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ヒーローズ! ~ハイパー・ロッコーン大戦~
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右手のレーザーナイフが唸る、左手の高周波ナイフが閃く。
敵エージェントの鮮血をずぶと散らしながら、
篠原 翠響
は一人戦場を駆けていた。と、その時である。
(あれは……?)
感覚の研ぎ澄まされた翠響の双眸は、崩れ掛けた建物の陰に2人の人影を確かに見留めた。
反政府組織の人間であるなら、葬り去らなくてはならない。
翠響は一切の迷いなく2人の元へと歩み寄り――仄か、その目を見開く。
人目を避けるようにしてそこに居たのは、
御巫 時子
と
五十嵐 尚輝
だった。
(『アーク』の人間と政府のエージェント? ……裏切りと見なし、任務を遂行)
敵は2人だとナイフを構え直す翠響だったが、
(心がざわつく……何で、なの?)
と、奇妙な感覚の影響を受け、その動きは常よりも僅かに鈍い。
「……ああ、見つかってしまいましたか」
危機を察知した五十嵐が、ロッコーンを発動させる。
小鳥の姿をした爆弾が、翠響目掛けて真っ直ぐに飛んだ。
しかしそれは、翠響のナイフの一振りで真っ二つに両断される。
彼女の胸のざわめきは――その時には既に、明確な殺意の形を取っていた。
それは、バトルドールと称される翠響を、初めて捉える感情。
政府も反政府組織も、己の任務すら超越した衝動を持て余し、
(……なぜこんな感情に捉われる?)
と、めったにない感情の揺らぎに翠響はその心をも強く揺さぶられる。
一方、政府側エージェントからの攻撃に、時子はぎゅっと胸元を握り締めていた。
「これで、私も裏切り者……ということでしょうか」
「問題ないですよ、御巫さん。……彼女を倒してしまえば、全て元通りだ」
翠響が殺気を漲らせれば漲らせるほど、五十嵐のロッコーンは冴え渡る。
小鳥爆弾を操りながらナイフを抜き放つ五十嵐のボサボサの前髪の向こう、その眼差しが冷えるのに、
「……思い、出した。あいつ、は……ッ!」
封じられていた翠響の記憶の蓋が、ごとりと鈍い音を立てて開かれた。
あの目を、翠響は確かに知っている。
翠響の目の前で、政府の秘密計画の中心人物であった博士――翠響の父は殺された。
「あの目……! あの男が、父さんを……!」
翠響の父は、五十嵐の恩師でもある。
五十嵐は師を裏切り、殺し、それでいてつい先日まで何食わぬ顔で政府の研究所に居座っていたのだ。
唯一の目撃者である翠響が、目の前で起こった凄惨な事件のショックで記憶を失ったのを幸いとして。
しかし、翠響の父が殺害された時、既に政府の計画は実を結んでいた。
その結晶が、翠響。バトルドールと呼ばれる、生きた殺戮兵器。
蘇った記憶が囁くままに、兵器は復讐の鬼と化し、五十嵐へと躍り掛かる。
――ギィン!
ナイフとナイフのぶつかる音が、辺りに高く響いた。
「殺す、殺す、殺す……死ねよ、このゲスが!」
「君は……ああ、あの時の。どうにも苦手なんですよね、人の顔を覚えるのは」
でも、『自分達』が生み出した兵器の噂はかねがね、と、感情の乗らない声で五十嵐。
「ふざ、けるな!!」
翠響のナイフが、五十嵐のナイフを遂に弾き飛ばす。
至近距離からの小鳥爆弾の攻撃にも怯むことなく、
「死ねええええッ!」
翠響は、自身もボロボロになりながらも五十嵐に死を宣告せんとナイフを振り上げる。と、その瞬間。
「っ、尚輝さん!」
時子が、五十嵐をその身で庇おうと、2人の間へととび出そうとした。
そんな時子に気づいて、五十嵐は必死の形相で彼女を突き飛ばす。
「あ……」
よろめきながら、コマ送りの世界の中に、時子は見た。
翠響のナイフが、五十嵐に深々と突き刺さる。
男の口から、瑞々しいほどの赤が零れた。
その身体が、アスファルトの上に力なくくず折れる。
「尚輝さん……嫌……やめて……」
時子の懇願も、翠響の耳には届かない。
復讐のバトルドールは、一切の慈悲なく五十嵐にトドメを刺そうとし、
「か、は……ッ」
けれど、それは叶わずに終わった。
時子の目の前で、崩れ落ちる翠響。
「……ふう、何とか間に合いました」
翠響を倒したのは、政府側の治療スタッフであることを示すバッグを肩に掛けた少女――
屋敷野 梢
だ。
あまりのことに、時子は呆然として突然の乱入者を見つめる。
だって、つい先ほどまで梢という少女の姿などどこにもなかったのだ。
辺りを美しい蝶が一匹飛び回っていたことも、勿論誰も気に留めてはいなかった。
