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FEAR THE FORCE:前哨
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御剣 刀
にはどうしても理解できないことがあった。
理解というより、納得できないこと、というべきだろうか。
――ののこの存在を忘れていただけならまだしも、学校にあいつの痕跡がなかった。
記憶だけにとどまらない。因果関係にまで影響が出ている。あきらかに、フツウじゃない。
それなのに戻るのは一瞬だった。服を脱ぐようにして簡単に思い出せたのだ。それも、簡単過ぎてまた納得できない。
テオと話ができないままなのも意外だった。テオも存在を消されたのだろうか? テオにまで影響が出ているなら、落神にすら影響があると考えられるのではないか。
だが納得できようができまいが、彼の心は定まっている。
――放っておくわけにはいかない。
迷う必要はない。待ち受けているもの鬼神であろうが、ただ進み、近づくのみだ。
刀は正攻法をとった。すなわち、懐中電灯で洞窟を照らしながら進み、蟲を見つけたらすぐさま刃引き刀を抜いて片付けるというものだった。幕末の志士のように、剣の一口(ふり)さえあれば不安は感じない。
蟲は外見の奇怪さに比べればそこまで危険な相手ではなかった。ときおり群れに遭遇することもあったが、刀はその技量で乗り越えている。
どれくらい進んだだろうか。
大きな分岐点に刀はさしかかった。ここで考えよ、とでも言うかのように、突起のような岩が足元から飛び出している。
足を止め、二つの道を見比べる。
右か、左か。
いずれの行く先も暗い。その奥には蛔虫のように長く、黒いものが無数に蠢いているような気配が漂っている。ほのかな刺激臭が鼻をついた。
どちらを選んでも大差ないように見えるが――。
「あの、ええと……」
背後から呼びかける声に、刀はゆっくりと振り返った。
自分から声をかけてくる存在であれば警戒せずともいいだろう。
懐中電灯の光を眩しそうにしているのは、どこか天使めいた雰囲気の少女である。刀が懐中電灯の位置を下げても、彼女自身が光を放っているように感じられた。
「僕、じゃなくて、わ、わたし、宮杜ほのかって言うんだけど……」
刀が応じて言葉少なに名乗ると、ほのかは心底ほっとしたように、
「良かった。似たような立場みたいだね。ほのかは、ねこったーにあった『Amrita』さんの投稿が気になって……」
ほのかは言葉を中断し、ひっ、と声を上げた。
「何かいる!」
二叉に別れた道の右手から、けたたましい羽音とともに蛾のようなものが飛び出してきたのである。
白い翅に、ロールシャッハテストのような左右対称の黒い柄が躍っている。複眼は、倉庫で眠っていたミラーボールのように白い粉にまみれており、口のある場所には、長く鋭く、やけに太い針があった。空っぽにして開いたボストンバッグほどの大きさがある。
居合い。
刀は抜刀し剣尖で孤を描いた。
これまでの相手であれば、容易に両断できるほどの速度であった。
しかし今度の蟲は素早い。切っ先は数センチの距離で届かず、蛾に似た蟲はバチバチと不快な音を谺させてほのかを狙った。
より弱そうな、無防備な相手を狙うのはセオリー通りだ。蟲はほのかに狙いを定めた。
「うわっ!」
ほのかは幸運にも、ここまでの道程で蟲に遭遇していなかった。ゆえに軽いパニックを起こしそうになるも、ほとんど反射的に洞窟の壁に背をぺたっとつけていた。
湿ってゴツゴツの表面に手をつき、その冷たさを感じたとき、顔の真横に蟲の針が突き刺さったのを見た。
光を反射する複眼に、自分の顔が映っていることをほのかは確かに見た。
――ほのかねーちゃん……!
やはりそれは、宮杜ほのかの顔に他ならない。
蛾は勢い余ったのか、針が刺さったまま悶えるように体を前後させている。
「こいつめっ」
離れ際、ほのかはその大きな胴に蹴りを入れて離れた。哀しいかなそれほどの打撃は与えていない様子だが、恐怖は少し紛れた。
蛾の針が壁から抜けた。
このときすでに、
――この相手なら!
撃鉄が落ちるイメージとともに、刀はその『ろっこん』を発動させている。
刀の耳に音は聞こえなくなる。いや、届いてはいるのだが、彼は既にそれに並ぶ速度で動き、考え、戦うことができるのだ。ゆえに音は、ひどくスローモーな空気の震えでしかない。
蛾の針が繰り出されるのを刀は見た。
優雅なスケーターズワルツに乗っているような鈍さだ。無駄な動きがないところは評価できようか。
二度、三度、針の攻撃が繰り返されても、刀はかるく顔を動かすだけで容易に回避していた。
そうしてついに、完全にその軌道を見切ったと知り、蟲の腹部に一颯を加えたのである。下から撥ね上げるような一撃。
ぱしっと音がしたとき、蟲は存在をやめた。砕けて消滅したのだった。
「……行くとしようか」
剣を立てて汚れも、傷もないのを確認するや、軽く振って刀はこれを鞘に戻した。
ほのかはまだ、自分が見たものが信じられないでいる。刀の、人間離れした速度を目の当たりにしたためだ。なんという早業、なんという……。
けれどもほのかは、比較的はっきりした声でこう問うのを忘れなかった。
「どっちの道へ?」
刀はやや目を眇める。決めかねている様子だ。
そこでほのかは恐る恐る提言したのである。
「ほのかね、ここまで洞窟をマッピングしてきたんだけど……」
持参のノートをぱらりと開いた。
「さっきあの蛾みたいなのが出てきた道のほうが、広い空間へつながっている雰囲気だよ」
「そうか」
ほのかが見せた地図には、道すがら思った事や気づいたことなどが書きこまれている。いずれも、細かに文章で書いたものではなく、後で思い出せるような単語や記号で簡単にメモされていた。
「ほのかはもともと、ノートまとめるの得意なんだよ。ダンジョンといえばマッピング。ロールプレイングゲームの常識だよね。僕なんかもさ、『ウィズザードレー』の古いやつとか結構……」
「詳しいんだな」
刀は意外そうな目をした。すると急にほのかは言葉に詰まって、
「……って、そういうの好きな弟が言ってた」
やっとそれだけ言って、ウサギが巣穴に逃げ込むようにして口をつぐんだのである。
「しかし、さっきの奴の同類が湧いて出るかもしれないが」
「それは怖いけど」
話題が変えられたことに安堵しつつほのかは言う。
「刀さんがいてくれるなら、大丈夫かな、って」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月18日
参加申し込みの期限
2016年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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