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メリーさんのお手伝い大作戦、なの
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海の眺望とショッピングが同時に楽しめる寝子島シーサイドアウトレットは大勢の人々で賑わっていた。腕を組んだ仲睦まじい若い男女がショーウインドウの前で会話を弾ませている。子供は笑顔でちょこまかと動き回って両親の手を焼かせた。
刻人・F・ミセリア
は独り、店の壁を背もたれにして立っていた。ネイビーのスーツに合わせた空色のセーターが若々しい。人々を眺める目は密やかに微睡み、生欠伸を噛み殺した。
少し浮かない顔で愚痴を零す。
「オーマを誘ったのに、まさか無視とはねぇ」
通り掛かった背の高い人物に自然に目がいく。白人男性はガイドブックを片手に方々へと顔を向ける。ゆったりした南部なまりの英語を呟き、片言の日本語で周囲に店の所在を尋ねていた。
――僕も一応、外国人って設定だから。あんまり自由に行動してると、目立つんだよね。そこのところをもう少し理解して欲しいんだけど……。
誰の耳にも届かない胸中で刻人は呟く。
「オーマは何を考えているのかな」
「良い女にはいろいろと事情があるの」
刻人は右手に視線を飛ばす。着物姿の女の子が立っていた。
「気配を全く感じなかったんだけど……君は誰?」
「あたしはメリーさん。困っている人のお手伝いにきたの」
「メリーさんって。何回も電話を掛けてくる、あのメリーさん、なーんてことはないよね」
「そのメリーさんなの」
刻人は逆の左手に顔を向ける。何事もなかったかのように女の子がいた。
「そんな瞬間移動を見せられたら、信じるしかないよね。えっと、早速なんだけど、手伝ってくれるかな」
「あたしに任せるの」
「じゃあ、オーマを呼ぶね」
メールは無視されたので刻人は電話を掛けることにした。耳に当てたスマートフォンの呼び出し音が二桁になる手前で繋がった。
「僕はシーサイドアウトレットにいるから、今すぐ来て」
手短に用件だけを伝えて電話を切った。その一方的な行動に女の子は少し唇を尖らせる。
「強引なの」
「いつも通りなんだけど。まー、オーマがくればわかるよ」
刻人は柔らかい笑みを返した。
黒いコートに身を包んだ
オーマ・トンノ
が指定場所へと急ぐ。周囲に人が多くなってきた。藍色のテンガロンハットの鍔を摘まんで引き下ろす。
オープンテラスの方から陽気な声が聞こえてきた。一瞥することなく、オーマは出所に向かって足を速めた。
「意外と早かったね、オーマ」
声を掛けられ、ようやく視線を上げた。丸いテーブルに向かい合う形で女の子がいた。黙々とパフェを食べている。
「あー、この子はね。メリーさんだよ」
「あたしはメリーさん。お手伝いに来たの」
女の子はオーマを見詰める。目を合わせた状態で数秒が経った。
「あたしはメリーさん」
若干、声を強めた。刻人は速やかに立ち上がると二人の間に立った。
「メリーさん、気を悪くしないでね。オーマは無視してる訳じゃなくて、これが素の状態なんだよ」
「それならいいの」
女の子は残りのアイスを口に運んで、ごちそうさまなの、と手を合わせる。刻人は側に寄って耳打ちした。
「こんな無口のオーマに代わって、メリーさんが本人に成り切って声を当てて欲しい。リアルタイムのアフレコだね」
「なるほどなの。声のバールで天岩戸をこじ開けるの」
「なんか物騒な表現だね。んー、普通の生活に慣れさせるって感じかな。ということで今日限定だけど、メリーさんがオーマの声を担当することに決まったよ」
刻人は両手を広げて宣言した。浮き立つような足取りで早々と近くの店に入っていった。
「私を置いていかないでよ」
オーマに寄り添った女の子が甘ったるい声を出す。三メートルの距離を一瞬で詰めていた。
驚いた様子を微塵も見せず、オーマは大股で刻人の後を追う。その横を女の子がちょこまかと動き回った。
店内は洒落た間仕切りが施され、テーマに合わせた品々が並べられていた。刻人は目移りして同じところをうろうろしている。
オーマは目に付いた駄菓子屋風の場所に足を踏み入れた。カラフルな飴玉の数々に目を落とす。単品と袋の両方が置いてあった。
「あら、美味しそうな飴玉ね」
早速、女の子が心の声を代弁した。気にすることなく、オーマは袋を掴み取る。裏に向けると成分表を黙読した。
「私、甘いお菓子が大好き。いっぱい食べたいから、いつも袋で買っちゃう。今日は可愛らしいメリーさんが一緒だし、何か買ってあげようかな」
女の子は喋り終わると、これがいいの、と横の袋を指差した。オーマは横目で見たまま、何も反応を示さない。
そこに刻人が進み出て袋を手にした。
「僕が買ってあげるよ。お手伝いのお駄賃ってことで」
「ありがとなの」
無表情でもじもじする女の子に刻人は苦笑した。
「メリーさんは、なかなか黒いね」
「お腹の中身を見せられないのが残念なの」
どこまで本気なのか。女の子は微かに口角を上げて笑った。
オーマは飴玉の袋を持ってレジへと向かう。女の子は定位置の真横で飛び跳ねながら付いていく。
「服の種類は多いけど、ニットワンピがないわ。ピンクの可愛いのがあったら、すぐに買っちゃうのに」
「傘は家にあるけど、花柄なら欲しいわ。だって愛らしいんだもん!」
「こっちには調理器具まで揃ってるわ。包丁もいっぱい。でも、切れる道具はちょっと怖いわ。持っただけで手が震えちゃいそう」
声の調子が乗ってきた。どちらかと言えば悪乗りに近い。刻人は目立たないように女の子の側にきた。
「そこまでいくと、なんかオーマじゃなくて別の人みたいだよ」
「ちょっと楽しくなってきたの」
「まー、それならいいけど。ね、オーマ」
オーマは彫像の横顔で無言を通した。
支払いを済ませると三人は店を出た。
「おやつの時間なの」
女の子は歩きながら飴玉の袋を開けた。一つを口の中に入れると清楚な顔で噛み砕く。数回の咀嚼で次の飴玉を摘まみ上げた。
スナック菓子を食べるような早さで、あっという間に平らげてしまった。
刻人は女の子の顔を覗き込む。
「そんな早さで食べて歯はどうもないの?」
「平気なの」
女の子は歯を剥き出しにした。歯並びはよく、太くて白い。小さな万力のようでもあり、何でも切断する刃のようでもあった。
「これは返すの」
包装紙が詰まった袋を刻人に押し付けると、バイバイなの、と女の子は真顔で言った。
「まだいても、ってもういないね」
刻人は呆れたような笑みでオーマに目を向ける。
「この島には本当に驚かされるよ。僕達はどこまで真実に近づけるのかな。それにしても面白い体験をしたよね。あの都市伝説に関われたんだからさ」
オーマは今日、初めて反応した。いきなり脛を蹴られた刻人は、痛いよ、オーマ、と泣きそうな表情で笑うのだった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月04日
参加申し込みの期限
2016年04月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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