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パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
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全員が身構える中で――木々の間を縫って現れたのは、1人の男だった。
刃引き刀に油断なく手を掛けたままで、
御剣 刀
は男の姿を静かに観察する。
(男? 年齢は……20代後半ってとこか)
高い身長と鍛わった体躯を持ち合わせている男の、纏う疲弊の色は濃い。
男の疲れ切った眼差しが、捉えた人間たちの姿に驚きを湛えた。
「人、間……?」
思わずといった調子で零れた掠れた呟きに、刀は甘い香りに鈍る頭をフル回転。
(見知らぬ世界で同族と遭遇……それなのに、喜ぶでも訝しむでもなくこの反応か)
この世界の関係者か? と考えて、刀は刃引き刀をすぐにでも抜刀できる態勢で、
「俺は御剣刀、お前は?」
と、ごく端的に男の名を問うた。問い掛けに、男はハッと我に返ったような顔をする。
「俺、は……」
「名乗らないなら、お前は名無し権兵衛な」
「って、刀くん、威圧感がすごいよ! 一旦落ち着こう!」
この人なんかぐったりしてるし、と刀を抑えに掛かったのは
桜庭 円
。
円、不服げな刀をぐいと押し退けて、男に向かって笑みを零した。
「ええと、こんにちはー? ボクは桜庭円、あなたは?」
異なるトーンで重ねられた同じ問いに男は答えようとしたが、
「俺は……っ」
途中で耐え切れなくなったように、その膝ががくりと折られる。
その息は荒く、いかにも苦しげだ。
彼の傍らに急ぎ歩み寄った
恵御納 夏朝
が、その背を優しくさすった。
「えみな・かーさ、です。その……大丈夫、かな?」
「大、丈夫だ……俺は、一閃。犬杜一閃」
これで満足か? という目を寄越されて、刀は肩を竦める。
いかにも辛そうな様子の男――一閃へと、夏朝は予備のハンカチを手渡した。
「気休めかもしれないけど、少しは匂いがマシになるかも」
夏朝にそう言われて、僅か躊躇いを見せながらも静かにそれを受け取る一閃。
刀と同じく、警戒を怠ることなく事態を静観していた
エヴァ・ブランシェ
が、
「道に迷っちゃってね。家に帰りたいのだけど、出口はどこかしら?」
と、緩く小首を傾げれば、一閃はハンカチの向こう側で自嘲気味に鼻を鳴らした。
「……それがわかっていたら、俺はここにはいないだろうな」
「そう……野暮な質問を失礼したわね。ごめんなさいね、犬杜さん?」
一閃が、『出口』を森のそれと捉えたのかこの世界のそれと捉えたのか。
正確なニュアンスはその答えからは読み取れなかったが、
(『森の出口』と捉えたのだとしたら、まあ自然な答えね)
そのせいだけとは思えない衰弱ぶりではあるが、森を彷徨っていたことの理由にはなる。
(逆に、『世界の出口』と捉えたのだとしたら――『出口』そのものは知らないにしても、『何か』を知っているような口ぶりではあるわね。要注意、といったところかしら?)
望む答えは得られなかったが、目の前の男の扱いについての指針は得られたかと、エヴァは扇子を煽ぐ。
次いで問いを零したのは刀、こちらの問いはエヴァのそれよりも直球だ。
「この世界は誰が作ったんだ? 作った目的は?」
その問いに、一閃が怪訝な顔を作る。
「……何故俺がそれを知っていると?」
「俺たちと出会った時の反応から、この世界の関係者だと判断した」
刀の端的な言葉に、一閃は押し黙った。暫くして、重い口を開くことには。
「関係者、と、言えなくはないかもしれない。だが俺は多くを知らないし、何も語れない」
少なくとも今の問いへの答えは持ち合わせていないと、一閃は緩く首を横に振った。
その表情の固さを見て取って、敢えて明るい声を出す円。
「びっくりさせてごめんね。刀くんも、悪い人じゃないんだよ?」
「って、おい、桜庭。博愛は結構だが、話をしたければ話を出来る状況にしないと先進まねえだろ」
「それは……うーん、確かにそうなんだけど」
その点においては、円も刀と同意見だ。
けれど、円の目には、目の前の見知らぬ男が何かを焦っているように見えた。
それが、彼女の胸に違和を呼ぶ。
(何を焦っているんだろう。どんな理由や、悩みが……)
抱えている物が重そうに見えるから、出来ることをしたい。後悔はしたくない。
そこまで考えて――円はふと、腕の中のきゅーちゃんの存在を思い出した。
(そうだ! オープンマインド!)