「さて、それでは『本当の任務』を遂行しましょうか」
マイペースに、冷徹に、梢は淡々と事を進める。
先ず彼女は、ラムネ菓子を口に放り込んだ。途端、梢の傍らに、人型の異形が現れる。
「均衡を守る事は国のため、この国に暮らす人のため。多少の犠牲は已む無し、です」
異形が、倒れ伏した翠響の頭を撫でるように、すいと手を動かした。
瞬間、翠響の頭部から生まれ出でた一匹の蝶が、彼方へとふわりと飛び去る。
それを見送った後でようやっと我に返って、時子は震える声を紡いだ。
「今のは、一体……」
「ああ、『この場での彼女の記憶』を蝶に変えました」
「記憶、を……?」
「はい、そうです。それが、私の新たに手に入れた力なので。蝶に変化させられる対象は私が知っている存在のみですが、全て観察していましたから少しも問題ありません」
関係者の抹殺が許されなくなったのは面倒でもありますが、まあ今回は必要ないですし。
まるで何でもないことのように、梢はそう言葉を続ける。
そして、事態についていけない時子の困惑を何と見て取ってか、
「あ、篠原さんは私が連れ帰りますが、貴方はこのまま五十嵐さんと行動を共にして構いませんよ」
安心してください、なんて、にっこりとしてみせる梢。
時子の頭の中は、益々こんがらがった。
「どういう、ことですか? あなたは一体……」
「私は『正義と悪の均衡』を維持する者です。言わば、政府の闇ってところでしょうか」
「政府側の人間……」
「今回は、もう少しで均衡が大きく崩れるところでした。私を送り込んで正解です」
梢曰く、『アーク』は生かさず殺さずが丁度いいのだという。
均衡の崩れは、そのまま戦争に繋がってしまいかねないから。
「なので、彼が死ぬと困るんです。片方だけから優秀な研究者が失われれば、均衡、崩れちゃうでしょう?」
時子は、寸の間言葉を失った。
梢の言うことを整理すれば、翠響も、五十嵐も、そして時子も。
政府と『アーク』に関わる者は全て、梢という均衡の守り手の掌の上ということになる。
政府は、時子の裏切りを知った上で、それを遥か高みから見守っているのだ。
そのことを思うと、時子の背筋を冷たいものが這った。
「……ここまで話してくださったということは、私の記憶も、消すんですね」
「ご名答です。貴方にも、五十嵐さんにも。ここで起こったことは全て忘れて貰います」
梢が緩く微笑する。彼女の異形の手が、すいと動いた。
時子の記憶から、五十嵐の記憶から、花咲くように麗しい蝶が生まれる。
二匹の蝶が空へと吸い込まれるように消えていくのを見届けて、梢はゆるりと笑った。
「お互い、博士に感謝しましょう。次会う私にもよろしくおねがいしますね」
その声は、焦点の合わぬ目で虚空を見つめている時子には届かない。
記憶の一部を欠損した余波から彼女が立ち直る前に、全てを終わらせる必要がある。
梢は、異形の手を借りて気を失ったままの翠響を連れ、僅かの痕跡も残さずにその場を後にした。
時子が目覚めたのは、梢達が去ってから暫く後のことだった。
「……あ、れ……私、は……?」
一仕事終えて、五十嵐の元へと戻ってきたところだったはずだ。
頭ではそう思うのに、大事なピースを失くしたような、胸騒ぎに似た感覚が確かにあった。
けれど、血塗れで倒れ伏す愛しい人の姿を目に留めれば、
「尚輝さん! そんな、どうして……」
不可解な状況に疑問こそ湧けど、瑣末な居心地の悪さなどは吹き飛んでしまう。
もつれる足で駆け寄って、急ぎ怪我の具合を確かめる。
息はあった。けれど、すぐに治療が必要だ。
(力……力が、欲しい。尚輝さんを助けられる力、癒しの力が)
胸に強く祈りながら、時子は支給されたラムネ菓子を口にした。
辺りに、光が満ちる。気づけば時子は、純白の天使へと姿を変えていた。
「お願い、私に力を……」
癒しの羽根が、五十嵐の上に降り注ぐ。傷が、優しく癒されていく。
じきに――五十嵐は、薄くその目を開いた。
「天、使……?」
呟きに、時子は柔らかな微笑を返す。
(政府と『アーク』。私には、どちらを選ぶのが最良なのか未だわかりません……)
けれどこの人の傍に居たいということだけは確かだと、時子は胸中に想いを沈めた。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月26日
参加申し込みの期限
2016年05月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月03日 11時00分
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