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狂気を孕む月 ~機鋼世界マシナリア~
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◆序章「嘘と誠」
空高く、日光が降り注ぐその村は一見すればのどかな村に見える。
建物の様子は中世の村の雰囲気に近く、木と石や簡素なレンガで建てられている様であった。
日々の生活の為にと畑での作業に精を出す村人。その額には玉の様な汗が光る。
井戸端会議を楽しむおばさま方、そして椅子に座って休む老人。
しかしその皆どれもが――当たり前の様に見えすぎて――逆に不自然さを醸し出していた。
「さて、まずは情報収集とはいったものの……誰から話を聞こうかな」
そんな不自然さを気にも留めずに歩く少女がいる。
彼女は
篠原 翠響
。ある人物を探す為に仲間達と手分けをして村を捜索している者の一人である。
篠原は辺りを見回すがどの人物も普通の村人といった雰囲気で何か知っていそうには見えない。
その時、ふと視線を向けられている事に気が付く。殺気を感じさせる様な視線ではない。
一番近い物を挙げるならば、町ですれ違った気になる女性を見る男性のそれである。
視線の方を向くと二人の青年が壁に背を預け談笑しているのが見えた。
どうやら視線は少し軽そうな雰囲気が漂う男性の方からちらちらと送られている様だった。
(こっちを気にしてるなら話し掛けやすいかも。何か情報持ってるといいんだけどなー)
振り向きながら満面の笑顔を浮かべつつ、篠原は二人の男性に足早に近づいた。
男性達はその行動に気が付いたのか視線を篠原に向ける。
すかさず篠原は言葉を発した。
「あ、あの……ちょっといいですかー?」
「……ん? 何だよ? お嬢ちゃん。ナンパならお断りだぜ」
「あははは、違いますよーっ」
答えたのは軽そうな雰囲気の男性の方であった。
軽く冗談を入れて様子を見てくる辺り、頭が悪いわけではないのだろう。
もう一人は視線を篠原に送り、柔らかな表情を見せるだけで言葉は発しない。様子見なのだろうか。
「じゃあ何なんだ? みた所この村の奴じゃねえみたいだがよ」
「えへへ、わかっちゃいますか? 首都の方からお父さんの付き添いで来たんですっ」
「へえ……首都からここまで遠いだろうに、親父さんの付き添いって何かの手伝いでもしてんのか?」
「はい、お仕事の細々としたお手伝いをしてるんです。今はちょっと息抜き中なんですけど……初めてくる場所なので、右も左もわからなくて……」
首都、というのがあるかはわからないし、呼び名が違うかもしれないが村があるという事は国があるとみて問題ないだろう。
以前訪れたこの世界には国に所属する兵士と言うものがいたのだから。
情報を引き出すのなら自分は無害だと相手を安心させたうえで、ある程度の踏み込みが必要なのだ。
「それで話しかけやすいお兄さん方に教えてもらおうって事なのか。いやー見る目があるね、お嬢ちゃん!」
「自分で話しかけやすいって言っちゃうのがまた君らしいよ」
「おいおい、分かりやすさが俺のモットーだぜ? お前ももう少しわかりやすくだな……」
「はいはい、わかったよ」
どうやら二人は旧知の仲のようで、お互いの事を良く把握している様だった。仲のいい親友といったように見える。
「お嬢ちゃん、それでどんなことが聞きたいんだ?」
「えとですね……美味しいご飯のお店とかあったらいいなって」
「ああ、それならそこの角を曲がった先の公園に屋台が出てな、そこの肉サンドってのが美味いぞ。ありゃ、ソースが絶品でな。くそ、話してたら食いたくなっちまった」
「そんな美味しそうなものがあるんだ……あ、えと……あるんですね」
つい素が出たように振る舞う篠原の様子に笑いかけながらもう一人の真面目そうな男が口を開いた。
