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寝子島高校
パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
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宝石が輝く森の中は、森自体が意思を持った生き物かのようにざわめいていた。
森の生き物たちが最早一行には目もくれずに、甘い色の空を求めて逃げて行く。
そんな中を、
八神 修
は、まだ動くには心許ない様子の
津止 孝道
先生を支えながら歩いた。
「先生、大丈夫ですか?」
労わりの言葉に、「問題ない」と短く応じる津止先生。
(そうは言っても、『問題ない』ようには見えないな……)
状況が芳しくないことを理解しているからこそ、津止先生は無理をしている。
(尋ねたいことは山ほどあるが……今は先ず脱出を)
炎や煙こそ見えないものの、菓子の焦げたような臭いの漂い出した森の中、修は真っ直ぐに前を向いた。
「こら、暴れるな!」
「じゃあ離してよ! あんたたちに助けられる義理なんかない!」
段々意識がしっかりしてきたらしい初は、彼女を支えている
御剣 刀
を辟易させるほどの抵抗を見せる。
その口は達者だが、身体の方は、まだとても一人で森を抜けられるような状態ではない。
苛立ち混じりのため息一つ、刀は初を荷物のように肩に担いだ。
「なっ!? ちょ、ちょっと!」
「いいから少し黙ってろ。お前にはまだ聞きたいことがあるし、ここで死なれたら寝覚めが悪い」
うー、と唸って、初は一応は悪足掻きを諦めた様子で大人しくなる。
頬を膨らませる彼女の姿に、
恵御納 夏朝
は安堵の息を吐いた。
(よかった……何とか落ち着いてくれたみたい)
己の役目をしっかりと把握している夏朝だからこそ、それでもそこに油断の色はない。
けれど、一先ずは初が落ち着いたというのは、その場にいる全員の無事に資することだ。
夏朝は、ふいと後ろを振り返った。
大天使 天吏
と一閃も、少し遅れてはいるがちゃんと付いてきている。
そうして夏朝は前を向き――天吏はそれを見計らって、一閃へと囁きを零した。
このざわめきの中ならば、ひそひそ話を聞き咎められる心配はない。
「……貴方、この世界の関係者だそうね。クローネという烏を知っている?」
一閃の緩慢な眼差しが、天吏へと注がれる。
そのまま彼が口を開こうとするのを、天吏は口元に人差し指を立てて押し留めた。
ここまでに得た情報と今の反応だけで、答えとしては充分すぎるほどだ。
「貴方が出会った寝子島高校生達の中には、クローネと対峙した人もいるわ」
一閃の双眸がはっと見開かれる。
分かりやすい男だと、天吏は胸の内だけで呟いた。
どうやら一閃と初では、クローネに向ける感情の質が全く以って異なるらしい。
「私は彼女に操られていたの。……貴方にその気があれば、クローネから解放される手助けをしたい」
「……そんなことが、できるのか?」
緊張に乾いた、けれど縋るような響きを帯びた問い。
「信じるかどうかは貴方次第よ。でも、一つだけ覚えておいて」
――他の生徒の中にも、クローネの手下がいるかもしれない。
一閃の表情が、これもまた分かりやすく固くなる。
手のひらで転がすだけ転がしておいて、天吏は一閃へとトドメの一言を放った。
「私は今、貴方だけ信用している」
一閃の瞳が揺れる。迷っている。
暫くの後、一閃はぽつと音を漏らした。
「俺はまだ……お前を本当に信じていいのかがわからない」
言って、一閃は前を行く夏朝のことをどこか眩しげに見遣る。
曰く、誰ともわからぬ自分を身を挺して庇ってくれた者がいた、と。
続けて曰く、大切な家族を必要であっただろう以上に傷付けた者もいた、と。
「そしてお前は、俺だけを信じると言う。何が正解なのかが、俺には見えない」
そう、とだけ天吏は応じた。
種は撒いた、と思う。ならば後は、芽が出るよう、花が咲くよう育てるだけだ。と、その時である。
「いやぁ、お疲れさんお疲れさん。それにしても、大変なことになったもんだねぇ」
前を行く修たちよりも更に前方から、朗々と喜色混じりの声が響く。
天吏も一閃も、前を行く者たちも皆、声の主へと顔を向けた。
口元に胡散臭いような笑みを貼り付けて、立ち塞がっていたのは
骨削 瓢
だ。
瓢は、緊張に身を固くする面々の顔を面白がっているように見渡した。
「ふむ、中々に面妖な取り合わせだねぇ。それにしても、こっちの森が燃えなくて重畳だ」
――どうにも、こっちの植物は燃えにくいみたいでねぇ。
