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終わりのその向こうを
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神木の巫女の声が広場に響き渡り、ただ右往左往するばかりだった妖たちの流れが一気に鳥居へと向く。
逃げおおせようとする妖たちを追う『影鬼』と『走鬼』に、巫女は言葉を継ぐ。
「神木の巫女は此処に居る! 殺めたいのなら、セカイを壊したいのなら、――」
巫女の声が途切れた。
途切れたことを不審に思いながら、すばるに振り返る気はない。舞台の上は既に刀たちに任せた。己がすべきは、舞台にあれ以上の鬼を寄せ付けないようにすること。
(あとは妖たちを護ること、とか?)
「あ、ちょっと、ビーダマどっかにないかい?」
舞台から離れ、とりあえずいい目印になる真新しい風の鳥居へと駆けつつ、すばるは脇を逃げる唐笠小僧に声を掛ける。
(神木のとこの『鬼』だよねえ)
白翼持つ少年の言ったことが確かならば、『鬼』は以前遭遇したことのある『鬼』なのだろう。
『鬼』たちが捕らえられるような恰好で繋がれていた神木には、色んな色したビー玉が埋め込まれていた。
(オハジキだっけ? まあどっちでもいいや)
オハジキには『鬼』たちが集めた記憶が封じられているらしい。記憶を集めることを仕事としている『鬼』たちは、ビー玉やオハジキを見れば、一瞬だけでもその動きを止めるかもしれない。
唐笠小僧がばさりと傘を開いた。なんだか見てはいけなさそうなものを覗かせつつ、傘の内側からぽろぽろと数個、小僧の遊び道具らしいビー玉が零れて落ちる。
「ありがとね」
一目散に鳥居の向こうへ逃げる唐笠小僧にウィンクして、すばるはビー玉を拾い上げた。
「さて」
じゃらり、掌でビー玉が鳴る。
「効果あるかな」
鳥居の向こうへ逃げようとする妖たちの波から外れ、振りかぶる。狙うは舞台の前、クラスメイトの障壁に執拗な攻撃を加える『影鬼』。
黄昏の空に煌く光の尾を引いて、ビー玉が奔る。ものの見事に『影鬼』の後頭部にヒットする。
頭を打ったビー玉には目もくれず、『影鬼』は己に攻撃を掛けて来たすばるをくるりと振り向いた。今の今まで攻撃していた悠月とその足元の妖たちを一瞬にして忘れたかのように、『影鬼』は喚き声をあげてすばるへ真っ直ぐ駆けだす。
「効果なしだね!」
あっけらかんと笑いながら、すばるはビー玉を地面に転がした。代わりに懐から取り出したのは、ろっこんの冷凍ビームを放つために必要不可欠な道具、ちくわ。
「恨み辛みの言葉さえ固めよう」
ちくわをはめた手を指し伸ばし、向かい来る『影鬼』を冷凍ビームで迎え撃つ。
ぼんやりとした視界の端を蒼白い光が閃き、さゆるは黒い睫毛を瞬かせた。気付けば、周囲に悲鳴が満ちている。蒼白い光の行き着いた先、薄っぺらな『影鬼』がにやつく顔のそのまま氷の彫像と化している。
「お逃げ、あんたには関係ないことだよ」
手を引かれ、そちらに視線を向ければ、いつだったか寝子温泉街に出会い、思いがけないひと時を過ごした長い黒髪の女妖が必死に己に呼びかけていた。
舞台前の広場を『走鬼』が吠えたて、走り回る。逃げ惑うナニカたちが大犬のかたちした牙に喰いつかれ、太い前脚に跳ね飛ばされ、その姿を次々に消していく。死んでいく。
硝子が割れるが如き澄んだ騒音たてて、『影鬼』の動きを止めていた氷が砕けた。甲高い声で『影鬼』が喚き散らす。
『鬼』たちの発する悪意と殺意に触れた瞬間、身の内にぞわりとした感触が疼いて、さゆるは吐息を零した。
「武器になるもの、……ナイフのようなもの、持っていない?」
「やめなよ」
泣き出しそうな声をあげる女妖を見遣る。その切れ長の瞳には、酷く静かで、ひどく親しげな、――かなしい笑みにも見える、感情。
確かに、女妖の言う通り、
(あたしには関係のないことかもしれない)
でも、
「……関わりすぎて、しまったのよ」
『鬼』たちの爪が、牙が、己に向けられたものであったならばと思う。そうであるのなら、破滅願望に苛まれた己にとってはそれは福音にも似たもの。
(素直に受け入れたのに)
けれどそうではないのならば、少なくとも、目の前の妖たちを見殺しにすることは、最早できそうにない。
