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狂気を孕む月 ~機鋼世界マシナリア~
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◆二章「美味しい香りは精霊すら誘う」
「いくつか回る場所の目星はついているんですよ、彼の行きそうな所は大体わかりますからね」
「流石幼馴染みさんなのですよ! これならウィルさんもすぐに見つかるかもなのです!」
談笑しながら歩く水色髪の少女ちーあ。
その隣にいるのはルナという女性で、今回の探索対象者であるウィルの幼馴染みの少女である。
どこからどうみても普通の少女といった出で立ちで特に脅威は感じない、しかしそんな少女を
常闇 月
は警戒していた。
(普通の少女にしか見えない……だけどだからこそ、必要以上に漂う血の匂いが気がかりです。思い過ごし……だといいのですが)
ちーあと歩きながら持っているメモに目を落としているその仕草には不自然さは見当たらない。
どこからどうみても普通の村娘である。
やはり思い過ごしなのだろうか。そう思った時、背後から
八神 修
の声が掛かった。
(普通の少女に見えるけど、警戒は怠らない方がいい。リベレイターにこういった手口が得意な輩がいるかも知れないからな)
(そうですね、完璧に他人に成りすまし標的を確実に抹殺する……そういった手合いが世の中にはおりますから)
二人は気取られないように至って通常通りに振る舞いながらちーあとルナと共に村の中を歩く。
一行は村の広場に辿り着く。
広場といっても整備されているわけではなく、剥き出しの土が多少均されている程度で噴水の様な物もない。
少々開けた村はずれの空き地と言った方がまだ納得がいくだろう。
「この広場の向こうには森が広がっているのですが、少し入った所に昔隠れ家ごっこなんてものをして遊んでいた場所があるんです。ウィルがいるとしたらもしかしたらそこかも知れません」
「ルナ、その事を二人以外に知っている人は?」
「いませんね。私達だけの秘密の遊び場でしたから」
「なるほど……それならばいる可能性はぐんと上がってくるだろうな」
八神は一考する。
流れで言うならば全員で見に行く方が自然だ。しかし、ルナが敵である可能性もある以上、ウィルと同時に接触するのは避けたい。
しかし戦力を分散してしまっていいものだろうか……ルナが敵であった場合、その攻撃手段も弱点もわからないのだから迂闊に動くわけにはいかないだろう。
考える八神に常闇が耳打ちする。
(私が先行してルナさんと共に動きます、もしも敵であったとしても私一人ならば逃げる事も可能ですから)
(しかしウィルがいた場合――)
(大丈夫です、当初の目的の位置とは別の場所に誘導します。八神さんはその間にウィルさんとの接触を)
(わかった、くれぐれも無理はしないでくれ)
(はい、お任せください)
相談を終えた常闇はルナに提案した。
提案の内容はこうである。
二手に別れ、片方が隠れ家の場所を捜索。もう片方は美味しい匂いで食い意地が張っているというイザナミを誘い出すといったものだった。
「いかがでしょうか? これならば短時間で捜索範囲を大きくカバーできます」
「そうですね、いいと思いますよ。でしたら誰が私について来てくれるのでしょうか?」
「それならば私が行きます。森の入ってすぐとはいえ、何かあったらいけませんから」
常闇がそう提案するとルナは笑顔でそれを快諾する――――が、その笑顔を見た瞬間、常闇の頬を汗が一筋流れた。
確実性があるというわけではない、直感が告げている。彼女は……危険だと。
「どうかしましたか、常闇さん?」
「い、いえ。なんでもありません。行きましょうか」
震えそうになる手を精神力で抑え込み、常闇はルナと共に森へと消えていった。
さて、と八神は一言区切ると広場の手近な岩に腰を下ろした。
「おいしーにおいで誘うって言っていたのですが……何か持っているのです?」
「持ってはいるんだけど、それは奥の手にしたいな。あそこの食べ物を売っている商店で何か買えればいいんだが……」
「話は聞かせてもらったのですっ! 八神さん、ここは私におまかせあれっ!」
草むらからばばーんという擬音が聞こえてきそうな勢いで飛び出したのは
椿 美咲紀
。彼女もまた異世界に飛ばされた者の一人である。
いきなりの登場に驚いたのか若干涙目のちーあは八神の背中に隠れて服の裾をぎゅっと握っていた。
「あう、あう……いきなりわたしみたいな言葉使いの人が出てきたのです。びっくりなのです……じぃーーー」
「大丈夫だよ、ちーあ。彼女は椿……俺と同じ学校の生徒だ」
「そうなのです。あそこの商店の人の所にちょっといって美味しいもの買ってきちゃうので、待っててくださいなのです!」
意気揚々と商店に向かった椿は自然といい笑顔を見せると店主に問い掛ける。
