this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ヒーローズ! ~ハイパー・ロッコーン大戦~
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
10
つぎへ >>
戦いは、市街地の至る所で勃発している。
政府側のエージェントである
御剣 刀
は、彼なりの信念を胸に戦闘地域へと出動していた。
(政府が真っ白とは言わない。ぶっちゃければ真っ黒だろう?)
それでも、と、手に馴染んだ得物である日本刀に手を掛ける刀。
(民間人が平和に暮らせているのなら、それはいいことだと思うんだよ)
故に刀は『ヒーローズ・プロジェクト』に所属している。その為に武器を振るう。
「――おい、出てこいよ」
建物の陰へと、刀は横目に眼差しを投げた。
くつ、と喉の鳴る音がして、太陽の光の元へと現れたのは一人の反政府側エージェントだ。
彼――
滝原 レオン
は、飢えた獣のようにその双眸をぎらつかせて刀を見る。
「ああ、やっと……やっとだ……」
熱に浮かされたように、口元だけを綻ばせ、ゆらと歩を進めるレオン。
「やっと、母さんの仇が討てる……長かったなぁ、これまで……」
狂気の色を宿した瞳が、刀を捉える。
刀は、胸の内だけで嘆息した。相手の何となくの事情は、察するに余りある。
(……俺達の政府はまた、随分と恨みを買うのが得意だな)
しかし、それもまた今に始まったことではない。
それが含む闇を承知で政府側につくのなら、戦い抜くのが定めだろう。
「お前らだけは……お前らだけは絶対に許さない……!」
真っ直ぐな殺意が、刀へと向けられる。
それを全てその身に受け止めて、刀はすらりと日本刀を抜き放った。
「お前達にも事情はあるんだろうさ」
日本刀が、崩壊した街に射す日の光に煌めく。
「だが、俺も譲れないんだ」
ちゃき、と油断なく日本刀を構える刀。
レオンが、うっとりとして目を細めた。
「母さん……見ててくれよ。こいつらみんな、俺がやっつけてやるから」
ついと手を上げて、レオンは『何か』達の名前を呼ぶ。そして、
「お前ら、攻撃開始だ!」
高らかに宣言するや、先ほどまで彼が潜んでいた場所から幾らものぬいぐるみが躍り出た。
愛らしい手に血塗れの武器を握ったぬいぐるみ達が、刀へと一斉に襲い掛かる。
「っ……!」
クマのぬいぐるみが振るった斧の重い一撃を、何とか避ける刀。
アスファルトを抉った一撃の余波をその身にじりと感じながら、刀は気配に振り返る。
包丁を手にしたキツネのぬいぐるみが、刀の首筋を狙っていた。
「っ、来るなら全て斬り伏せる!」
その頭と胴を切り離さんと、相手よりも早くに日本刀を走らせる刀だったが、
(くそ、浅いか……!)
刀の一撃は、すいと後ろに引いたキツネの腹部から僅か綿をとび出させるに留まる。
相手の動きを読み取ることに非常に長けた刀だが、今回の敵はぬいぐるみだ。
プラスチックの目からは視線の動きはわからないし、各パーツの動きもでたらめ。
気配などを感じ取って何とか致命傷を避けるも、戦いにくいことこの上ない。
「ほら、まだ! まだだ!」
ぬいぐるみ達が、レオンの声に応えるように容赦の欠片もなく戦場に踊る。
身体に血の赤を滲ませながら河童の一撃を日本刀で受け流し、刀は息を一つ吐いた。
そうして、彼もまたロッコーンを発動させる。
「加速、完了……!」
心身を『加速』させ、壁を蹴ってとび上がる刀。
大きなクマのぬいぐるみを、刀は勢いつけて袈裟懸けに斬り捨てた。
鮮血の代わりにふわふわの綿を溢れさせて、クマはそのまま動かなくなる。
その早技に瞳を瞬かせた後で――レオンは、狂ったように笑った。
「っはは、流石は正義のヒーロー様だ!」
言って、ぬいぐるみ達の猛攻に対応する刀へと問いを向けるレオン。
「なあ。お前らヒーローは、人を救うのが仕事なんだよな?」
「……俺は、民間人の平穏の為に武器を振るってる」