思い立ったら即行動、円は相変わらずグロッキーなきゅーちゃんの口を無理矢理に開くと、
「えいっ!」
なんて、その牙を地に膝をついている一閃の肩口にさくりと突き立てる。
痛みに一瞬表情を険しくした一閃の手から、次の瞬間にはハンカチがするりと落ちた。
円のあまりにも大胆な行動に、一閃の背を撫で続けていた手を止めて目を丸くする夏朝。
円以外の全員が硬直する中で、最初に我に返ったのは刀だった。
「桜庭、急に何を……!」
「だって、これなら悩みを話してもらえるかもでしょ?」
けろりとして円がそんなことを言うので、刀は思わず額を抑える。
そんな中、現れたのは敵か味方かと様子を窺っていた
八神 修
が、
「いや……桜庭の言うことにも一理ある、と思う。試してみる価値アリだ」
と、顎に手を宛がってどこまでも真剣な声を出した。
そうして、一閃の目の前に歩み寄りしゃがみ込む修。
きゅーちゃんの毒が効いているらしく、一閃はぼんやりと表情を弛緩させている。
「教えてくれ。君は何故この森にいるんだ?」
修からの問いはそんなもの。一閃が、虚ろな眼差しのまま口を開く。
「この森……何故……初を……探して……」
「初?」
とび出した知らぬ名を繰り返す修。
それ以上言葉は返らず、修はこの作戦を実行した当人である円に場所を譲った。
「ねえ、ええと……一閃さんが抱えている悩みって、何かな?」
「悩み……初……止めないと……これ以上……罪は……」
罪という穏やかでない単語に仄か胸中を曇らせながらも、次の問いを紡ぐ円。
ボクに出来そうな事はないだろうかと、想いを重ねながら。
「その初さん? のことが大事なんだね。一閃さんにとって、初さんはどんな人?」
「初……初は……俺の、従妹で……たった一人の、かぞ、く……?」
少しずつ、一閃の声に感情の色が戻ってくる。
我を取り戻した一閃は、やはり疲労の色が滲む、けれどしかとした眼差しを円へと向けた。
「……一体、俺に何をした?」
「ご、ごめんなさい! この子を使って、ちょっと幾つか質問を……」
円の腕の中で、きゅーちゃんがもぞと動く。
ただのぬいぐるみじゃなかったのかと、一閃は苦いような声を出した。
「ボクはただ、一閃さんの力になりたくて……」
「理由は後でいい。俺は何を、どこまで喋った?」
上手く舌が回らない様子ながら、早口で一閃は問う。
その顔には、驚きでも怒りでもなく、隠しようもない怖れの色がありありと浮かんでいた。
やや違和感のある反応を不思議に思いながらも、エヴァが的確に彼の問いに応じる。
自分が口走った内容を確かめて、一閃は安堵したような息を吐いた。
そんな一閃へと、修が再び問いを投げる。
「君はクローネの仲間なのか?」
ぴくり、一閃の肩が僅かに跳ねた。
その反応に、修はクローネと一閃に何かしらの関わりがあることを確信する。
「そうだとしたら、従っていても使い捨てられるだけだ。少なくとも悪事をさせられる」
「……そんなことはわかってる」
「初さんだって危険だ。それに、大切な人に悪いことをさせちゃいけない」
「わかってる! わかっていると言ってるだろう!」
一閃が、堪らなくなったように大声を上げた。
次の瞬間にはひゅうと喉を鳴らし咽込む一閃の背を、夏朝が懸命にさする。
「落ち着いて……詳しい事情は知らないけど、身体が弱ってる時に無茶は駄目だ」
暫くの後、呼吸を落ち着かせた一閃はぽつぽつと音を紡いだ。
「お前たちを信用したわけじゃないが……隠し事はできない、か」
自分に話せることは話しておくと、一閃は覚悟を決めたように言う。
但し、その『話せること』は決して多くはないのだとも彼は語った。
「俺はあのカラスに監視されている。下手なことを言えば初にまで危険が及びかねない」
それが、一閃の言うところの『話せること』であるらしい。
少なくともクローネと関係があるらしいということはわかったが、
「ねえ、一閃さん。一緒に森を抜けよう」
「うんうん、夏朝ちゃんの言う通りだよ! 見たところだけど、この森はもう随分探したんでしょ?」
という具合で、夏朝や円は一閃に自分たちと共に行動するのはどうかと提案した。
修もそれに頷いたし、刀やエヴァからしても、野放しにするよりはその方が幾らか安心だ。
「この森の抜け方が分かるのか?」
「一応ね」
エヴァの言葉に、一閃は寸の間思案を巡らせる。そして、
「……わかった。悪いが、どうかよろしく頼む」
一閃は、一行へと深々と頭を下げた。
エヴァが、閉じた扇子でぱしと手を叩いて薄く笑む。
「交渉成立、でいいのかしら? じゃあ、行きましょう」
立ち上がるにも往生する一閃に、さりげなく手を貸す修。
「もしかして……力を使い続けているのか?」
問いに、一閃は答えない。その答えはきっと、『話せること』の外なのだろう。
(何が本当の幸せで勇気なのか、分かっているはずだ。まだ間に合う、手伝わせてはもらえないのか……?)
彼が激昂したために手渡し損ねた想いの残滓を、修は胸の内に持て余した。
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SF・ファンタジー
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20人
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20人
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シナリオガイド公開日
2016年03月21日
参加申し込みの期限
2016年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月28日 11時00分
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