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冬と月と秘密の夜
星ヶ丘寮の一室で、密接な距離でやり取りするふたりの女性があった。
「次はこれを着てみてくれ」
桜 月
が差し出した下着を見て、体のほとんどがあらわになっている
北条 冬華
は、短い吐息を漏らした。
「……これは……デザイン重視の下着ですね」
月らしい工夫の凝らされた素敵なデザインだと冬華は感じたが、なかなか自分から手を出すには勇気のいる類の下着だった。モデルを頼まれている手前、拒むわけにはいかない。速やかに着替えを始める。
「うん、よく似合っている」
言いながら月は冬華に寄り、肌と下着が密着している側面を指でなぞり刺繍を確かめた。また吐息の出そうになるのを、冬華は唇を噛んで堪える。
服飾デザイナーを志す月。彼女の夢をサポートするため、メイド兼モデルを始めたことに、冬華は今も後悔はしていない。むしろ、彼女の真剣な眼差しが自分の肉体へ向けられることに、少量の恥ずかしさとともに、恍惚に似た喜びも得るのだった。
「よし」
月の声で冬華はハッと現実に帰る。
「お疲れさま、疲れただろう?」
「いえ……大丈夫です」
元のメイド服に着替えようとしたところで月に制される。
「あとは他のメイドに頼むから、今日は帰っていいよ」
でも……と抗いの言葉が出そうになるが、主従の関係のふたりである。主人の命令には素直に従わないといけない。
「はい……では、お言葉に甘えて……」
深々と頭を下げると、冬華はメイド服を綺麗にたたみ始める。
私服に着替えた冬華を見送った後、部屋には月ひとりとなった。
「ふう」
小さなため息をついてから、言いようのない物足りなさに襲われた。
今日もデザイン描画は上出来だった。モデルが優秀なおかげで、より精巧で完成度の高い下着が完成する。この兆しは間もなく、現実のものとなるだろう。そこに不足はない。
では一体この渇望はどこからわいてくるのか。心の中にあるこの埋められない穴は何だろうか。
月にはその正体が分かっていた。
だから、抗うふりをしてから、本能に従って、素早く寝間着へと着替える。
月の衣装入れには、デザイン参考用にと取り寄せた下着が何枚かしまってある。初めは試着するつもりなどなかったのだが、実際に着た姿を確かめないと今後につながらないと思い、自分で身につけ、鏡を見ながらデザイン画を描いていた。
そうしているうちに、派手な下着に不思議と馴染んでいく自分に気づいたのだ。
(このことは、着替えを手伝ってくれる冬華さんすら知らない)
今夜の下着も、先ほど冬華に合わせたそれよりさらに派手なもの。寝間着も、パジャマからシースルーのベビードールに変わった。
(こんな私を見たら、冬華さんはどう思うだろう?)
鏡の前に立ち思う。いつの間にか、さっき見ていた冬華の姿が重ね合わされる。
背景が
聖夜の出来事
へと移り変わっていた。あの、雪も溶かすように熱く甘い夜のことは、月の頭から一生離れることはないだろう。
「冬華……」
ほかの人たちといるときは、主人とメイドの関係。ふたりだけの時間は、単なるデザイナーとモデルの間柄、だけなのだろうか。
試着してもらっている下着に触れるたび、正確には、試着している冬華に触れるたび、新しい物語の発展があるのではと期待した。
しかし今夜もそうであったように、冬華のほうからは何もなかった。
(……これが冬華だったら)
鏡に映る自分の手の平を見ながら想像する。そこに拒絶や恥じらいはなかった。
この虚しく開いた穴を埋める方法はひとつしかない。
悪魔からもらった香水
をアロマのように焚いてみる。数多の男たちを手玉に取ってきた大悪魔エローチカが愛用したとされるその香りは、確かに月の乾いた心を湿らせ、気分を高揚させるのだった。
いたずらに月は、冬華に見立てた自分の手で、自分の体をまさぐりだす。冬華の名前を何度もつぶやきながら。
「あっ……いけない」
冬華が忘れ物に気づいたのは、星が丘寮を出て10分ほどだった。
引き返すべきかためらった。すでに主人はベッドの中かもしれない。部屋に戻るのは気が引けた。
(でも)
ためらい否定しながら冬華は踵を返している。冬華は今こう考えているのだ。
自分の知らない、月の姿を覗く。まっとうな理由ができたじゃないか。
忘れ物をしたからと言い訳して、月の部屋に足を忍ばせる。そんなチャンスが必然と訪れてくれた。活かすほかは無い。
人気の少ない閑静な街を引き返しながら、冬華もまた、あの聖夜を思い出していた。
白い息を弾ませ、自然と早足になる。
部屋の前まで来たとき。確かに冬華は聞いた。自分の名前が呼ばれているのを。
(月さ……ん……?)
見慣れた月の部屋が全く別の国の景色に見えた。薄暗さなのか、焚かれる香のせいか、はたまた月の、冬華を呼びながらしている行為のせいか。
(あんなことを……)
全てのフレーバーが妖艶に絡み合い、冬華の激情をかき立てる。
(しかも……いつもと違う……扇情的な下着を)
月の秘密を、冬華はいくつも同時に目撃した。気がつけばすでに部屋の中に忍び込み、月へと飛びついていた。
(冬華!?)
月は刹那の思考の中で叫ぶのが限界で、体で感情を表現する余裕はなかった。すでに冬華が月の体を操縦している。
「……これは……!」
言おうとして、唇をふさがれた。冬華の唇に、である。
本物の冬華が、先ほどまでは幻にとらえていた冬華のすべてが、月の中へと濃厚に注ぎ込まれる。
「こうして、欲しかったのですか……?」
冬華の問いかけに言動で答える必要はなかった。月の全身がすでに受け入れていたのだから。
聖夜に一緒に寝たときよりも、さらに、濃く、甘く。
今は全てを貪りたい。何もかも味わいつくしたい。
冬華はひたすらに、月の中へと入っていく。
「冬華……」
ようやく月の出せた一声は、メイド兼モデルにかけるべきいつもの声色からはかけ離れている。
「はい、今夜のことは、内密に……」
後は、両者の吐息が、螺旋状に交ざり合うだけの時間が続く。
月の深く輝く、冬のある一夜の出来事だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
小西 秀昭
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月10日
参加申し込みの期限
2016年06月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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