this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
進路相談、君等の道 【2,3年生限定】
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
16
つぎへ >>
3年普通科担当の
永田 孝文
先生は、さて今年はどうだろうと手元の進路希望調査票を確認した。
それぞれみんな一生懸命で、なにやら甘酸っぱい。
「青春」――やや遠くなったその言葉を、四十路半ばの永田先生は思い浮かべていた。
●普通科:3年2組
【
青龍寺 琴理
の場合】
「私の夢……」
進路希望調査票を渡されたとき、
青龍寺 琴理
は戸惑った。
一度は書いた。
進路希望先『木天蓼大学・寝子島キャンパス・教育学部』、志望理由『小さい頃から司書になるのが夢だったから』。
――でも悩んで、消して。また書いてを繰り返して……。
用紙はくしゃくしゃになってしまい、結局出せなかった。
孝文先生に相談しよう……ただそれだけを決めて、今日に至る。
「青龍寺、どうした。調査票出てなかったな」
「すみません……」
「謝らなくていい。青龍寺のことだから、なにか理由があるんだろう。先生に教えてくれるか?」
「実は……大学進学か就職か悩んでます。金銭的にあまり余裕が無いのもあって、早く就職した方がいいのかなって……」
琴理は両親が亡くなってから、旧市街のアパートで質素な一人暮らしをしている。
「今でも本屋でアルバイトしながら学校に通ってます」
うむ、と永田先生は頷いて聞き、こう言った。
「親が亡くなってから、夢よりも今の生活を安定させた方がいいのかなって思いも出てきた……か?」
琴理ははっと顔を上げた。それはまさに、琴理が考えていたことだったからだ。
「先生すごい。超能力者ですか?」
「アタリ、か? ははは、年の功、年の功」
永田先生の笑顔に後押しされ、琴理は、出せなかったくしゃくしゃの用紙をそっと机の上に開く。
「調査票……先生、見てください」
永田先生は、わかった、とそれを受け取った。
何度も掻き消された司書への夢が、そこには綴られていた。
照れくさくて……何か言わなければいけない気がして、琴理は一生懸命言葉を探す。
「大学に行って、司書になって、寝子島で働きたい……そうできたらどんなにいいだろうって思ってます」
「うん。いい夢だと先生は思う」
「でも後悔しないように色々と考えてもみたいです」
「いいことだ」
「……孝文先生の大学に行くきっかけや先生になろうと思ったきっかけを聞いてみたいです」
「俺のことか? そうだな、青龍寺はどう思う?」
「質問に質問で返すなんてずるいです」
「ずるいだろ? これでも『のらりくらりの永田』の異名を恣(ほしいまま)にしているくらいだからな」
永田先生はくすくす笑う。自分のことははぐらかす癖があるらしい。
「じゃあ別の質問です。先生になる前と後で考えは変わったんでしょうか?」
「そりゃあ当然そうだろう。20年経って全く考えが変わらない奴がいたら見てみたいよ」
永田先生はくすくす笑いのまま。それ以上話す気はないらしい。
琴理が少し拗ねて見せると、永田先生は「話をまとめよう」と指を折った。
「1、青龍寺は大学に行きたい。2、金銭的問題がある。簡単にまとめると以上か?」
「……簡単すぎる気がしますが、そうなります」
「問題が2番ならば解決法はいくつかある。奨学金と言う手もあるし、夜間主という手もある。先生はな、教育は一番の財産だと考えている。数年生活は苦しいかもしれんが、勉強してみろと言いたい。若いんだから、迷惑だとか考えずに頼れるものはなんでも頼れ。そうやって学んだことが必ず、人生の宝物になると先生は思うぞ。――先生の意見は以上だが、いろいろ事情もあるだろう。まあ、よく考えてごらん」
【
汐崎 ハイエ
の場合】
汐崎 ハイエ
は浮かない表情で教室に現れた。
もっとも、彼女が浮いた表情をしたところを、永田先生は見たことがなかったのだけれども。
「汐崎――白紙か」
「……」
ハイエは黙して語らない。
永田先生は、昨年もこの学年の担任を持っていたので、以前から彼女の事情を知っていた。
両親は別居していて父親と暮らしていたこと。
水泳選手を目指していたが、記録が伸びず、挫折してしまったこと。
それゆえに1、2年の頃は荒れ気味で遅刻やサボり、無断欠席を繰り返していたこと。
最近は弟が同居しはじめて、一緒に登校したり、生活するようになった影響か、よく授業に顔を出すようになっていること――。
知っているからこそ、白紙已む無し、とも思う。だが、一方で、この機会にまた夢を見つけてくれたら――そんなふうに思うのは先生のエゴだろうか。
「最近、よく授業で会えて先生は嬉しい。成績も問題ないぞ。だから怖がることはない。夢とは言わないが、やりたい、やってみたいと思うことがあれば聞きたいな」
「前は……水泳、でしたけど……」
ハイエはそこで言葉を切る。視線を彷徨わせるが、やがて諦めたように瞳を閉じて。
「今はやりたい事が見つからないです」
困ったように一言、そう言った。
「なにも、か?」
「……なにも……」
ハイエは一層申し訳なさそうにする。
永田先生は思った。この子はまだ、谷間にいるんだ、と。傷ついて、谷間にいる。
人生は谷間だけじゃないのだということがまだ見えていないだけなんだろう。
「誤解しないで欲しいんだが」
永田先生は頭を掻くとこう言った。
「……先生考えたんだが、『やりたいことが見つからない』という汐崎の問いは深くて難しい。だから、こう答えようと思う」
そうして、永田先生は立ち上がると、その長い髪を乱さないようにハイエの頭を抱きしめた。
「先生が思うに。汐崎は、こういう温かさを、もっと求めてもいいのかもしれないぞ。父親は今更だろうが、弟とか、いるか知らんが彼氏とかにな。――もっとも先生がこうしてやるのは、今日だけ、な。あんまりこんなことしていると、いろいろ問題あるからなー」
軽口を叩きながら腕をほどく。
それからぽんぽん、と肩を叩いて、彼女の肩に積もった憂さを払ってやる。
結局ハイエは、やっぱり進路を決められないと、申し訳なさそうに退出していったのだけれど……。
「ゆっくりでいいぞー。大丈夫だからな」
永田先生はハイエの背中に声を掛ける。
きっかけになってくれたら嬉しい。彼女が彼女の未来をゆくための。
生徒相手ならこうしてやれるのにな……なんて永田先生が思ったのは、きっと、別のお話。
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
16
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
進路相談、君等の道 【2,3年生限定】
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年04月26日
参加申し込みの期限
2013年05月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!