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ヒーローズ! ~ハイパー・ロッコーン大戦~
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反政府側エージェントと政府側エージェントの戦いは、未だ続いている。
真っ直ぐに飛んできた影の刃を、
泉 竜次
博士の掌から生まれたバリアが跳ね返した。
彼が維持する盾の陰で、
七緒 璃音
はカチャリと銃を構える。
銃からは、璃音の能力によって具現化された弾が勢いよく発射された。
連射された十発の弾は、璃音の意のまま、縦横無尽に敵エージェントへと襲い掛かる。
成す術もなく、血の海に沈む能力者のなれの果て。
泉博士が、璃音へと眼差しを投げてついと口の端を上げた。
「君の戦いぶりを見るのは暫くぶりだが……腕を上げたな、璃音」
「いえいえ、それほどでもー」
面映ゆいのを誤魔化すように軽く応じて、胸中だけに安堵の息を吐く璃音。
(……泉さんの能力、基本背中がら空きだしね)
老いたとはいえ、泉博士は璃音の記憶の中と変わらず優秀なエージェントだ。
けれどやはり、彼のことをどうにも放ってはおけない璃音である。
「背中を守ってくれる相手がいると思うと、安心して戦えるな」
「いや、別にそんなかっこいいものではなくてですね!」
胸の内を見透かされたような気がして、璃音は思わず早口で言った。
璃音の反応に、泉博士が屈託もなく笑う。
(……勿論、それも無いわけじゃないけどさ)
また子供扱いをされたような気がして、璃音がふいと目を逸らした、その時。
「あれは……」
彼女の双眸に映ったのは、どうにも不穏な光景だった。
殺気立つ一般人の群れ、政府のエージェント、それから――。
「光の剣? 見た所エージェントじゃないけど……無所属のモレイビー?」
詳しい状況は、璃音にはわからない。けれど。
「……あ゛ーもう! 仕方ないな!」
構っている暇はない、と頭の冷静な部分が言う。
しかし璃音は、次の瞬間には彼らの方へととび出していた。
「万一目の前で死なれたりしたら、夢見が悪くなるからね!」
瞬間、璃音に気づいた一般人が、喫茶店のマスターを思わせる格好の男の手から銃をもぎ取る。
その銃は――真っ直ぐに璃音へと向けられた。
(え……)
震える銃口が鈍く光る。
璃音! と泉博士が叫ぶ声が聞こえた。次いで、衝撃。
撃たれたわけではない――誰かに、突き飛ばされたのだ。
「泉さん!!」
先刻まで璃音が居たはずの場所で、泉博士が膝を折っていた。
手で押さえた肩口から、それでもとめどなく赤い血が溢れ出ている。
その顔に浮かんだ苦悶の表情を見て――璃音は自分の頭の中で、何かが弾ける音を聞いた。
「……ふざけんなよ」
その唇から、低い音が漏れる。
璃音は、政府から支給されたラムネ菓子をおもむろに口の中へと放り込んだ。
彼女の周囲に、幾らもの銃弾が生まれ出でる。
それらを操らんと璃音が瞳をぎらつかせた、その瞬間。
「待てよ! 落ち着け!」
璃音の前に、ヒーローの衣装を身に纏った一人の男――
風雲児 轟
が立ちはだかった。
「心配してた通りのことが起こっちまったが……」
痛ましげにマスクの向こうの表情を曇らせる轟。
しかし彼は、すぐに璃音を真っ正面から見つめて、力強く訴え掛けた。
