this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ヒーローズ! ~ハイパー・ロッコーン大戦~
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
つぎへ >>
街のあちこちで、民間人達が「モレイビーを倒せ」と殺気立っている。
その様子をスマートフォンで確認して、建物の陰、
大天使 天吏
はうふふと微笑した。
「……さて、稼ぎ時ね」
今の彼女は、『精力的な活動家の大天使天吏』ではない。
地味なスーツという偽りの殻を脱ぎ捨て、真っ赤なハイヒールを鳴らして。
天吏は密やかに、市街地を離れて目的の場所へと向かった。
最初のターゲットは、政府に与することで甘い汁を吸っている資産家だ。
件の男が事前に得た情報通りの時間に、情報通りの建物から出てくるのを見留めて、
「ごきげんよう」
と、天吏は男へとにこりとして笑い掛けた。
突然現れたのがテレビで連日顔を見る女であるのに気づき、男は目を見開く。
「お前は活動家の……何故ここに……」
「いえ……少しばかり、お話がありまして」
言って、天吏は辺りを見回した。密談には丁度いい、人気のない場所だ。
「単刀直入に言います。この状況の鎮圧を、金で買いませんか?」
「何だ、何を言って……」
「私には、民間人を動かすだけの影響力があります。ご存知ですよね?」
「それは……しかし……」
「この暴動を抑えたとなれば、あなたの立場は確固たるものになります」
聡明なあなたならお分かりですよね? と、やんわりと畳み掛ける天吏。
砂糖よりも甘い言葉が、男を柔らかく絡め取っていく。
「……幾らだ」
低く漏れた言葉に、天吏は胸の内でほくそ笑む。
額を提示すれば男の顔が僅かに歪むも――果たして天吏は、あっという間に莫大な額の現金を手に入れた。
確かに、とそれを仕舞って、天吏は男へと艶やかな笑みを向ける。
「ありがとう。それから、バイバイ」
言って、天吏は赤いハイヒールで男の足をむぎゅと踏みつけた。
男は痛みに顔を顰め、文句を言おうと顔を上げた……のだが。
「……? 私は、ここで何を……?」
次の瞬間、男はこの数分間のやり取り――天吏に関する記憶を、殆ど忘却していた。
男は、天吏の後ろ姿が遠ざかっていくのを、呆けたように見送る。
じきに男は、そのことさえも夢の中の出来事だったかのように感じるようになるだろう。
(前後数分間、相手の私についての記憶を曖昧にする……それが私のロッコーンだもの)
発動条件は、赤いハイヒールで相手を踏むこと。
モレイビーの危険性を提言する活動家たる彼女もまた、モレイビーのひとりなのだった。
「ふふ、次はどちらの正義の為に動こうかしら」
次の金づるのことを考えながら、この戦闘が出来る限り長引くことを天吏は願う。
(正義の市民として最後まで勝ち残って復興事業で大儲け……うふふ、いいじゃない)
くすり、音を漏らして、天吏は己の欲望のままに歩を進めるのだった。
混乱する市街地の中、
八神 修
はひたすらにバイクを急がせた。
修は、政府側エージェントの教官を務める『非能力者』である。
モレイビーと渡り合うだけの力を持たぬが故に浪費した時間を思い、修は口元を引き結ぶ。
(交戦中の地域に単身繰り出すなんて無謀だって? そんなのは、俺だってわかってる)
自身を引き留めようとする手を全て振り払って、修はバイクにとび乗ったのだ。
全てはただひとりの相手。己がかつて指導した『元』政府側エージェントの為に。
(俺はただ、彼女に謝りたい。破壊に染まっていく彼女を止めたい……)
憎むなら俺を憎めば良いと、修はかつての教え子――
高野 有紀
のことを思った。
(有紀の才能を高く買っていた。より強くより優れたヒーローとして、有紀を育てたかった)
家族から引き離された高野が、昏い想いを抱えているのにも気づいていた修である。
打ち込めるものがあればと指導は益々熱心になり、しかしそれは悲しいかな裏目に出た。
彼女の為にと行った指導は、結果として高野を追い詰めるものとなってしまったのだ。
そのことに修が気づいた時には、もう全てが遅かった。
消えることのない自責と後悔が、修の胸を容赦の欠片もなく刺す。
(だからこそ俺は行かないといけない。彼女の戦いは、俺が終わらせる!)
そうして修は、高野が政府側エージェントと交戦中だという場所へと辿り着いた。
彼が得た情報の通りに、高野は確かにそこにいた。しかし。
「おや、援軍かい? でも、少しばかり遅かったね」
高野は、身体中ぐしゃりと血に濡れていた。自分の血ではない、殆ど全て返り血だ。
近くに、つい先ほどまで人間だった物が、ボロ雑巾のように転がっていた。
「有紀……こんな……」
「私に戦い方を教えたのはあんただろう? 間に合わなくて残念だったね」
まあでも、どの道何も変わらないか、と、高野が独り言のように言う。
「あんたはモレイビーじゃない。あんたに私は止められない。そうだろう?」
「いや……俺は有紀を止めにきたんだ」
ぴくり、高野の表情が歪む。そこには、燃えるような怒りの色が浮かんでいた。
「――戯言を!」
己の手の甲に口付け一つ、高野はぐんと走り込んで修の腹に拳の一撃を叩き込む。
呆気なくふっ飛ばされて、修の身体は近くの建物の壁へと叩きつけられた。
「ほら! やっぱりあんたは何もできないじゃないか!」
高らかに宣言する高野の前で――しかし修はふらりと立ち上がってみせる。
その目は、どこまでも真っ直ぐに高野のことを捉えていた。
「俺が、止める。止めないと、いけないんだ……」
「っ、何を、馬鹿な……!」
「けど、今のままで良いと……思ってるわけじゃないんだろう?」
「五月蠅い……! 五月蠅い、五月蠅い!」
ヒステリックに喚き散らして、今度は鋭い蹴りを繰り出す高野。
それを、修は甘んじてその身に受けた。
何を否定することもなく全てを受け止めると決めて、修はここまでやってきたのだ。
かつて埋めてやれなかった寂しさも、強がりも、怒りも。拳と共に、全部。
「有紀、すまなかった……俺に、止めさせてくれ。もう、終わらせよう」
「黙れ! 何もできないくせに、偉そうなことを言うんじゃない!」
「そうか。……なら、俺に何かができたら。俺の言葉を認めてくれるか?」
「ほざけ!」
高野は、苛立ちそのままに修を何度も何度も叩きのめす。
けれど修は、その度に立ち上がり、高野へと向かって行った。
身体中が激しく痛み意識が朦朧とするけれど――自分はまだ、生きている。
(俺を殺すことに僅かでも躊躇いがあるのなら……きっとまだ、可能性はある)
優秀なエージェントである高野に敵うはずはないと、よくよくわかっている修である。だが。
(そこは敵うか敵わないかじゃない。やるかやらないかなんだ)
この戦いに、政府も『アーク』もない。モレイビーかそうでないかも関係ない。
そして、そこにはやがて――遂に意識を手放し、倒れ伏した修の姿があった。
息を切らせながら、かつての教官を見下ろす高野。
「……ここまで仕方のない奴は初めてだよ」
吐き捨てて、しかし高野は修にトドメは刺さなかった。そして、
「悪いね。……私には、『アーク』への恩義がある」
去り際の、修には届かなかった言葉には、敵意以外の感情が確かに滲んでいたのだった。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ヒーローズ! ~ハイパー・ロッコーン大戦~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月26日
参加申し込みの期限
2016年05月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!