瞳に灯る頑固なまでの決意を見て取ってか、女妖は一度きつくさゆるの手を握って後、離した。死に装束にも似た白い着物の胸元から、白木の鞘の護り刀を取り出し、さゆるの手に押し付ける。
「あげる。いつか返して」
呪いのように言い放つ女妖に小さく頷き返し、さゆるは広場から町へと逃れようとする妖たちを蹂躙して回る『鬼』たちを見遣る。
女妖のもとを離れ、護り刀を鞘走らせる。
戦意を示す女を見つけ、石段で男たちに痛い目を見させられた『鬼』たちが猛った。『走鬼』が喉食い破ろうとした妖を捨て、黒い尻尾を振り回しさゆるへと駆ける。『影鬼』が気儘に振り回し妖たちを引っ掻いていた爪の先を真っ直ぐにさゆるへと向ける。
『走鬼』が犬の四肢で地を蹴る。逃げ遅れて転ぶ妖を踏み台に宙に跳ねる。確かな殺意で、さゆるの喉笛を狙う。
『鬼』共の殺意ある攻撃が、さゆるのろっこんを発動させる。
刹那、己の身に湧き上がった力に、さゆるは息を詰めた。常ならば避け切れずに喰らうはずの攻撃の軌道が読めた。己の取るべき行動が見えた。常ならぬ、そして常人ならぬ速さで、思った通りに身体が動いた。
『走鬼』の攻撃を紙一重に読み切って躱す。瞳に映るがら空きの胴目掛け、手にした刃の切っ先を叩き込む。『走鬼』が短い悲鳴を上げる。
差し込んだ刃を抉るように動かし、大犬の身を半ば裂くようにして刃を抜く。噴き出した血に頬や胸を濡らしながら、さゆるは身を翻した。返す刃を突き立てたは、己に爪立てようと背後に回っていた『影鬼』の胸。
『鬼』たちとまるで舞うかの如く、さゆるは胴を裂かれようと胸を貫かれようと蘇っては襲い掛かる『鬼』たちと死闘を繰り広げる。
疲れをまるで知らぬ『鬼』たちの連撃に、さゆるは薄く笑む。その瞳には、靄のような悲しみ。刃を振るい続けるさゆるの身を、『鬼』の血とさゆる自身の血が赤く紅く彩ってゆく。
例えば戦司る剣の巫女のような鋭い剣戟は、けれどその手に握りしめた護り刀に血脂が回るまでの間。
鋭い切っ先で裂くはずだった『走鬼』の頸周りの被毛に刃が滑った。まるで斬れぬ刀の柄を、けれど固く握りしめ、さゆるは拳を作る。
「大した戦意ね」
血塗れの女の傍ら、くすり笑って鎧のような筋肉を纏うた少年、蛇那伊が並び立つ。
鬼の動きは読めて来ていた。
正面の『走鬼』が黒い被毛を汚す血を身を震わせて払う。唸り、牙を剥き出し、頭を低くする。
その動きに跳躍の意図を読み取り、先の先を取って深く踏み込む。出鼻を挫き、その横っ面に拳を打ち込む。打ち倒されることを強靭な四肢で耐えることも読み、続けざま、筋肉で覆われた首を手に掴んで地面に叩きつける。
『走鬼』の四肢が宙を掻く。
体重を感じさせぬ身軽さで『走鬼』から数歩の距離を置き、蛇那伊は瞳を細める。
(さて、どれだけ打てるかしら?)
どうにか四肢で踏ん張り立ち、鼻先に皺寄せて唸る『走鬼』を睨み据え、蛇那伊は静かであるがゆえに凶暴な笑みを浮かべた。
(楽しみだわ)
「また寝太郎さんに心配かけてしまうかもですが……」
困ったような笑み浮かべ、記士郎がふたりの背を護る位置を取る。記士郎がその背を預けるは、悠揚とした闘気纏って立つ高久。
「さぁ、」
目的を果たすまで斃れることを知らぬかのように襲い掛かり続ける『鬼』共に拳を差し向け、高久は僅かの間、舞台を見る。
舞台の上、少女のかたちした『鬼』と対峙する人々を見る。
先に見送った日暮の背を思う。
(信じるべき道を進め)
カンナに、日暮に、その場の皆に、高久は心で語り掛ける。
(譲れぬ思いは相手の心に叩きつけろ。決めたなら、)
強い想いを持ち、成し遂げようとしているものたちの力に、少しでもなりたかった。
(俺が、俺たちが行く道を切り開く)
それが例え、生く道であろうと、逝く道であろうと。
そう思ってから、ふと唇の端に笑みが滲んだ。
(少しばかり、いや……)
かなり血が湧き踊っている。
ともすれば獰猛な笑みさえ弾き出してしまいそうな唇を引き結ぶ。滾る血は、静かに秘し身に巡らせてこそ力となろう。
「――来い」
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月11日
参加申し込みの期限
2016年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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