「とにかく、その力は、そんなことをする為にあるものじゃねえだろ!?」
轟の熱い言葉に、璃音の肩がぴくりと跳ねる。
「あいつらにはこれ以上はやらせねえ! だから早く、お前の相棒を助けてやれ!」
言われて、璃音はハッとして泉博士の元へと駆け戻った。
「泉さん……!」
「は……璃音、そんな情けない顔をするな。俺が、そう簡単に死ぬと思うか?」
痛みを堪えた声は固く、けれど璃音を見つめる眼差しはどこまでも優しい。
口の中を血が滲むほど噛み締める璃音へと、背後から声が掛かった。
振り返った先には、片手に救急箱を下げ、もう片方の手を上げた一人の男。
敵意のないことを示し立っていたのは、
日暮 ねむる
だ。
「その人の治療をさせてほしい。僕はモレイビーだ」
ねむるが、簡単に己の立場と、能力と、状況を説明する。
泉博士が頷くのを確かめて、璃音がねむるに軽く頭を下げた、その時。
全てを吹き飛ばさんとするような激しい風が、ゴウと辺りを揺らした。
「……ああ、臭いがするな」
ざく、ざく。瓦礫を踏む足音と、声。
声から滲む憎しみの色に引きつけられるようにして一同が声の方へと視線を遣れば、
「忌々しい――政府の人間の臭いだ」
そこに立っていたのは、熊皮を被った奇妙な風体の男だった。
男の赤い瞳が、獲物を見つけた獣のそれのようにぎらりと光る。
肌を粟立たせるほどの憎悪を感じ取り、璃音は泉博士の前へと両手を広げて立ち塞がった。
その真っ直ぐな眼差しに緩く首を傾げた男の身体から――『何か』がするりと抜け出す。
途端、男は大きな熊へと姿を変えた。
彼(?)の傍らには、
邪衣 士
――具現化した熊のロッコーンが寄り添っている。
「クマー!」
熊が叫んだ。足踏み三回、辺りにまた荒々しい風が吹き荒れる。
『……熊の叫びは自然の叫び、自然の叫びはあらぶる風』
淀みなく音を紡ぐ士。彼は、熊の心の代弁者だ。
「クマー!」
『熊の怒りは自然の怒り、自然の怒りは雷鳴のとどろき』
熊が足を踏み鳴らし、士が言う。
近くに雷が落ち、轟音が、その場にいる全員の耳を震わせた。
自然を操る獣の登場に、民間人達が揃って顔を青くする。
雷が落ちた辺りから黒い煙が上っているのを見留めて、
尾鎌 蛇那伊
は一歩前に歩み出た。
その双眸には、新たな猛者に出会った喜びが宿っている。
「今日は良い日だな。心を震わせるほどの強者とこんなにも出会えるとは」
戦いの構えを取る蛇那伊が纏った覇気も、彼の心の滾りを映すように揺れた。
サキリ・デイジーカッター
も、二振りのナイフを油断の欠片もなく構え直す。
「く、クマー……」
政府や反政府組織と関わりのない者達が戦いのポーズを取るのに熊は躊躇いを見せたが、
『何、気に病むな。君の邪魔をするものは、全て蹴散らせばいい』
士が、熊の耳元に甘く囁いた。
「クマー……」
足踏み三回、熊の双眸から涙が一粒零れ落ちる。
涙の粒は、突如その周辺のみを襲った豪雨の中に、紛れて消えた。
『熊の涙は自然の涙、自然の涙は降り止まぬ豪雨!』
士が、雨音をかき消さんばかりの声で歌う。
雨にしとどに濡れながら、轟はぎゅっと拳を握り締めた。
「どうして! どうしてこんなことをするんだ!?」
『どうして? 俺の使い手を利用し、追いやったのは、君達人間の戦いじゃないか』
返る言葉に、轟は愕然とする。
(この戦いの根は、ここまで深いっていうのか……!)