「そんなにかしこまらなくていいよ、ぼくらは偉い誰かでもあるまいし。普通の村人だからね」
「そうで……あはは、えと、うん。普通に喋るねっ」
「おおっ! そっちの方がずっと可愛いじゃねえかっ! お兄さんは君の事気に入ったぞ! お名前は? 彼氏は!?」
「あははっ! 面白いね、お兄さん。あたしは
篠原 翠響
だよ。お兄さんは?」
「シノハラ・ミユラちゃんか、いやー可愛いわ! お兄さんはヴァイ……あだっ!?」
「まったく、これ幸いと少女を狙おうとしないでくれ。見境無さすぎだよ」
後からすぱーんと小気味の良い音で真面目そうな男性にひっぱたかれた軽そうな男はばつが悪そうに笑う。
「それに僕らはそろそろ戻らないと。長く仕事を放っておくわけにはいかないからね」
「えー……もうそんな時間かよ。もうちょっとだけ、せめてミユラちゃんの連絡先を……! 分かるだろ、地下基地とか防衛任務ってのは女っ気がないじゃないか!」
「ばっ――――!」
「あ……」
背中を向け、その場を去ろうとしていた二人はぴたりと止まった。
しばしの静寂。二人は静止したまま、ギギっという擬音が正しいのだろう。実にコマ送りに篠原に視線を移した。
その瞬間、くしゅんっと篠原はくしゃみをひとつ。急なくしゃみの為かすこし赤らめた顔で二人を見つめ返す。
「見ちゃった? うう、恥ずかしいよ……誰にも言わないでよね?」
「も、勿論! お兄さんは口が堅い男でもあるからな! な、ヘル――あだっ!?」」
「学習能力がないのかな、君は。そろそろ戻らないとって言ってるじゃないか」
問答無用で首根っこを掴まれ、軽そうな男は真面目そうな男に引きずられてその場を去っていった。
「あはは。最後まで連絡先をーって言ってたね。本当に面白い二人だったなぁ。それにしても……」
彼らのうち、軽そうな男は馬鹿をしているようであったが、もう一人の方は此方の動向を伺って来たり様子を見ている感じがした。
それに何かを言いかけた時に明らかに不自然な止め方をしている。
あれはもう何か隠していますよ、というようなものである。
「地下基地……防衛任務……妥当に考えると、さっきのはもしかして――――」
思い浮かんだ予測と得た情報を教える為に篠原は仲間に連絡を取る事にしたのであった。
◆
そこは人通りの少ない裏路地。小さな村であろうとも大きな都市であろうとも、この様な場所はよくないモノがうろつく。
それは人間然り。
また人外然り。
「懸念してるんじゃないかねェ……ハガル様は。おたくもまた――――イザナやイヴァの様に失敗するってねぇ」
「ふふっ。それはご忠告のつもりですかぁー? それとも……警告ですぅ?」
「さぁねぇ」
「そうですかー、わからないのは困りましたねぇー」
にやにやと笑っている
骨削 瓢
の隣をすり抜ける様に通り過ぎる金髪の少女。
肩が露出し半脱ぎとなっている黒い着物から覗く双丘は豊かであり、妖艶なる色気を醸し出していた。
(所詮は切り刻むしか能のない三下……ある程度の揺さぶりをかけてみたが、なかなかどうして動かないじゃないか。これは計画を少し変更して――)
そう骨削が思案しようとした時、不意に金髪の少女が言葉を発する。
「ああ、そうそう……間違っている所があるから教えて差し上げますねー」
振り返る骨削の顔側面を何かが高速で通り抜ける。風圧が彼の頬を軽く裂いて一筋の赤い雫を垂らす。
戦闘態勢に移行する前に彼の身体はトラックに衝突されたかと思う程の衝撃で数メートル程吹き飛んだ。
路地の壁に叩きつけられた彼は何が起きたかを冷静に判断しようとしたが思考を始める前に胸部に痛みを感じて呻く。
「ぐ、ぁあ……ずいぶんな、教示ですねぃ……」
「ええ、そうですよー。私が動いているのはあくまで『私』の判断ですぅー。間違っても『ハガル』の為じゃないんですよー」
彼が見上げると、自分を踏みつけゾッとするような狂気的な笑顔で顔を覗き込む様に近づけている金髪の少女の姿がそこにあった。
