狂気を孕む月　～機鋼世界マシナリア～｜リアクション

狂気を孕む月　～機鋼世界マシナリア～

◆エピローグ「これからの彼ら」

村に広場にて思い思いにくつろいでいる今回の騒動解決の立役者達。
彼らはちーあに言われた帰還の時間までのんびりと過ごしていた。
そんな彼らの前に見知った顔が現れたのである。
それは前回の戦いで助けた兵士、ヘルトとヴァイゼであった。

「また助けられたみたいだね。本当に君達には感謝してもしきれないぐらいだよ」
「そうそう、まさかこんな厳戒態勢の村にまで来てくれるなんざ、思ってもないからな」

なんで厳戒態勢だったのか尋ねてはいけない気がしてその場の誰もが尋ねられずにいると、これまたヴァイゼが簡単に情報を零した。

「いやー異骸研究所の防衛とか、リベレイターが潜んでて警戒しなきゃいけないとかあって本当今回ばかりは死ぬかなーなんて思ってたんだけどよ。お前らのおかげで命拾いしたぜ。ありがとうな」
「ヴァイゼ……君って奴は、学習能力ないのかい」
「何が？」
「はぁ……もういいよ。気にしてる僕が馬鹿みたいに思えてくる」

ヘルトとヴァイゼが掛け合い漫才の様な事をしている間にイザナミとウィルが全員に挨拶した。

「みんなのおかげで助かったよ。君達がいなかったら……今頃俺は、きっとやられていたと思う。本当に――いて！？」
「もう、かたいのじゃ！　こういう時はありがとう！　それでよいのじゃて。うだうだつけても締まらんでな」
「む、そういうもんかよ。わかった……みんな、ありがとう！」
「ワシからも礼なのじゃ！　ありがとうなのじゃぞ！」

その言葉にそれぞれの胸の奥が少し暖かくなった様に感じた。
それはありがとうと言う言葉の魔力なのかもしれない。
どうやらそろそろ時間になったようでちーあがみんなの真ん中に立って全員に向けて話しかけた。

「今回もみなさんお手柄なのです！　見事、目標を達成されました！　ちーあはみなさんがいてくれてとっても、とっても嬉しいのです！　では、そろそろ帰る時間なので！　みなさん、また会う日までちーあを忘れちゃだめなのですよ！」

ぱたぱたと身振り手ぶちで説明しているちーあを見ているうちに全員の意識が薄れていき、視界が来た時と同じように光に溶けていく。

◆

――――気が付くとそこは見慣れた場所だった。
どうやら無事に戻ってこれたらしい。
本格的に動き出したリベレイター。
殺したはずなのに生き返ったように見えるツクヨ。
そして大いなる者が残したという異骸の存在。
考えれば考える程、また呼ばれる気がしてならないのであった。

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あとがき

担当マスター：ウケッキ
ファンレターはマスターページから！

遅れまして誠に申し訳ございません。
皆様に迷惑をかけてしまい、重ね重ねになりますが申し訳ありませんでした。

今回、異骸について色々と明かされてきました。
装着者である適合者の存在、異骸は大いなる者の残した何か。
そしてそれぞれには遺霊が宿っている。
遺霊はそれぞれの異骸の管理者という認識で間違いないと思います。

そして失われた大いなる者の一字と、リベレイターのイザナ、ツクヨ達の様な一文字欠けた者。
それらは次第に明かされていきます。
この先どうなっていくのでしょうか。
それでは今日はこの辺で。

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