「だったら……だったら、その平穏とやらを俺にも与えてくれよ! ええ!? 正義のヒーロー様よお!!!」
叫び散らして、レオンは口の中へとラムネ菓子を放り込んだ。
瞬間――少女のぬいぐるみめいた姿の異形が、彼の傍らへと現れる。
『レオン、レオン! いっしょに、あそぼ! ぜんぶ、こわすの!』
鈴の鳴るような声で、異形はそんなことを言った。
自分の名を呼ぶそれが己の力――ロッコーンの具現だと、レオンは直感で悟る。
「……へえ、お前が俺のロッコーンか」
『そう、そうだよ! わたしは、ずーっと、レオンといっしょ!』
「ずいぶんかわいらしいもんだな……まあいいさ、一緒に戦ってくれるなら」
「さあ行こうか、お姫様!」
レオンの呼び掛けを喜ぶように、きゃっきゃと彼の周りをとび回る異形。
『こわそ! こわそ! レオンのために、ぜんぶ、ぜーんぶ!』
ぬいぐるみ達の士気が高まり、攻撃の精度と勢いが増す。
身体中の鈍い痛みに仄か顔を顰めながら、隙を見て、刀もラムネ菓子を口にした。
途端、刀の頭に声が響き渡る。
声は言う。止まれ、凍てつけ、と。
(これは……俺の、能力の声? なのか?)
速さを求める刀のそれとは質を異にする、全てに止まれと命じる声。
気づけば――目に映るのは謎の声が望んだ通りの世界だった。
レオンも、彼の異形も、ぬいぐるみ達も、それこそ凍てついたように動きを止めている。
「……時間が、止まっている?」
無音の世界に、刀の呟きはやたらと鮮明に響き渡った。
直感めいたもので、刀はこの世界を維持できるのはほんの短い間のことだと理解する。
それを証明するように、ぐらり、瞬間世界が揺らいだ。
「早いところ終わらせるか」
小さくひとりごちて、刀は駆け出す。
一歩を踏み出した途端に世界は元の姿を取り戻したが――あの世界が生んだ一瞬の隙を、刀は逃さなかった。
ぬいぐるみ達のほんのワンテンポだけ遅れた攻撃を、全て掻い潜る。
真っ直ぐに目指すは、ぬいぐるみの操り手であるレオンの元だ。
もう一度、加速。
相手が身構えるよりも早く、刀はレオンの背後に立っている。
「……悪いな、これで終いだ」
日本刀の一撃を叩き込む瞬間――レオンは、心の底から安堵したように息を吐いた。
その身体が、糸の切れた人形のようにアスファルトの上に崩れ落ちる。
倒れ伏したレオンの口から、鮮やかな赤と共に掠れた声が溢れ出た。
「ああ……全部、終わったか……」
霞む世界の中に、レオンは宝物であるうさぎのぬいぐるみを見る。
その向こうに、それを遺して逝った母の姿を、レオンは透かし見た。
(……母さん)
『ヒーローズ・プロジェクト』のエージェントだったレオンの母親。
政府の陰謀で彼女は命を落とし、レオンは復讐の為に『アーク』へと身を置いた。
レオンにとって、母の死の理由を知った瞬間から、政府は憎むべき仇だったのだ。
(政府のエージェントを残さず倒すことが、復讐だと思ってた、けど)
それが叶わずに散り行く身ながら、レオンは酷く穏やかな気持ちでいた。
(きっと、本当は復讐なんかどうでもよかったんだ。ただ俺は、母さんのところに……)
静かに、目を閉じる。この世界の何もかもが、今は遠く遠くに感じられた。
「……これでやっと、母さんのところへ行ける……」
――じゃあな、せいぜい元気でやれよ。
己を倒した男へと投げたつもりの言葉は、もう声にならなかった。
『いこう、レオン。あかるいばしょへ、いっしょに』
異形が、陽だまりのように優しくあたたかな声で歌いながら消えていく。
ぬいぐるみ達は、もう、動かなかった。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ヒーローズ! ~ハイパー・ロッコーン大戦~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月26日
参加申し込みの期限
2016年05月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!