「うふふー、私がぁ……戦う時に一瞬で倒さないの、なんでかわかりますぅー? 答えは単純に楽しいからですよぉー。次第に諦めていくその表情、ちゃぁんと隅々まで味わってあげないとー勿体無いじゃないですかぁー」
足をどけ、背を向けて歩き出す金髪の少女。
ここにはもう用がない、そう語る様な背中を見て――――彼は武器に手をかけた。野放しにするには危険、そう判断したからであった。
その瞬間、彼の全身が凍ったように時を止める。
そう、全身が強張って動かない。いや、動くことを拒否していると言った方がいいだろう。
感じているのだ、本能で。
今、動いたら『死ぬ』と。
武器から手を離し、彼は努めて軽薄な笑みを浮かべた。
「ははは、お強いですねぃ。そんなお強いアナタ様に耳寄りな事をひとつ」
「なんでしょうー? おいしい食べ物でも教えてくれるんですぅー?」
「どうだろうねぇ……ま、ちーあは先に片づけた方がいい……あっしが言えるのはそれだけでさぁ」
金髪の少女は不敵な笑みを浮かべると再び背を向けその場を去っていく。
骨削はその背を何もせずに見送った。
(とんでもない女だねぇ。殺したい時に殺して、自分が楽しむことが最優先……そこに仲間も何もない。殺そうと思えば一瞬で対象をやれるのにそうしない。頭のネジがぶっ飛んでるっていうのは、ああいうのを言うんだろうねぃ)
立ち上がると骨削もいずこかへと去っていく。
(異骸、あれの適合者の基準……解除の仕方を探るには持ち主を観察するのが一番。探すのは物好き達がやってくれるだろうし、あっしは大人しく尾行でもさせてもらいましょうかねぃ)
「さぁて、楽しくなってくれる様に……ひと肌脱ぎましょうかねぇ」
◆
「あれは骨削……まぁた何か引っ掻き回す腹積もりかしらね」
筋骨隆々とした大男が物陰に身を潜めて周囲を窺っていた。彼は
尾鎌 蛇那伊
。
言葉使いこそあれだが身も心もれっきとした男性である。
彼は骨削を無力化する為に飛びだそうとしたのだが、ここで困った事態が発生したのである。
村人と思われる三人の男性が揃って路地裏に消えたのだ。
去っていく骨削と三人の男……それぞれが向かった道は真逆。
「仕方ないわね、またとない機会だから村人を優先するけど……後で探し出して骨削は簀巻きにでもしないとよね。何をするかわかったものじゃないもの」
村人を追って路地へと入った尾鎌は物陰に潜むと息を殺し、自身の身体に意識を集中させた。
全身を戦闘態勢に移行させ、臨戦態勢のまま彼は村人を追う。
なぜならば村人がまだ『善人』であるという確証はないのだ。血の匂いを漂わせていたぶん、寧ろ『悪人』である可能性の方が高いといえるだろう。
此方は一人で相手は複数……一瞬の気の緩みが『死』へと繋がる可能性もしっかりと考えておかねばならなかった。
路地を抜けると少々開けた場所に出た。そこは入口以外の四方を家の壁に囲われまさに外からは死角となっている場所だった。
村人が木製の扉の中へと消えていく。
中に入る際、村人は扉の外……恐らく追跡を警戒していたのだろう、ハンドサインでお互いの意思疎通を図りながら姿を消したのだ。
「とてもただの村人と言える動きじゃないわね」
尾鎌は細心の注意を払いながら扉へと近づき、音が極力立たないように扉を開ける。
そこには人ひとりがようやく通れるほどの細い階段が地下へと延びていた。
湿った風が暗く闇に包まれている階段の奥から流れてくる。
気配を消し、足音なくゆっくりと尾鎌は階段を降りて行った。
5分程経った頃だろうか、階段の先に明かりが見える。
頭を少しだけ階段から明りの方へと出し窺うと……そこには鉄製の大きな門とそれを警護する兵士の様な出で立ちの者達がいたのである。
「見回り完了。リベレイターの存在は確認できず」
「よし、上に報告してくれ。開門!」
村人と会話した兵士の声に合わせ、門の上の兵士が何かを操作すると大きな鉄の扉が低い地響きとともに開いた。
村人達はその中へと消えていく。