店主は商品なのだろう包みを棚に補充している所で、椿の声に気が付くと振り向いて彼女に応待した。
逞しい体つきと汗の光る濃い顔が別の意味で印象的な店主だった。
「あの、なにか焼きたての様な……美味しい食べ物ってありますか?」
「おういらっしゃい、お嬢ちゃん。勿論あるさ! これなんかどうだい?」
「これは……?」
「トンズライノシシの串焼きだよ。2本セットで100Cってとこだな」
(100C? Cってなんなのです!? あぅ……やっぱり知らない通貨なのです、流石……異世界です)
目の前に置かれたのは白い包みに乗せられた串焼きの様な物で、見た事のない紫色の肉であったがその香りは牛肉を焼いた香りに似ていた。
思わずその香りに涎が出そうになるのを我慢しつつ、椿は値段交渉に入る。
「お金は持っていないのですが……このブレスレットと交換して貰えるですか?」
「なんだ、嬢ちゃん異国の人かい。そうだなぁ……悪いんだがこれじゃあ出しても20Cって事だな」
「うぅ……わかったのです。どうもでした」
「おう、すまんがこっちも商売なんでな」
肩を落とす椿がえらく不憫に思えたのか、店主はポケットから出した丸い小さな玉を椿に握らせる。
それは黄色一食のビー玉ぐらいの大きさの玉だった。
「ただの飴玉だ、持ってけ。腹の足しにはならんだろうがないよりもマシだろ」
「いいのです!?」
「ああ、いいよ。なんかお前さんみてると小さな時のルナを思いだすんだよな」
「ルナさん、ですか?」
「おう。なんだ、知り合いか?」
「ええ、ルナさんがウィルさんを探しているのでそれを手伝っているんです」
「へぇ……手伝い、ねぇ……」
店主の目つきが少し変わったが、椿はそれに気づかない。
空気の変化に何も反応がないのを確認すると店主は先程の明るい口調で言葉を続けた。
「まあ、小さい時のルナはそれはそれは腹っぺらしでな。いっつもお腹を空かしてうちにきやがる。んで、決まって言うんだ。これと交換できるものはあるんですー?ってな」
「そうなのですか。確かに似ているのです」
「だろ? ま、子供だから交換できるような物は何も持ってこないんだがな。で、さっきお嬢ちゃんにあげた飴玉をいつも渡してたんだよ。もっとも、もう渡せないから持っている意味もないんだが……なんとなく癖でな」
「なるほどなのです……あれ、もう渡せないっていうのは……」
「ああ、ルナは――――」
◆
手ぶらで帰ってくる椿を見てちーあは彼女を励ます為に走り寄った。
背が足らない為か精一杯に手を伸ばして背中をぽんぽんと軽く叩く。
「だ、大丈夫なのですよ! きっとなんとかなるのです!」
「うん、ありがとうです。それよりも八神さん……ルナさんの事でちょっと」
「何か分かったのか?」
「はい……ルナさんは――――もう、死んでいます」
店主の話によれば、ルナという人物は既に十数年前に死んでいる……ということだった。
一同の間に流れる空気に寒気の様な物が流れ始める。
「ということは……さっきまで話していたルナさんは……幽霊なのです!? きゃああああなのですよーっ!?」
「そういうことになるのです。背格好を伝えたら、成長していれば私達が会ったルナさんの様になるだろうとの事だったのです」
「まずいな、となると先に向かった常闇が危ない……椿、後を追ってくれるか。このメモの写しを参考に向えば追いつけるはずだ」
「わかったのです、今度こそお任せあれなのです!」
常闇の事を任された椿はメモを受け取ると森の中へと消えていった。
「やはり奥の手しかない様だ。確かこの辺に……」
がさがさと八神は鞄を漁る。
なにをしているのかと興味津々に八神の鞄を覗き込むちーあに八神は取り出した箱を見せる。
それは側面に何やら仕掛けのされた箱で、装飾された短めな包装紙がくるりと巻かれている。
包装紙を丁寧に取ると八神はちーあにいった。
「これだよ。これは駅弁と言って……そうだな、温かいご飯を手軽にどこでも食べられる俺達の世界の食べ物なんだ」
「ふぇっ!? どこでもなのですっ!? それはすっごいのですよ! 革新的なのです! 革命なのです!」
「ははは、それは流石に言い過ぎだと思うよ。この紐をひっぱってごらん?」
「こう、なのです?」
ちーあが手渡された紐は弁当の下側のあたりから伸びている。
えいっとちーあが引っ張るとぽんっと小さな音が鳴った。
数秒待つように八神が言うと待っている間、おっかなびっくりではあるがちーあは初めて見る駅弁を触ったり突いたりしていた。
どうやら駅弁を見たことがないらしい。
数秒経ち、駅弁に貼られたラベルが黒く変色した頃合いで八神は蓋を開ける。
それと同時に美味しそうな焼いた牛肉の香りが辺りに広がった。
湯気を立ち昇らせる焼肉弁当は先程の仕組みのおかげでいい感じに温まっている。
すると背後で、がさりと音がした。
(これは……かかった、か?)
