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MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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『決意! 踏み込め、立入禁止のその先へ……!』(6)
漠然とした不安はありました。不可思議な番組が回を数えるたび、深みを増すたび、常にその予感はあったのです。
「あっ、
クロワ
?」
規制線の向こうから、にゃあ、とひと鳴き。じじじ、じいい、とカメラ・レンズがピントを合わせる音。いつだって黒猫の訪れは、こんな風にして唐突でした。姿を消すことのできる彼らレンズ・キャッツは、手を伸ばせばしゅぱんと青白い燐光を残して消え失せ、忘れた頃に再びしゅぱんと姿を現して、
綾辻 綾花
を翻弄します。
それでも。
「どうしたの、クロワ。こっちにおいで」
抱き上げた黒猫の、この手触り。ぬくもり。ふにい、と鳴いてぺろりと綾花の頬を舐めた、この愛らしさ。
いくつもの、触れ合いの記憶。ただの思い出にしたくは無いのです。
「あら? 首輪が……あっ、クロワ!?」
けれど、不安がありました。付けてあげたはずの首輪を、黒猫が今は身に着けていないことに覚えた、言いようのないもどかしさも。ひょいと腕から飛び出したあの子が、二度とは戻らないような、そんな予感も。
今は何だか、確信めいているような気がして。
「な、何これ……黒猫ばかり、どうしてこんなに……」
怯えて余裕の無い
葉利沢 倫理子
の声に、気付きます。
周囲におびただしく、数えきれないほどの、黒猫たち。にゃあ、にゃあと。鳴き声も、黒い毛並みも、いつしかその中へと紛れて。
「待って……待って、クロワ! 待ってぇ……っ!!」
別れの予感、不安は常に、あったのです。
「お願いです、皆さん……クロワを、あの子を探してください!」
「で、でも、そこらじゅう黒猫だらけだよ……?」
綾花の懇願に応えたいのは仲間たちも当然ながら、あたりを見回しながらの
鬼河内 萌
の言葉が、その困難を如実に物語っています。
猫、猫、猫。廃ビル群はいつの間にやら、どこからか現れたレンズ・キャッツたちに埋め尽くされるかのようです。
にゃあ、にゃあ、にゃあ。渦巻くように聞こえる、無数の鳴き声。
「どうしよう、手分けして探してみよっか?」
「いや……それは危険だな」
萌へ言った
鴻上 彰尋
は綾花をなだめるように、けれど端から諦めるというそぶりもなく、
「だから、一緒に探そう。そうすること自体が、この場所から脱出することにも繋がるんだと思う……それでいいよね、綾辻さん」
この場所、あるいは番組のルールを考えるなら、確かに彼ら自身が心に抱く不安、具現化されたそれらを乗り越えることこそが解決へと近づくのだと、彼らにも分かり始めていました。
「はい……お願いします。あの、長毛種の、ヒマラヤンに似てるんです……あの子」
ぽつり、ぽつりと。気落ちして、綾花は力なくつぶやきます。
「そんな気は……してたんです。いつか、クロワが消えてしまうんじゃないかって……番組の中で出会って、ふらっと現れて、一緒にいて……でも、それが終わったら……もしかしたら、って……」
そもそも、彼らの役割とは、撮影することです。カメラ・アイで寝子島を撮影し、『MFS!』として放送すること。それが、レンズ・キャッツたちの存在意義なのです。綾花や、番組に深く関わった幾人かのもとに残った数匹の黒猫たちは、あくまで稀な例外に過ぎません。
時折、寮の自室へ気まぐれに現れる黒猫を抱きすくめながら、綾花はいつだって、考えていたのです。このところは特に、そんな不安が大きくなっていくのを感じていました。何かの予兆であるかのように。
「……もしかしたら……このまま」
「大丈夫」
手持無沙汰にぎゅうと胸を抱きながら、顔を上げると……彰尋の、仲間たちの笑顔。
「必ず見つかるよ、諦めないで」
「そうだよ~! 絶対絶対見つけてあげようね、クロワちゃん!」
萌の明るい言葉の、なんて頼もしく、嬉しいことでしょう。
「……っ、はい……必ず……!」
それから、どれほどの時間が経ったのか。数十分か、数時間か、それとも数日も経っているのか。どうにも時間の感覚が曖昧で、良くは分からずとも……少なくとも、綾花は必死に、黒猫を探し続けました。
「戻ってきて。クロワ……お願い。お願いだから」
にゃあ、にゃあにゃあと、どこまで行っても同じような、猫の声。ぞろりとして黒い毛並みに、アンテナしっぽ。それぞれに個性はあれど、代わり映えしない彼らの姿。
「大好きな煮干しも、『ササミだニャン』も、いっぱいあるよ。ブラッシングもたくさんしてあげる、いつも気持ち良さそうにしてたよね。一緒にお風呂にも入ろう。猫鳴館は動物を飼うの禁止されてないし、大丈夫だよ。だから。だから…………」
ぽろりと。瞳に溜まった雫がこぼれてしまうのを、綾花は止められません。
ぽろぽろ、ぽろぽろと。
「……一緒に……いようよ。クロワ……ね? お願いだから……私と、一緒に……」
長いこと探していたので、疲労で手足は重く、喉は枯れて、不安はますます増していき。涙を拭うことすらできずに。
「本当に、もう……このまま……」
切れてしまいそうに張り詰めた緊張へ……不意に。気まぐれに。
にゃあん。
「っ!」
どんなに疲れ切っていようと、遠くであろうとも。たくさんの黒猫たちに紛れていようとも。
聞き分けること。見分けること。たった一匹のクロワを見つけ出すこと、それだけには、綾花は自信がありました。
「…………クロワぁッ!!」
黒猫はたくさんの同種に紛れて、路地裏の曲がり角に、ぽつんと佇んでいました。振り返り、ふにゃ、とお気楽そうな声を上げたクロワへ、綾花はつんのめりながらに駆け寄り、抱き上げます。あのふわふわとした毛並みを、ぬくもりをもう一度、腕の中へと。
「良かった……クロワ……」
鼻を鳴らしながら、黒い毛並みを顔を埋めた綾花へ、
「あの……これ。そこに落ちてたわ。その子のでしょう?」
倫理子がおずおずと差し出したのは、外れてどこかへ行ってしまった、首輪。かつて綾花がクロワへ贈った、首輪でした。
「……あ」
ふと目に入った、金色のタグの裏側。それまで無かった文字がそこへ刻まれていることに、綾花は気付きます。
綾花が身を寄せる、猫鳴館の住所。その部屋番号。綾花の名前と、クロワの名前。まるで、迷子札のようです。
「一緒にいてくれる、ということかな?」
「良かったね!」
苦労して綾花とともに探し回ってくれた、彰尋や萌、倫理子や仲間たちへ。
黒猫をきゅっと抱き締めた綾花は、涙まじりの笑顔を浮かべました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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