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MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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『決意! 踏み込め、立入禁止のその先へ……!』(5)
志波 武道
は
すぐにも、気付きました
。それが、『彼』の不安を具現化したものであるのだと。
「陽太く……」
「来るなッ!!」
鋭く。
そしてふわりと。
呉井 陽太
は、微笑んで見せるのです。
「大丈夫。ちょっと決着、つけてくるよぅ」
あの時は何の兆行も無く、いきなりのことでした。焼けつくような脇腹の熱さを思い出して、少し身震い。三度もあれを味わうのはご免なので、今度はこの階段を、慌てず、駆け上がらず。慎重に、歩を進めます。
不思議と、恐怖感はありません。後ろで彼や、仲間たちが見守ってくれているからかもしれません。
実際に、再びもう一度、相対したなら。自分がどうなるのか、甚だ未知数ではありました。恐怖にすくんで、動けなくなってしまうだろうか? それとも
いつかのように
、少しばかり、行き過ぎてしまうだろうか? 期せずして予行演習ともなったあの悪夢は、奇妙なまでに陽太の胸を落ち着かせてくれているようです。
「……ああ。お久しぶりですね」
やがて現れた男の、あの焦点の定まらない瞳や、とくとくと泡を吹く口元、震える手に握り締めた刃を目にしても、陽太の声は震えのひとつも無く、そんな風に言ってのけたほどです。
「……く……て…………う」
断片的に届く、つぶやくような声。
ナイフが、ひと振り。胸にかすらせつつ、背を反らして避け。ふた振り、袈裟切りに斜めの軌跡は、半身を引いてかわし。三振り、真っ直ぐに突き出された刃へ向かって、陽太はあえて踏み込み、脱いだジャケットを腕へと巻き付け絡め取り。瞬く間に床へと引き倒して、身じろぎも許さないほどに固く、ぎり、と抑えつけ。
陽太は。あの時、成す術も無く恐怖と痛みに沈んだ少年は、今。
「もう、終わりにしませんか」
語りかけます。静かに。ゆっくりと。
「ら…………あ……よ……」
「そう、あの時も……あんたは、何かをつぶやいていた。オレ自身は、痛みでそれどころじゃなかったけどね。弟から聞いたんですよ。あんたはずっと、そうして何かをつぶやいていたと……繰り返していたと」
どうせロクでもない言葉だと、それを伝えた弟は言いました。そうかもしれません。薬物で前後不覚に陥った通り魔が口にする言葉など、ロクでもないことに違いない。そう考えるのが自然です。
陽太は少し、違いました。
「そう、聞いたからこそ……オレは、願ったんだ……」
薬などに惑わされず。誰かを傷つけることもなく。
ただ平穏な心のまま、日々を過ごしてほしい。
ただ、それだけを。
「……に……て…………」
「何度も繰り返しつぶやくほどの言葉が、あんたにはあった。きっとそれは、願いが……だからこそ、オレは…………一体、何をつぶやいてたんですか? あんたはあの時、何を……」
腕を抑えつけるままに、耳を口元へ。今も繰り返し、途切れなく繰り返されている、きっと、あの時と同じ言葉へと。
「ら……し…………よう」
「……らくにして、あげよう……らくにして、あげよう。おれが。らくにして、あげよう。きみを。らくにして、あげよう。さみしくない。もう、さみしくないよ。らくにして、あげよう。らくにして、あげよう……おれが、きみを」
するりと拘束を解くと、ナイフは男の手からこぼれ出て、からん、からんと階段を転がり落ちていきました。
「…………ああ。そうか。あなたは……」
床へへたり込み、震えながら自分の身を抱き締めた男こそ、生きることに疲れ切っていたのでしょう。薬へ逃げ、幻覚と幻聴に思考は侵されて。心優しく善良だったはずの男を、次第に歪めていったのでしょう。
たまたま人ごみで家族とはぐれ、ひとり孤独を噛み締めている小さな少年を、男は、親に見捨てられた子だと思い込んだのでしょう。置き去りにされたのだと。男自身にもまた、そんな経験があったのかもしれません。同じ傷を持っていたのかもしれません。
ずきり、脇腹が痛んで。
「不安で、心が潰れてしまう前に……楽にしてあげよう、と。あなたは、オレを」
虚ろなままの瞳を、憐憫とともに覗き込み。
「オレを、救おうとしてたのか…………」
あまりにも、一方的ではありました。相手が望むと望まざるに関わらず、あまりにも一方的な、善意。
それでも、彼の行いには、ひとつの悪意もありませんでした。
一方的な。身勝手な。それでも。
「……らくに。きみを。おれ……」
「もう、いいんですよ。オレは寂しくもなければ、孤独でもない。ほら……見てください」
笑って示した先に、仲間たち。陽太の身を案じ、今にも飛び出しそうにしながら、それでも拳を握って耐えてくれている、見守ってくれている、彼ら。それが、何よりの証でした。
戸惑いの色を浮かべた男の瞳へ、陽太は、
「オレを楽にしたいなら、ナイフは必要ない。それより、オレの願いを聞き入れてもらえませんか? そのほうがオレは楽になれるし、救われます」
今度こそ。何にも惑わされず、誰かを傷つけることもなく。
ただ、平穏な心のままに、日々を。
ただ、それだけを。
「…………らく、に……」
つ、と、雫を頬に伝わせて。
男はかすかに微笑み、やがて揺らいで、消えていきました。
後には風に流され飛んでいく、黄色と黒の切れっぱしだけ。
「だ、大丈夫、でしたか……!?」
「肝が冷えたぜ……怪我ねぇか?」
心配そうな
勅使河原 悠
や、落ち着きを取り戻した
山田 勘三郎
の気遣いに、陽太は笑って、
「うん、大丈夫だよぅ。やっと、スッキリしたーって感じ……」
気付くと目が合い、思わず安堵の息を吐いた彼へ。
「……お疲れサン、陽太くん。終わったかい」
「ありがとねぃ、武道君。終わったよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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