そこでわざとらしく大きな声で八神は言う。
「あーあったかいご飯だけれど、二人では食べきれないなぁー。だれか手伝ってくれる人がいないと無駄になっちゃうなぁー」
「何を言うのです、八神! わたしならこのぐらいの量は食べきれるのですよ!? ぱくっとぺろりんなのですよ!?」
騒ごうとするちーあの口を手の平で抑えて塞ぐと八神は周囲を見渡しながら気配の主の動向を窺う。
その気配の主は草むらから飛び出すと彼の前に現れた。食い意地が張っているというちーあの情報は正しかったようである。
「そうかそうか、食べきれんのか。それならば仕方が無かろう。このワシが一緒に食べてやろうではないか。感謝するのじゃぞ」
八神の前には数十センチ程のサイズ――まさに少し大きめな大きなお友達用フィギュアの様な大きさの少女が浮いている。
黒い長い髪は腰まで到達し、黒地に白の意匠が入った着物は優雅さを感じさせると同時に気品を漂わせている。
その小さな少女は素早く駅弁に取り付くと、手ごろなサイズの肉に噛り付く。はふはふと熱さと戦っているものの美味しそうにそれを咀嚼し、飲み込んだ。
「あーー! ずるいのですよ! 私も食べるのですっ!」
「なんじゃ、食いきれないと言ったのは其方ではないか!」
「そんなのどうでもいいのです! 独り占めはダメなのですよー!」
「まあ、まあ二人ともそこまでにしとこうよ」
取っ組み合いすら始めそうな二人の間に入ったのは
サキリ・デイジーカッター
であった。
彼は二人がぶつかり合わないよう二人の前に片方ずつ手の平を出している。
「彼女の為に駅弁を使ったんだから、ちーあは少し我慢しよう」
「何者かしらんがお主、よい判断をしておるな。ワシはお主が気に入ったぞ。どれ少し失礼」
サキリの頭頂部にもふっと腰かけると少女はそのまま駅弁の残りを食べ始める。
食べ方が綺麗なのか食いかすの様な物はサキリの頭頂部に一切落ちていなかった。
その様子を見たちーあはほっぺたをぷくーっと膨らませ、かなり不服そうである。
(ちーあ、こっそりこれあげるね。みんなには内緒だよ?)
(あぅ……?)
ちーあにこっそりと手渡されたのは桜の形をした小さな最中であった。
(サキリ……食べていいのです!?)
(いいよ、だから彼女の事は許してあげてね)
(はいなのです!)
◆
しばらくして駅弁を食べ終えた少女はひと息つくかのようにサキリの頭の上でのんびりくつろいでいた。
そろそろ頃合いかなと思った八神は少女に質問する。
「お腹がいっぱいになった所でそろそろ名前を聞いてもいいか?」
「よいぞ、ワシは一飯の恩義は忘れぬモノじゃ。答えられることならば何でも答えよう」
「そうか。それならまず、自己紹介からだ。俺は
八神 修
、こっちの子はちーあという」
「そして……君のお尻の下にいる僕は、
サキリ・デイジーカッター
だよ」
「八神にサキリ。それにちーあか、面白い名じゃのう。ワシは、イザナミじゃ」
(イザナミ……ちーあの情報にあった、ウィルと共に行動している子の名前だ。どうやら当たりのようだな)
そこで数刻前に常闇に言われた言葉を思い出す。
(これは予測ですがウィルさん達に出会った場合、下手に誤魔化すよりは誠実に話すほうが彼は応じてくれるはずです。情報からの推測にすぎませんが)
話してみれば中々に素直な子じゃないか。これならば下手な誤魔化しは悪手になるだろう。
そう思った八神は真っ直ぐにイザナミを見つめ、彼女に真実を打ち明ける。
「いいか、よく聞いてくれイザナミ。今、リベレイターという組織が君とウィルを狙っている。俺達は彼らから君達を守る為にここに来たんだ」
「ほほぅ……一体どこから来たのじゃ?」
「信じてくれるかどうかはわからないけど、とてもとても遠い所からだよ。そこのちーあに連れられてね」
「……ふむ」
赤い宝石のような綺麗な瞳がじーっと八神の眼を覗き込んだ。
それからその場の全員の眼を見ていく。
「ふむ、あやつ程ではないがよい眼をしているな。お主達になら会わせても問題なかろう。ついてくるのじゃ」
「信じてくれたのか?」
「うむ。お主達の眼は嘘をついておらなんだ。ならば、信じてやるのが筋じゃろうて」
そういうと、イザナミは町のはずれの方へとゆっくりと飛んでいく。
八神達は手早く弁当のゴミなどを片付けるとすぐさまイザナミを追った。
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冒険
SF・ファンタジー
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定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月27日
参加申し込みの期限
2016年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月04日 11時00分
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