止のその先へ……!』(4)
「ひ、いやッ……!!」
余裕なく張り詰めた、
葉利沢 倫理子
の悲鳴。
「ひゃああああ、何なのコレー!?」
「こんなヤツ、見たことも無いぞ……みんな、下がれ! 気を付けて……!」
逃げ惑う
鬼河内 萌
に、鋭く叫んだ
志波 武道
。
出現したのは、奇怪な黒い怪物でした。形は不明瞭で、それでいて鋭角的なシルエットを持ち、腕のような刃のような何かをそれが振り下ろすと、黄色と黒のテープは切り裂かれて散り散りになり、かすめた倫理子の肌は薄く裂けて、赤い飛沫がふわりと舞い上がります。
よろけた倫理子を支えながら、
三夜 深夜子
はふと細めた眼差しで、怪物を見据えます。
「これは……もしかして」
彼女だからこそ、気付いたのでしょう。ただのぼやけた影のようにしか見えない怪物が、一体何であるのか。
「何となく、分かるわ。これもきっと、誰かの不安。誰かが描き出した……『絵』なんだわ」
深夜子が見出したのは、その輪郭へ確かに宿る、人の描いた精緻な筆致でした。
「……ええ。そうね。その通り」
やがてその怪物と相対し、静かに口を開いたのは、
「あれは私の描いた、父よ」
肩をすくめた、
三宅 葉月
。
かつて破り取った規制線の向こうで、葉月が自ら絵画として描き出した、ひどく漠然としたあの不安の正体。葉月はようやく、気付きました。
「形がないなら、与えてやればいい。描き出してしまえば良いんだわ」
そう言って深夜、無人の交差点へめいっぱい、一心不乱に描いた『
あれ
』。形の無い不安を、せめて目に見える形へ具象化しようという試み。その過程で葉月はいつしか狂気に飲み込まれ、自分を見失いました。
その後に目が覚めてもなお、自分が一体何を描いたのか、あれほどに巨大なキャンバスを必要とするほどの、あれは一体何だったのか。葉月は今の今まで、気付いてはいなかったのです。けれど思い至ってみれば、何のことは無い、単純な答えではありました。
デザインナイフのように鋭い、鋭角で黒い触碗のようなものが薙ぎ払い、葉月はロングスカートの裾を切り裂かれながらも身をかわし、コンクリートの上へと転がります。
「み、三宅さん……!」
「……大丈夫よ」
勅使河原 悠
の悲鳴混じりの声に、あくまで葉月は何事もないような顔を返して、
「大丈夫。負けはしないわ」
すっと立ち、取り出したのは、一本の羽ペン。すう、と宙へラインを引くとたちまち動き出す、鳥や猫、犬、動物たち……『
具象化する羽ペン
』を手に、今こそ彼女は、立ち向かいます。
現実化した不安へ。父へと。
影が伸びて鋭利なペン先のような形を成し、葉月めがけ一直線。けれど彼女は慌てず、羽ペンで一筆書き。動き出した大きな熊が腕を振るい、黒いペン先を弾き返します。矛先がずれて突き立った廃ビルの壁には大穴が開き、仲間たちは息を呑み声が上がるものの、
「大丈夫……私はもう、決して」
負けはしないから。薄く浮かべた笑みに、そう誓って。
葉月の父は言わば狭量で、祖父と娘にだけ現れた類稀な才を認め、真っ直ぐな称賛を贈ることになど、まったく我慢がならないようでした。
著名な財界人として常に比較され、また文化人としても評価された祖父。彼の天性を色濃く受け継ぎ、見る間に開花させていく娘。自身がいくら欲しても手に入ることの無い、金では買えない創造性という宝を手に入れたふたりへの羨望は、やがて嫉妬に変わり、憎悪へと転じていきました。
父は幾度も、娘に進むべき道を違えようと横やりを入れました。彼女が筆を折ることで、自らが手に入れる暗い安堵、その虚しさになど思いも寄らないように。けれどそれを葉月が跳ね退けるたび、憎悪は悪意へと、悪意は殺意へすらも取って代わり、葉月を苛みました。
葉月を貫こうと伸びてくる無数のペン先を、羽ペンが描き出した鳥たちが阻み、犬や猫が影の足元へまとわりついて動きを押し留め、凛々しい狼や大きな熊が突撃し、牙や爪を突き立てます。かすかに漏れた苦悶を聞くに、効果はあるようです。
実の父に向けられる、もはや隠しようもないほどの殺意に、葉月がひとつも傷つかなかったわけではありません。鋭利なペン先が彼女の身体へ届かずとも、風穴は開かずとも、胸は痛みます。心は軋みます。『自分の意に背く娘を、もはや生かしてはおけない』とでも言うかのような、この攻撃にさらされながら……彼女とて、奥歯を噛み締めたことに変わりは無いのです。
けれど……それでも。
「立ち向かうと、決めたのよ」
そうするに足る夢が、彼女にはありました。
羽ペンを翻し、次々に生み出す無数の鳥たち。それらは巨大な影へと殺到し、つつき、ついばみ、徐々に散らしていきます。イーゼルやキャンバスのような形を成した影が鳥たちを薙ぎ、散り散りに吹き飛ばしていくそばから、葉月は休みなく羽ペンを振るい、鳥たちを生み出し続けます。
鳥たちと影は格闘を続け、やがて聞こえた、断末魔のような声。遠く、細く……悲哀に満ちた、男の声。
「哀れな人……だなんて、思わないわ」
解けるように、さらさらと溶けるように消えていく影へ、葉月はぽつりと。
「あれはただの、感情。人の感情そのもの……ただのそれだけだもの」
全て、終わったわけではありません。父との確執は続くでしょう。再び選択や、決断を迫られる時が来るかもしれません。
(それでも、私は……歩いていける)
葉月は、引き裂かれて足元に散った規制線を踏み越え、歩き出しました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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