this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
1
2
3
4
5
…
20
つぎへ >>
ふと気がつくと、
楢木 春彦
と
呉井 陽太
はストロベリーソーダ色の空の下にいた。
「……どこだ、ここ?」
丘の上、怪訝な顔で周囲を見渡す春彦。けれど、その躊躇いは一瞬のものだ。
「あー、また変なトコ飛ばされたんだな……」
「うんうん。ナニカの現象に『また』巻き込まれちゃったみたいだねぃ。ソレにしても、すっごく乙女な世界」
やれやれといった調子で首の後ろを掻く春彦と、糸目の向こうでのんびりマイペースに周囲を観察する陽太。
春彦が、「よっし!」と気合を入れるように声を上げた。
「とにかく、まずは探索してみっか。行こうぜ、呉井」
「はいはーい」
軽く応じれば、春彦は早速丘を下り始める。
その後ろで、陽太はポケットから自作の粘土細工たちを取り出した。
「……といっても何か嫌な予感するし、警戒しておくに越したことはないよねぃ」
つん、と指でつつけば、ふるりと震える粘土細工。
これで良しとばかりに口元を緩めて、陽太はずんずんと進んでいく春彦の背を追った。
「待ってよぅ、春彦君。どこ行くのん?」
「決めてねぇ。っていうかわかんねぇ……おっ」
突如ぴたりと足を止める春彦。
そうして彼は、その顔をとびきりのおもちゃを見つけた子供のように輝かせた。
「おぉっ? あの川ピンクだぜ! 甘そうだし飲めんのかな?」
茶色の視線の先には、ミルキーピンクの小川が流れている。
陽太がそれを目に確かめるうちに、春彦は嬉々として不可思議な小川の元へ。
そして、両手に掬った甘やかな色味の水をごくと喉に流す。
「……って、思ってた味と違ぇ!? 全然甘くねぇ……し……」
「ちょ、春彦君、そんなあからさまに苺ミルクな色の水飲んで大丈夫なのん?」
保護者よろしく声を掛ける陽太の声に、しかし春彦は答えない。
というか、正確には答えることができなかった。
(あれ……なんか、ぼーっとしてきた……)
思考が、緩く蕩けていく。
声は耳に入れども、その意味をしかと汲み取ることが叶わない。
「……おーい、春彦くーん」
「ん……」
かろうじて、己の名前を呼ばれたことはわかった。
故に再度の呼び掛けには応じこそした春彦だったが、
(呉井の、声……そうだ……2人で、コンビニで買い食い、して……)
と、その意識はこの世界へと誘われる直前へと戻ってしまっている。
夢の中を彷徨うようにとろんとした春彦の表情に、陽太は「んもー」と唇を尖らせた。
「なんかぼんやりしてるぅ……いくら苺ミルクみたいだからって何でも口に入れたら危ないってば」
耳に入っていないのは承知でやはり保護者めいたことを言いながら、陽太は春彦のコンビニ袋に手を掛ける。
春彦がコンビニでスポーツドリンクを買っていたのを思い出したのだ。
「おっ、あったあった。春彦君、これ勝手に開けちゃうよぅ」
気つけになればと、窒息しないように気をつけながら春彦にスポーツドリンクを飲ましてやる陽太。
じきに、春彦の脳は明確に現実へと焦点を結び始めた。
「……あれ? 俺何してたっけ?」
「まだ呆けてるのん? その水飲んで、なんかおかしくなってたんだよぅ」
「あ? あー、そっか……くっそ、なんか口の中が苦ぇ。見た目に騙された、ズルだズル」
格別懲りた様子もなく、春彦は口の中に広がる不快感に眉をひそめる。
いつも通りの彼の様子に内心ほっとしながら、陽太は春彦に空になったペットボトルを強請った。
「別にイイけど……んなモンどーすんだ?」
「この世界が見た目ほど可愛くないことが分かったからねぃ。この水、何かに使えるかもしれないし……」
手渡されたペットボトルに小川の水を汲む陽太の言葉に「ふぅん」と応じて――春彦はふと、近くの巨大な宝石のオブジェの影に、これも宝石のように煌めく植物の姿を見留めた。
植物には、ルビーのように艶やかな、木苺を思わせる実が生っている。
「おっ、うまそー♪ あれで口直しすっかな」
どうぞ食べてくださいとばかりに堂々と輝く実を春彦が摘み上げた、その瞬間。
「って、春彦君、何食べようとしてるのん!?」
水を汲み終えた陽太が、春彦の行動に気づいて粘土細工の兎を彼の元へと放り投げた。
兎のウー君が、兎キックで実を春彦の手元から遠くへと蹴り飛ばす。
「うわっ!? ……ちぇっ、ちっとくらい……」
口を尖らせた春彦が文句の言葉を紡ぎ終えるのを待たずに、
――ドォン。
小さな花火が上がったような音がして、2人は同時に音の方へと顔を遣って硬直した。
先ほどまで実があったはずのところに、黒い焼け焦げの跡が残っている。
