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秘密にまつわるエトセトラ
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新しい秘密、使い古した秘密
木天蓼大学で社会学を学ぶ
古苗木 美姫
は、久々の休日を堪能していた。
一人暮らしでアルバイトと学業を両立させる彼女にとっては、如何にして出費を抑えて、楽しい余暇を過ごせるかが鍵。今日も街へ繰り出すとぶらぶらとウィンドウショッピング。ほどよく満喫したら、よく行くリーズナブルなオープンカフェで休息をとることにした。
見慣れた景色を眺めながら、舌に馴染んだホットティーを一口。いつもと代わり映えのない休日の過ごし方が、今の美姫にとっては大切に感じられた。
あの散歩中のミニダックスも、向かいのそば屋から出てくる出前のお兄さんも、よれよれのスーツを着て歩く青年も。全てが愛おしく感じる時間だ。
(……え? よれよれのスーツ?)
確かによく見る姿だが、このカフェ席から見た覚えはない。あのどうもぴしゃりとしない背中は、美姫のバイト先のひとつでよく見るものだ。
(一之瀬所長……?)
美姫が助手をしている探偵事務所の所長。
一之瀬 雨丸
で間違いない。
(今日は休日のはず。にもかかわらずスーツ姿……)
休日を返上してまで熱心に働く所長。
(失礼ながら、所長がそんな人とは思えません)
美姫は立ち上がっていた。探偵事務所助手としての血がうずいたのだ。
「ふふ、今日は所長の休日を調査させていただきます」
雨丸は寝ぐせの跳ねた髪を撫でながら、ポケットから地図を出す。
「うーん、参ったなあ」
指で地図上をたどりつつ歩き始める。小さな路地へ折れた。
(どうしたもんだろう)
色々と思案していたが、『報告』をしなければいけないことを思い出す。
少し行ったところでスマホを取り出し電話をかけた。
普段の柔和さから離れ、真面目な表情になる。
「……ええ。はい。標的に変化の兆候は見られませんでした」
(誰に電話しているのでしょう)
曲がり角の影から観察していた美姫は首を斜めにする。
(うーんどうも怪しいですねえ)
いつものよれよれなスーツに寝ぐせ頭だが、仕事のときとは違ったオーラがどことなく漂う。
(そういえば所長の私服って見たことがありません)
休みの日もスーツ? まさか?
(遊んでいるわけでもなさそうですし……あ、さらにせまい路地に行くんですね)
きょろときょろと、民家の石垣越しを覗いたり、ゴミ箱の周辺を漁ったり。
(ひょっとして……)
邪推の美姫は思わず息をのむ。
(ストーカーでは……?)
この辺りに住んでいる女性を付け狙っている。あり得ないことではない。強く眉根を寄せる美姫。
(それは、見過ごせません……!)
「参ったなあ」
また、同じことをつぶやく雨丸。
美姫が尾行していることはとっくの昔から気づいていた。問題は、なぜあそこまで、バイト先の事務所所長に不審の目を抱いて、追いかけてくるのか、だ。
(彼女の前では怪しい行動とったことないはずだけど……)
「ん……」
茂みのほうから物音。とっさにひらめき、そちらへ体を向けた。
「お、そこかな」
美姫にも聞こえるくらいの声で言い放つ。ほどけかけたネクタイに指をかけ、さらに緩めた。
(何かを探してた?)
電信柱に身を潜めて、いつの間にか垂れていた額の汗を拭う美姫。
(あら)
柱からひょいと顔を出すと、所長の姿が路上にない。
(茂みのほうに入っていってます?)
