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秘密にまつわるエトセトラ
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フツウの中にある秘密
「い、いたたた……」
太陽が昇るかどうかの早朝、桜花寮の自室で
恵御納 夏朝
は頭をさすりながら床から立ち上がった。
「また、転んじゃった……」
と言ったところでハッとする。
別人格、夏夜が表面に出てしまっている。
(またか夏朝。これで頭打ったの、トータル何回目だ……!)
まずは周囲を見渡した。どうやら自分以外に人がいた気配はない。
少しずつ記憶が戻ってくる。表の人格である夏朝がすべてを司っているときの記憶も、夏夜は参照することができる。逆は不可だ。
「えーっと、寝る準備をして、歯磨き片手にうろうろして……日記は書いてないのか」
自分で自分の現場検証をする。なんとも不可解な光景だ。
「……フツーになんでもないところでこけて、思いきり頭を打ち付けただけっぽいな」
そのまま朝までぐっすり気絶。風邪を引かなかったのが不幸中の幸いか。
「夏朝らしいといえば夏朝らしいけど」
ちょっとやっかいだと夏夜は思う。これだけ長い時間気絶し、目覚めてみると別人格。まだ夏朝のほうは眠っているということになる。これまでの経験上から一つの結論が導き出せそうだ。
「まだ夏朝は夢の中。今日一日は、夏朝を演じないといけないな」
とりあえずは、一縷の望みをかけて。夏夜は布団へと潜り込む。まだ学校の準備をするには早い。
(目覚めたら夏朝になっているといいが……たぶんないだろうな)
目を閉じるのだった。
外で鳥たちが鳴き始める時間、
白 真白
は小さい体を起こすと、てきぱきと学校へ行く準備を開始した。シーサイドタウンの実家暮らしだが、仕事の都合で両親はほとんど滞在しない。胸以外は子どもサイズの真白だが、家事全般をなんでもこなす能力が自然と身に付いていた。
朝食や身支度以外に、起きてすぐ真白がしなければならないことがある。
それはおむつの交換。
事故の後遺症で生理現象の一部がコントロールできなくなり、寝ている間におむつはぐっしょりとなってしまう。
このことは、誰にも話せていない秘密だ。
(まあ秘密というよりは、誰かに率先して話すまでのことじゃないし、って程度だけどね)
おむつを換え終えると鏡の前に立つ。
背はちょっと低いが……見た目はフツウの女子高生。おむつが手放せない子なんて、誰も思わないだろう。
(今日も一日、楽しく過ごすぞ)
換えのおむつをカバンに入れ、朝食を済ませると、家を飛び出した。
「夏朝おはよー」
「あ、おはよう……」
朝の8時前後、桜花寮から寝子高への通学路は、生徒たちの大行列ができる。桜花寮が寝子高専用寮なのだからもはや日常だ。
「おはよ!」
「うん、おはよー!」
(こんな感じのトーンだったよな夏朝って……?)
少しずつ調子をつかもうとしている夏夜。とにかく秘密がばれてはいけない。クラスメイトに違和感を持たせてはならないのだ。
通学路の途中に空き地がある。その草むらから、ミャーミャーと子猫の鳴く声が聞こえた。
(そうだ、確か)
夏夜は夏朝の記憶を思い起こす。最近ここで子猫が数匹生まれ、夏朝は通学がてら、エサを与えて10分ほど可愛がっていた。
(ここを素通りしたら、夏朝の友人たちが怪しんでしまう)
「猫好きの夏朝が子猫エリアをスルーなんて、近々寝子島は沈没するんじゃないか」
そんな噂がみるみる広がり、寝子島が大混乱に陥ってしまい兼ねない。大げさじゃなく、あり得る。
(仕方ない……腹をくくるか)
「猫さん、おはよう!」
できるだけ夏朝に近いテンションで。恥の心を捨てて子猫たちをわしゃわしゃする。
「可愛いねーご飯あげようね」
昼食用にと持って来たパンを分けて与える。乳離れを始めた子猫たちが一斉に夏夜の手へと群がった。
「いっぱい食べて大きくなるんだよっ!」
(これがフツウの夏朝なんだ、これがフツウの……)
言い聞かせる夏朝。背後に感じる同級生の視線は、いつもの夏朝を見守るそれだった。ひとまず安心だ。
(ん……)
子猫たちからやや距離を置いて、親猫がじっと夏夜を見ている。
(疑っているような目だね)
野生の勘だろうか。「いつもエサをくれる人だけど、なんかちょっと違う」という心境らしい。
(明日にはまたいつもの夏朝に戻ってるからさ。安心してよ)
適度に子猫たちとじゃれる演技をした後、再び通学路へ戻っていく。
真白にとって、何事もないフツウの一日。フツウに勉強し、フツウに友だちと雑談し、フツウに休憩をとる。
昼休みのチャイムが鳴るころには、おむつがぐしょぐしょになるのも、フツウのこと。