「……ま、マサカ爆発スルトハ」
「マジかよ!? なんだコレどーなってんだ!?」
「もうっ、どーなってんだじゃないって! 何でも口に入れるのはやめなさい!」
叱られて、じとーっと陽太を睨む春彦。
「……オカンかよ」
「オカンはやめて! ……それにしても、何なのこの世界の物はー」
一体先ほどの実はどういう仕組みになっているのかと陽太が首を傾げれば、春彦はにっと白い歯を見せた。
「そういう時は試してみよーぜ!」
言うが早いか、新たな実を摘み取って遠くへと投げる春彦。
今度は2人がしかと見守る中で、実は再び、確かに爆発した。
「やっぱ爆発すんのな。よし、次は……」
植物の茎を手折ろうと手を伸ばした春彦の肩を、「ちょっと待って」と陽太が掴む。
「あ? 何だよオカン、今いいところだったのに」
「だからオカンじゃないって! いや、その葉っぱもヤバイんじゃないかな、と」
「葉っぱぁ?」
指摘を受けて、春彦は改めて植物の葉の部分に眼差しを遣った。
エメラルドを思わせる葉の先に、陽太はポケットから取り出したレシートを滑らせる。
力を入れる必要すらなく、レシートはすいと真っ二つになった。
「うはぁ、切れ味抜群だねぃ」
軽口を叩く陽太の頬を、それでも冷たい汗が伝う。
この一見少女趣味な世界は、厄介なことにその探索さえ容易にさせてはくれないようだ。
「とにかく、茎を折る時には葉っぱに触れないよう気をつけて。下手したら、腕がスパッと切れちゃうよぅ」
それは敵わないと春彦は今度は素直に頷いて、慎重に茎ごと実を手に入れた。
手にしたそれを、再び投げる。幾ら待てども、実は爆発しなかった。
根っこから引き抜くというのも試してみたが、やはり爆発は起こらない。
但し、摘んだ実をそっと地面に置いた場合には、それは間もなく爆発した。
「んー、なんとなくトリガーがわかってきた気がするねぃ」
顎に手を宛がって、陽太が零す。
「トリガー?」
「要は、実を摘まなければいいんだよぅ」
そう言って笑い、陽太はコンビニの袋に茎から手折った植物を入るだけ詰め込んだ。
根から抜くのでもいいが、葉の部分を扱わなくて済む分、こちらの方が安全だし数も持ち歩ける。
春彦も、陽太に倣ってこの奇妙な植物をコンビニ袋の中に採集した。
「さて、そろそろ行こっか。色々と懸念もあるけど、じっとしていても仕方ないしねぃ」
「だな。っつうか、そういうのは性に合わねぇ」
かくして、2人は小川の傍を離れて野っ原へと向かう。
その性質を知ってか、小川の近くには生き物の姿は見られなかったが、
「結構色んな生き物がいるんだな……」
足を進めるにつれて、遠目に生き物の姿が確認できるようになってきた。
尤もそれらも、現実世界に生きる者とは様子が違って見えたけれど。と、その時である。
「……お?」
陽太の足元に近づいてきたのは、ふかっふかの真っ白い毛に包まれた小動物だった。
こちらを見上げるつぶらな瞳に、陽太の警戒もついつい緩む。
「わー、何かもふっとした毛玉さんがいるよぅ」
しゃがみ込み、そのいかにも柔らかそうな毛並みを撫でようとする陽太に、春彦が声を掛ける。
「おい、危なくないのかよ?」
「平気だよぅ。襲ってくる気配も全然ないし。やー、可愛いなー♪」
そんなことを言いながら白い毛玉に触れた瞬間、陽太の笑顔が、ひくと強張った。
見た目の印象とは裏腹の、ちくりとした感触が手を伝ったのだ。
途端、右足の感覚がなくなり、陽太はその場に尻餅をつく羽目になった。
振動に驚いたようにぴゅうと去っていく毛玉の姿を見送って、呆れ混じりの息を漏らす春彦。
「……呉井も人のコト言えねぇじゃねぇかー。ったく、大丈夫かよ?」
「うぅ、右足が麻痺った……。動かない、っていうか感覚がない……」
危険な物だらけだよぅと泣き言めいたことを呟く陽太の右足をつつきながら、春彦はふと毛玉の去っていった方角へと視線を遣って――その目を、大きく見開いた。
「おい、呉井! あれ見ろよ、人間じゃねぇか!?」
「嘘、ほんとに!? だとしたら早く合流を……って、わわっ!?」
右足のことを忘れ立ち上がろうとしてバランスを崩す陽太の身体を、春彦が急ぎ支える。
「とりあえず、足が動くようになるのを待とうぜ」
優しい苦笑を漏らす春彦へと、陽太は決まり悪げに頷きを返した。
1
2
3
4
5
…
20
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月21日
参加申し込みの期限
2016年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!