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パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
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丘を下りながら、
御剣 刀
は痛む頭を抑えた。
剣術の練習をしていた刀、気がつくと見知らぬ場所に立っていたのである。
「全く、何なんだよ……これも神魂の仕業か?」
「うーん、どうなんだろ? またクローネとか? ほら、心象風景みたいな?」
どうだ! とばかりに指を立てるは
桜庭 円
。
こちらは刀とは対照的に、赤い瞳をぴかぴかと輝かせている。
刀の唇から、疲れたようなため息が零れた。
「はあ……で、次は何だ? あのでかい樹を目指せばいいのか?」
「そうだね。お城の方には行けないみたいだし、目指せ巨大樹! かな」
刀くんもがんばろー! と元気に拳を突き上げる円の姿に、刀の口元が仄か緩む。
「まあ、やるしかないか。となれば……とりあえずは腹ごしらえだよな」
「えっ!? 先ずそれ!?」
「練習途中だったから腹減ってんだよ。……お、あの実食べられるかな?」
刀が見つけたのは、巨大な宝石のオブジェの影で植物が実らせた、艶やかな赤い実だ。
摘んでくださいと言わんばかりの生り方をしている木苺に似た実を刀はひょいと摘み、
「……やっぱ止めとこう」
と、摘んだばかりのフレッシュな実を、ぽいとその辺りに投げ捨てる。
「食べないんだ!?」
「いや、毒とかあったら……」
嫌じゃん? と刀が言い終える前に、ドォンと音を立てて実が爆発した。
実が転がっていたはずの場所から鈍い色の煙が上がっているのを目の当たりにして、硬直する2人。
「爆発した……」
「爆発したな……」
この世界見た目以上にヤバそうだと、しばらくしてから刀がぽつりと呟いた。
「……カバンの中のおにぎりのことを思い出さなかったら口に入れるところだった」
そのことを思うと、刀の頬をひやりと冷たい汗が伝う。
気を取り直しておにぎりを……という気持ちにはなれない。後で食べよう、うん。
オブジェの影には、例の実を実らせた植物がまだ幾らともなく生えている。
円が、ふと思いついたように言った。
「でもこの実、何かに使えそうだよね。この調子だと、この先もっと危ないこともあるかもしれないし」
「成る程……根っこから引き抜いてみるか?」
それで爆発するかしないかは未知数だが、試してみる価値はありそうだ。
円に少し下がっておくように言い置いて、刀は植物の根元近く、茎の部分を握り締め……、
「っ……!」
腕に走った鋭い痛みに、思わず顔を顰めることになった。
手を離して痛む部分を確かめれば、すっと刃物で切られたような傷から血が滲んでいる。
「わ!? だ、大丈夫、刀くん!?」
「大したことはない、と思う。……この葉っぱのせいだな、多分」
宝石の如き葉は見るからに鋭利な形状ではあるが、どうやら見た目以上に厄介であるらしい。
刀は、自分の荷物のことを思って少し難しい顔をした。
突然にこの世界に迷い込んだのだ、この植物を丸ごと持ち運ぶには手持ちの物では心許ない。
「……茎の部分から手折ってみるのはどうだろう」
今度は葉っぱに触れないよう注意して、茎ごと実を採取する刀。
1度目は万全を期して投げ捨ててみたが、幾ら待てども爆発の気配はない。
「実を摘まなければ爆発しない、とか?」
「みたいだな。よし、幾らかカバンに入れていこう」
採集を済ませれば、再びの出発だ。
進むにつれ、漆黒の翼を生やした騎士等の姿も甘い色の空に見られるようになったが、
「襲ってくる様子はないみたいだね」
「でも、こちらの隙を窺ってる。油断したら一気に来るぞ」
出会う騎士たちは、一様に槍を構え直しながらも向かってくる気配はない。
刀が剣術の練習に用いていた刃引き刀をいつでも抜けるように構えているからだろう。
少なくとも野っ原の辺りにいる騎士たちはということになるが、彼らは明確な敵意こそ示しているものの、是が非でもこちらを排除しに掛かるほどの気概はないようだった。と、その時である。
