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FEAR THE FORCE:前哨
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やれやれ、と
南戸河 蔵人
は息をついた。
一部の昆虫は冬眠するというが、ここの連中もそうなのかもしれない。だから、妙に温かいこの洞窟内にこもっていたのではないか。
「冬ごもり中でおネムの虫さんたち、というには可愛くなさすぎるんだけどねぇ……」
蔵人は傘をもちあげ懐中電灯の光で調べて、蟲の体液や折れた脚などが、まるでついていないことに首をかしげた。倒したそばから蟲たちは、バリンと砕けて消えてしまうのだ。
「これが『アムリタ』のもたらしたものだと、そう考えるのはお粗末すぎるかな?」
鼻岬の洞窟は、思った以上に広かった。ちょうど暇な時期ということもあって、蔵人は謎の書き込みに興味を持ち自主取材に来たのである。普段ならスルーするような『ガセ』じみた話であったが、どうにも見過ごせないものを彼は感じている。過去を甘く見るような文面に、軽く反発を覚えたためかもしれない。
過去と現在、未来の価値に差はなく等しく大事なもの、という持論が蔵人にはある。過去を、弁当の箸袋のように軽んじる発言はいただけないところだ。
――まあ、いずれにせよ変なものに出くわしたし、まったく根拠のない話じゃなさそうだ。
とはいえ、しばし探索としゃれこむつもりが、いきなりムシムシ大行進に出くわしてしまって、傘で身を守ることになるとは思わなかったが。
いずれの蟲も、悪いものでも食べて肥ったカトンボのような姿をしていた。
幸か不幸か蔵人の近親者には昆虫嫌いの人がいたおかげで、彼は虫の動きならある程度読むことができた。予測に従って傘を振り回しただけで、意外と簡単に撃退できたのである。
それにしても、と蔵人は、事前に調べておいた情報について考えを巡らす。
アムリタ、というのは不老不死の酒だと伝え聞いている。といっても、味のほうは、そんなに美味いものではないようだ。そのあたりが、同じようなネーミングの『ネクタル』とはずいぶんと違う。ネクタルのほうなら、似たような商品名の清涼飲料水もあるわけだが。
などと考えたせいだろう。蔵人はなんとなく、喉の渇きを覚えていた。
「……って、あれれ?」
通路の反対側から、見覚えのある姿がやってくるのを彼は目にした。
こういう場所で出会うとは、まるで想像もしていなかった人である。いくつか虫の害にあってはきたものの、登場してきたのは、まさかまさかの夜の蝶――。
「
泰葉
……さん?」
先日蔵人は、超がつくほど久しぶりにキャバクラへ行った。前行ったときは接待というか、積極的に自分から望んだわけではなく、なりゆきで連れられて行ったという感覚だったのだが、先日は自分一人で、進んで店のドアをくぐったのである。
その夜蔵人の印象に、もっとも残っているキャバ嬢というのが彼女、つまり泰葉だった。彼女は、その『プロムナード』という店ではナンバーワンの嬢なのだという。
見た目はどちらかというと並に近い。遠目でも華が咲くような美女ではないし、それらしく飾っているものの派手すぎるということもなかった。ところが少し話してみて、すぐに蔵人は泰葉がナンバーワンである理由を知ったのだった。理由をここでくどくどと書くことはしないが、ともかく、話していて魅了された。もっと話していたい――と思わせるものが彼女にはあった。
そんな泰葉との再会を密かに願っていたとはいえ、それがこんな場所で実現するとは、さすがの蔵人とて夢にも思わなかった。
彼女もさすがに戸惑ったらしい。
「南戸河さん……!」
と言ったまま絶句してしまう。そこで蔵人が続きを言った。
「なんでまたこんな所に……って、あれを見たんだよね。何か過去を……っと、こんなこと聞くのは失礼か」
泰葉はその言葉を聞いても、曖昧な笑みを返すばかりだった。何か思い詰めたような様子もある。あの夜『プロムナード』で見た、こちらから話をどんどん引き出してくるような泰葉とは様子が違うようだ。
だが黙ってお見合いするために来たわけではない。相手と、自分をリラックスさせるために蔵人は続ける。
「まあ、人間、あのときああすればよかった、ってのは、いくつもあるものだよね……。でも、そのときに戻れたとしてやり直したいかと言えば、それはちょっと違うんじゃないかなって思う」
洞窟内で不意に、先日意気投合したキャバ嬢と再会したときに相応しい話題かどうか、気になるところではある。だが――蔵人はすぐに考え直す。『洞窟内で不意に、先日意気投合したキャバ嬢と再会』なんていうシチュエーションが、そうそう現実にあるものだろうか。
だから構わない。少なくとも泰葉は、聞いてくれているのだ。
「『成功も失敗も、喜びも悲しみも、挑戦も諦めもすべてが私。
そのすべてを背負って私は私の行くべき場所へ行くだけだ』
……ってのは私の小説に書いた一文」
自分で自分の文章を引用するのはやや気恥ずかしいものだが、気恥ずかしいくらいでなければ、言葉は血肉を持たないだろう――と考えてあえて蔵人は言った。
「過去は変わらないが、そこから未来を変えることはできる。いわゆる人生経験ってやつかね? 私の小説もそういうお手伝いになれればいいんだけれど」
ここで、ぽりぽりと頬をかいて彼は一旦言葉を切った。
「……と、こりゃ失礼、私ばっかりしゃべっちゃった。とにかく、過去と向き合う事ってのは別に愚かじゃないって話ね」
「『多頭大蛇(ヒュドラー)の戦聖女』の二巻目ですね。あれから、先生の御本、いくつか買って読みました。引用は、たしか終盤で、アルクがクァスパルと対面する場面の……」
まさか指摘されるとは思ってなかったので、おっと、と蔵人は思わず帽子の鍔を引き下げてしまった。
かなり、照れる。
でも――嬉しいのは事実だ。
「と、ともあれ目的地は同じようだし、嫌でなければご一緒しませんか? どうにも悪い予感もするんでね……」
かなりしどろもどろに言いながら、ちらりと蔵人は泰葉の顔を盗み見た。
――もっと笑顔でいればいいのに。
残念に思う。
やはり泰葉の表情は沈んでいたのだ。
けれど彼女は、蔵人との同行を受け入れてくれた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月18日
参加申し込みの期限
2016年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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