みんなが昼食の準備を始める中、真白はおもむろに立ち上がりトイレを目指す。
ふと、クラスメイトの机に置いてあるペンケースが視界に入る。
「あっ、これ可愛い!」
思わず声が出た。
猫たちのデザインが丁寧に織り込まれたペンケースの持ち主は、夏朝だ。
「どこに売ってたの?」
真白に尋ねられ夏朝は、いや、夏朝を演じる夏夜は、突然声をかけられた驚き顔をごまかすため目を逸らし、そしてまた真白を見た。
「えっと……確か……シーサイドタウンの……」
頼りない記憶を引っ張り出す夏夜。夏朝だったら即答できたことだろう。なんとか店名を絞り出した。
「へーありがとう。今度行ってみようかな」
そう言って廊下へと出て行く真白。
「はあ」
開放された夏夜はため息とともに突っ伏す。休み時間ごとに誰かから声をかけられ、夏朝を演じきる。おまけに夏朝は、夏夜だったときの記憶を共有できない。授業もきちんと先生の話を聞き、ノートに詳しく内容を書き留めねばいけなかった。
(フツウを演じるってつらい……)
一刻も早く夏朝に目覚めてほしいと願う夏夜だった。
放課後。特に予定のない真白は一旦帰宅すると、私服に着替えた。もちろんおむつの交換も忘れない。
「薬局で洗剤と……おむつのストックも買わないとな」
欲しいものをリストアップしてからシーサイドタウンの中心へ出る。アウトレットをぐるぐるしているうちにブラジャーを新調したかったことを思い出した。
(最近きつくなったんだよなあ、お気に入りのブラだったんだけど)
身長は伸び悩んでいるのに胸はまだまだ成長したいらしい。ランジェリーショップに入って良さそうなのを選んでいく。
「あっ、ここ」
ランジェリーショップを出た向かい、昼休みに夏朝が教えてくれた雑貨店を発見。
「ちょっとここも見てこっと」
夏朝のペンケースを一目見てピンと来た通り、そこは真白の好みに合ったデザインの雑貨がたくさん並んでいる。
(このクリアファイル可愛いな。あ、このマグカップも素敵)
そうこうするうちに夕暮れの時刻は過ぎ、いつの間にやら外は真っ暗。
(ブラ買っちゃったし、今日は我慢するか)
帰って夕食の準備もしないといけない。急いで常連の薬局に駆け込み、必需品を買いそろえる。
(ここの店員さんは変なことを聞いてきたりしないからありがたいんだよね)
ショッピングモールから少し離れた、ビジネス街の中にある薬局なので、同級生に見つかる可能性も低い。
(まあ、見つかったところで、特に問題はないけど)
雑踏に加わり、暗くなって寒さの増した家路を急ぐ。
(帰ったら急いで夕食作って、宿題もやらないとな)
「結局丸一日目覚めずか……」
自室の机に向かいながら夏夜は独り言をつぶやく。夕食をとり、宿題を終え、シャワーを済ませてもなお、夏朝は起きてこなかった。起きたところで、またすぐ寝ることになるのだが。
「はあ……書くか」
ため息まじりで机上の日記を開く。
朝と夜の交換日記
、夏朝に向けて、今日あった色々なことを書き留めておく。今日経験したことを夏朝は知らない。些細なことでも記録しておく必要があった。
「空き地の子猫は健在。話したクラスメイトと、話した内容も書いてっと……授業で勉強したところのポイントもちょっと書いておくか」
我ながらよくやるな。「必読」と書いた付箋を貼りながら、一日の奮闘を労う夏夜。
日記にしっかり鍵をかけ、疲れて重くなった体をベッドへ潜り込ませる。
(明日の朝には起きなよ、夏朝……)
もう一つの自分に語りかけると、夏夜は部屋の明かりを消した。
同じころ、真白も就寝。おむつも換えて万全だ。
(明日は、新品のブラを試してみよう)
枕元に着替えを並べておく。もちろん朝一番で換えるおむつも。当たり前のようにそうしているが、他の人から見ればフツウではないのだろう。
(でもきっとみんな、フツウの生活を送っていても、一つや二つ、人に話してない秘密があるんだろうな)
ふとそんな考えを浮かばせながら、布団の中へ。
(みんなどんな秘密を抱えてるんだろう)
知りたいような、知りたくないような。それぞれの秘密を抱えて、みんな眠りにつく。
(今日も楽しい一日だった!)
いつの間にか真白も、夢の世界へ旅立っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
小西 秀昭
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月10日
参加申し込みの期限
2016年06月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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