今、自分にできることは何だ? と思考する轟。
(救う為に、俺は一体どうしたら……)
その時、支給されたラムネ菓子が、かさりと音を立てた。
キッと眼差しに決意を乗せるや、轟は、僅かの躊躇もなしにラムネ菓子を噛み砕く。
「全ての悪意よ、俺に集まれ!」
そう願った瞬間――轟は、周囲に溢れる負の感情が己の内に流れ込むのを感じた。
自分と異なる存在への恐れ、日常を奪ったものへの怒り、自身を虐げた者たちへの憎悪。
氾濫する感情に心を焼かれるほど、轟の力は強くなっていく。
そして、負の感情に支配された者達の悪意は、余すことなく彼へと向けられた。
それが轟の新たな能力――『イ―ビル・ソウル・ドレイン』の力だ。
民間人達の目が、轟へと一斉に注がれる。
「クマー……!」
熊もまた、轟の能力に囚われていた。
その瞳に怒りを漲らせる熊に、士が触れる。
そのまま士は熊の中へと吸い込まれ――後には、熊皮を被った男が一人立っていた。
「潰す……潰す……」
感情を露わにした、苛立たしげな足踏みの音。
風に巻き上げられた瓦礫の破片が、破壊力を持った小さな竜巻となって轟を襲う。
それを轟は、すんでのところで避けた。そうして、叫ぶ。
「負の感情に囚われなかった皆、聞いてくれ!」
声に、周囲の状況に戸惑い、或いは警戒を露わにしていた者達が顔を上げた。
「この戦いを止めるには、共通の敵を作るのがてっとり早い!」
だったら俺がそれになってやる! と、微塵の後悔も滲ませずに轟は宣言するのだ。
「だから……後のことは、頼んだぜ!」
この後どうなるかはわからない。けれど、平和の為に犠牲になることに躊躇はない。
多くの『敵』を引き連れて、轟はヒーローらしく颯爽と去って行った。
豪雨が止む。熊もまた、轟を追って消えたからだ。
長い長い沈黙を破ったのは
北原 みゆき
だった。
ラムネ菓子の効果が切れ、既に光の剣も騎士装束も消えてしまっているけれど。
彼女の決意は、少しの歪みもなく胸の中にある。
「私も、一緒に戦わせて」
みゆきの言葉に、声を掛けられた
椿 美咲紀
が瞳を瞬かせる。
「この先どうなるのか、私にはわからないけど……私を連れていってほしいの」
その言葉の意を解して、美咲紀は花が綻ぶような満面の笑みをみゆきへと向けた。
ぎゅっと、みゆきの手を握って、曰く。
「勿論なのですよ! ようこそ、『ヒーローズ・プロジェクト』へ!」
泉博士の治療を終えたねむるが、後を璃音に任せてみゆきの元へと歩み寄る。
「……戦いが終わったら店に遊びに来てよ。ドリンクならいつでもサービスするから」
健闘を祈るよノーラ、と、ねむるは静かな声で言った。
(……あれ?)
その様子を見守っていたサキリは、ふと、蛇那伊の姿も消えていることに気づく。
(闇に囚われるような男じゃなかった……なら、彼は)
きっと、轟の行く先に己の望む戦いがあると踏んだのだろう。
雨に濡れた街の中で、サキリは静かに空を仰ぎ見る。
「……さて、次はどんな依頼が来るだろうね」
暫くは忙しくなりそうだと胸の内に呟いて、サキリはナイフをホルスターに仕舞った。
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このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
この度、パラレルな世界のPC様方を有り難くもお預かりさせていただきまして、
素敵な設定の数々に始終わくわくしながら執筆に当たらせていただいた次第です。
あまりのわくわくに、またパラレルもの書かせていただきたいなぁ、なんて思ってしまったり……。
それはともかく、皆様にとって、この世界での物語が心に残るものになるよう心より願っております。
また、政府側・反政府側には一応の勝利条件がございましたが、
多くの方々の生き様が絡まり合った結果といたしまして、
まだ誰の勝利ともわからない、このような結末と相成りました。
一つのシナリオとしては着地点に到達いたしましたが、
この世界でのPC様方の物語は、まだまだ続いていくのではないかと存じます。
なお、この世界での出来事は全くPC様の預かり知らないものでもOKですし、
ひとつの『夢』としてPC様の心の片隅に残していただいてもと思います。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も本当にありがとうございました!
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担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月26日
参加申し込みの期限
2016年05月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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