こそこそと近づいていくと、案の定、茂みをがさごそと進入していく雨丸の背中があった。
「一体何を」
とつぶやいたところに、雨丸の声がかぶさる。
「やっと見つけた」
茂みの音が強くなる。何かを追っているようだ。
「もう、逃がさない、よ!」
短い鳴き声の後、静かになる茂み。しばらくすると、雨丸と、彼に抱かれて一匹の猫が姿を現した。
「君がマリアンヌちゃんだよね? 大丈夫大丈夫、そんなに恐がらなくてもいいから、ね?」
いつもの柔和な微笑みを見て、美姫はようやく納得する。優しく猫の背を撫でる雨丸へと寄った。
「所長、猫ちゃんを尾行していたんですね」
「やー、やっぱり君だったか」
気の抜けた顔で美姫を見上げる雨丸。
「片付いてない仕事があると落ちつかなくてね。この子の飼い主さんもすごく心配してたから」
「へえ」
「……って、恥ずかしいから聞かなかったことにしてくれるかい?」
「ふふ、いいですけど。それにしても可愛い猫ちゃんですね」
雨丸に撫でられリラックスモードのマリアンヌを覗こうとしたところで、先ほどの雨丸の発言に引っかかりを覚える。
「やっぱりって、所長……もしかして私の尾行に気づいていたんですか」
「ははぁ、僕も元刑事だからね。バレバレってやつかな?」
「私なりに……頑張っていたんですからね」
悔しげに頬を膨らます。
「そんなに拗ねないでよ、ね?」
慌て繕う雨丸を知ってか知らずか、マリアンヌが前足を掻いて、雨丸の懐から逃げ出そうと目論んだ。
「おいおい、これから飼い主のところへ帰るんだぞ、っと……暴れるな……美姫ちゃん、手伝ってくれるかな?」
「私は非番ですから、知りません」
ぷいと顔を横に向ける。
「こりゃ手厳しいな」
苦笑いで寝ぐせ頭を掻きながら、またマリアンヌをそっと抱きかかえようとする。
そんな雨丸を横目で見つつ美姫は、
(良くも悪くも、いつもの所長だな)
と可笑しさ交じりで思う。
普段は人と物に雑というか、無頓着なところがあるが、根っこには優しいところがたくさんある。
そんな彼の一面が表に出る姿を目撃できて、美姫は何か、胸の奥にうずくものを感じ取るのだった。
その感情は一体、どんな種類に属するものなのか。まだ美姫には分からないし、分かろうという気持ちもない。
今はただ、この新しく見つけた感情を秘密のまま大切にしまっておきたい。
そう強く願うのだった。
(ふう)
美姫には見えないよううつむき加減で、雨丸は柔らかい表情から一転、冷徹な笑いをたたえていた。
瞬間、脇腹に抱える名も知らない猫が暴れるのをピタリと止めた。
(なんとか、うまく運んだな)
尾行されてると気づいたときはどうしようかと思ったが、我ながら優れた機転の利かし方だった。
(美姫ちゃんから開放されたら君のことも開放してあげるから、我慢するんだよ)
頭から背にかけてをゆっくり撫でてやる。
今はただ、このよれよれスーツの恰好よろしく、秘密は使い古しの秘密のまま気だるくしまっておきたい。
そう強く願うばかりだ。
(……誰にも知られてはいけない。誰にも)
雨丸がいつもの気配に戻すと、マリアンヌはまたも暴れ始める。
「あ、痛っ、こら、引っ掻くな」
「ふふ」
昼下がりの路地裏に、雨丸の悲鳴と美姫の笑いが交差した。
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あとがき
担当マスター:
小西 秀昭
ファンレターはマスターページから!
秘密にも色々あるものだな。そう感じるシナリオでございました。
小西秀昭です。今回もご参加いただき、そしてお読みくださりありがとうございましたっ!
秘密には色々ありますが、必ず共通するものがあることに、執筆していて気づきました。
「みんな、秘密を隠しながら、日常を送っている」
裏を返せば、表に立つ日常があるからこそ、秘密は生まれていくのですね。光と闇のような間柄だと、書いていて気づかされた次第です。
全体を通して、あるいはときにピンポイントに、皆さまの秘密アクションをお借りしつつ、そのことについて表現させていただきました。
今回もたくさんの楽しいアクション、ありがとうございました。また次のシナリオでお会いしましょう。それでは〜小西秀昭でしたっ!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
小西 秀昭
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月10日
参加申し込みの期限
2016年06月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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