そして再び鉄の大門は堅く閉じたのである。
(あの服装、見覚えがあるわね……確か以前列車を防衛していた兵士さん達だったかしら。なぜ、こんな所に)
兵士達が会話をしているようだが尾鎌のいる階段の位置は門からの距離が遠く、何かを話している程度にしか聞こえない。
「聞こえないわね……もう少し近寄れれば――」
尾鎌の視線に大門付近の木箱や樽が映った。
一応は整頓されているようだが、なかなかに数が多く身を隠す事ができそうな程それらは積み上がっている。
兵士達の視線が切れる一瞬の隙を狙い、尾鎌はその物陰へと走った。
なんとか彼らに気づかれないように物陰に潜むことに成功した尾鎌は会話に耳を澄ます。
「はぁ……もうすぐ交代か」
「なんだ? 嫌なのか交代が」
「勿論だ! 考えてもみろよ、村人の真似事をするんだぜ? 任務とはいえ……旅人や普通の村人の相手は疲れるんだよ」
「仕方ないだろう。ここには異骸の研究施設があるんだ。隠れ蓑にしている村を失くすわけにはいかんだろ」
「だがなー、いつまでも村人に隠して研究施設なんざやっていけるのかね。お国の考えることはよくわからんな」
(研究施設……!? やはりただの村ではなかったわけね)
聞かれているとも知らず、兵士達は更に続ける。
「まあ、研究施設を地下に置くことで警備を完全にこっちがやるってことで村のお偉方は納得してるんだし、やっていけるだろう」
「でもそれを知らない村人もいるんだろ。そいつらにばれたらどうするんだよ?」
「それは……説得する事になるだろうな。例えどんな手を使っても」
「やっぱりそうなるか。ま、国としては当たり前の事だな」
(村を隠れ蓑とした国の研究施設……予想以上の大物が引っ掛かってしまったようね。これは早くみんなに――――)
「そこで何をしている!? 侵入者発見! ただちに迎撃態勢に入れ!!」
「壁に窓!? 迂闊だったわ!」
強行突破からの離脱へと一瞬で思考を切り替えた尾鎌は近くに放置されていた布のマスクを被ると階段へと駆けだした。
「逃がすな! 発砲を許可する! 撃て!」
ライフルを肩越しに構えた兵士達は一斉に尾鎌へと射撃する。
オレンジ色の軌跡を描きながら弾が飛ぶが、紙一重で躱す尾鎌には当たらない。
階段へと即座に身を滑り込ませた尾鎌は筋力に物を言わせ数段飛ばしで駆けあがる。
正面に人影が見えた。どうやら交代の為に降りてきた村人……否、村人に扮した兵士なのだろう。
「悪いけど、おねんねしてちょうだいね」
「なにッ!? この筋肉ダルマおかま――――がっ!?」
「失礼しちゃうわ、あたしはおかまじゃないわよ」
正面の一人を首への素早い手刀の一撃で昏倒させると流れるような動作で回し蹴りを放ち、後ろにいた兵士の顔面を通路の壁にめり込ませる。
数秒も経たずに二人の兵士を無力化した尾鎌はそのまま飛び出る様に階段から路地裏へと飛び出していった。
「まずはこの情報を他の人達にお届けしないと」
そういうと筋肉ダル――――尾鎌は村の雑踏の中へと溶け込んでいった。
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SF・ファンタジー
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10人
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10人
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シナリオガイド公開日
2016年04月27日
参加申し込みの期限
2016年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月04日 11時00分
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