裏があることを敢えて匂わせたような言葉に、真っ先に食いついたのは初だった。
「ちょっと、あんたが森に火をつけたの!? クローネ様の世界になんてことを……」
「おや、やっぱりあの駄烏が一枚噛んでいるのかい」
意を得たとばかりに、瓢の口の端が益々以って吊り上がる。
彼が本当に火をつけたのか否かも、あっさりと煙に巻かれてしまった。
「その言い様だと、おたくはクローネのお気に入り? だとしたら……さて」
何故こんな一大事に奴はおたくのそばにいない? とわざとらしく首を傾げる瓢。
刀の肩の上で、初が顔を青くした。もしかして、と瓢は笑う。
「本当は、大事にされていないとか?」
「……そんな、ことは……」
「成る程、なら来たくても来れないんだきっと。炎に巻き込まれた? いやいや、まさか彼女がこの程度で」
ああ、と、瓢は一人得心したような素振りでぽむと手を叩いた。
「例えば……ねぐらに何かあった、とか」
初の目が見開かれる。
そこに恐怖やら焦燥やらその他色々の感情がごちゃ混ぜになった色を見て、瓢は殊更楽しげに笑った。
「……行こう。ここも危ない」
瓢の笑い声をかき消すような硬質な声で、夏朝が言う。
頷きを返した刀が、半ば瓢を押し退けるようにして足を進め、皆がそれに続いた。
己の言葉を振り切るようにして進む一行と行動を共にする初へと、瓢は朗と声を投げる。
「さて、おたくがするべきことはなんだろうねぇ」
一行の背中が森の向こうに消えていく足音がする、煙が間近まで迫ってくる。
そんな中で、瓢は一人ケタケタと笑った。腹を抱えて笑った。
「ひひっ……さぁて、次はどんな喜劇の幕が開けるのかねぇ」
あの教師でどんな面白い事を企んでいるのやらと、瓢はゆるり、元来た道を振り返るのだった。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
この度ゴールドでシリーズなシナリオを手掛けさせていただく運びとなったのですが、
ご参加くださった皆様のお陰で物語の歯車が動き始めた音が耳に聞こえたような気がいたしまして、
アクションを拝読したりリアクションの執筆に当たったりしている間中、
大変なこともありましたがわくわくどきどきとさせていただいた次第です。
皆様のアクションから生まれた素敵なわくわくどきどきの数々を、
リアクションにて少しでも多くお返しできておりましたらこれほどの幸せはございません。
今回のリアクション内でご自身の推理が当たっていたか外れていたかがわからなかった方は、
もし第2話以降にご参加いただけた場合に推理に基づいた働き掛けをしていただきますと、
また何か新しい情報やらをゲットできるかもしれません。
解決した謎もあり、深まった謎もあり、新たに生まれた謎もありかと存じますので、
リアクションからまた色々と想像を膨らませていただけましたら、ゲームマスター冥利に尽きます。
また、本シナリオではNPCがどこにいるかはヒントという形で示させていただいたのですが、
ガイド・マスコメの情報量が膨大だったこともありこちらの推理も大変だったかと存じます。
・初は『あの森』と言われただけで躊躇うことなく森へと向かった
・一閃は地図でしか異世界の情報を知らない
・及び、マスコメでの双方の森に関する情報
これだけではございませんが、大体この辺りの情報がNPCの居場所のヒントでした。
予想通りだった皆様もそうでなかった皆様も、推理の方、本当にお疲れ様でございました。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
第2話以降でも、ご縁がございましたら何卒よろしくお願いいたします。
なお、今回は皆様に個別コメントもご用意させていただきました。
最後に、第2話は乙女チック異世界での冒険の続きということになりますが、
時空の歪みやらのあれやこれで他のシナリオには問題なくご参加いただけます。
どうぞ安心して素敵な寝子島ライフをご満喫くださいませ。
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コメントページ
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月21日
参加申し込みの期限
2016年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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