「わっ、見て見て、吸血鬼のぬいぐるみだ!」
ふよふよとこちらに向かって飛んでくるのは、円の言の通りキュートな吸血鬼。
ぬいぐるみの精巧な作りとゴシックな雰囲気に、円の瞳は煌めくばかりだ。
「飛んでるー! ぎゅーっとしたい!」
「桜庭、だから油断は……」
「あっ、こっちに来る! おいでおいでー!」
両手を広げれば、嬉しげにその中にとび込んでくるぬいぐるみ。そして。
「うくっ……!」
無防備な円の首筋に、それこそ吸血鬼よろしくぬいぐるみが噛みついた。
円が痛みに顔を歪めたのは一瞬のことで、すぐにその表情がとろんと蕩ける。
「えへへへ……ふわぁ……かわいいなぁ……」
「おい、桜庭……?」
自分に噛みついたぬいぐるみを、幸せそうに抱き竦める円。
その様子が明らかにおかしいのを見て取って、
「正気に返れ!」
と、刀は円の頬を思い切りはたいた。円の目が、痛みに見開かれる。
「いったーい! ……って、あれ? あれれ?」
不思議そうな顔になって、きょろきょろと辺りを見回す円。
円が元に戻ったことと近くに騎士がいなかった幸いに、刀は安堵の息を漏らした。
「で、どうなってたんだ、今のは。幸せそうにあれを抱き締めてたが」
「ええと、何だか頭がぼーっとして……思考が低下して、オープンな精神状態になってたのかな?」
そこまで言った円が、不意に「ああっ!」と声を上げる。
目を丸くする刀を余所に、どこかへ飛び去ろうとするぬいぐるみを円は後ろから捕まえた。
「って、掴まえてどうするんだ、そのぬいぐるみ」
「いや、憎めない顔してるし、一緒に連れて行こうかなー、なんて」
さらりととび出した問題発言に、ぎょっとしたのは刀だけではなく。
円にがしりと捕まっているぬいぐるみも、この言葉に、離してくれとばかりに暴れ出した。
「平気平気。怖くないよ、怯えなくて大丈夫。今から君は『きゅーちゃん』だ!」
ぬいぐるみ改めきゅーちゃんは、がくがくと震えている。
刀は、今は円にぎゅっと抱き締められているきゅーちゃんに少し同情した。
(自分が襲う側だと思っていたのが、突然に立場が逆転したんだからな……)
恐怖するのも無理はないと、哀れみの眼差しをキューちゃんに向ける刀である。そして、
「よし、逃げちゃわないようにロープに括り付けて連れて行こう!」
円は挙句に、そんなことを言い出した。女の子って強い。
「刀くん、ちょっときゅーちゃん捕まえてて!」
なんてきゅーちゃんのことを押しつけられたと思ったら、円は背負っていたリュックサックから、しゅるしゅるとロープを取り出した。きゅーちゃんが益々震える。
「……というか何故ロープが? ここに来る前一体何をしてたんだ桜庭……」
「ふっふっふ、それは企業秘密だよー。さ、きゅーちゃんおいで!」
いやいやをするきゅーちゃんを力づくで押さえつけて、胴体部分にロープを括る円。
「かわいい! 風船みたい!」
ロープの先でふよふよするきゅーちゃんの姿に、円はご満悦だ。
「あっ、ついでに武器も作っておこうっと! 石とか落ちてないかな……」
足元を探せば、石の代わりに拳大の青い宝石が見つかった。
それをロープ(2本目)に括り付ければ、簡易武器の完成だ。
「何故ロープが2本も……」
と、思わず呟いた後で、刀は緩く首を振った。
きゅーちゃんと出会ってからずっと円のペースだったが、刀にも譲れないものがある!
「桜庭、あっちの森を通っていくぞ!」
「へ? いいけど、何で?」
「あっちの森の方が美味そうだからだ。虎穴に入らずんば虎児を得ず!」
きょとん、と目を丸くする円。
腹ペコの刀、実はずっと「食い物どうしよう……」なんて思っていたのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月21日
参加申し込みの期限
2016年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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