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旧市街の実家から
小山内 海
が元気な様子で飛び出してきた。水色のダッフルコートの胸に抱くのは愛用のスケッチブック、それと使い込まれた一冊の本であった。
溢れる笑みで海は旧市街を走る。目的地が近くなるに連れて速度が落ちてきた。
海は緊張の面持ちで一つのドアの前に立った。思い切ってチャイムを押すと、中からジャージ姿の
御剣 刀
が現れた。
「海、今日はよろしくな」
海は慌ててスケッチブックを開こうとした。
「ここだと寒いだろ。上がってくれ」
刀は海を部屋に引き入れた。
「机だと少し寒いと思って炬燵を出したんだ。好きなところに座っていいよ」
海は座布団の敷いてある一角に腰を下ろした。着ていたダッフルコートを脱ぐと綺麗に畳んで横に置く。どこか落ち着かない様子で周囲を窺った。
「俺はお茶を淹れてくるよ」
海は上の空の状態で頷いた。刀は目の端で窺う。
――初めての時はちょっと緊張するんだよな。俺も海の部屋で、そうだったし。
過去を思い出して目が優しくなる。刀は素早く部屋を出た。
十分後、刀と海は炬燵で丸くなっていた。二人の目の前には湯呑が置かれ、白い湯気を燻らせている。お茶請けのおかきは好評で残りは半分となっていた。
緊張が解れたところで海は持参した本を手元に引き寄せた。合わせてスケッチブックに文字を書き込む。
『そろそろしゅわをはじめようか』
「そうだな」
刀は姿勢を正して横手の海に目を向ける。
『いまのきぼうとか、じょうたいをつたえるしゅわは、おしえようとおもう。あいさつ、おれい、はどうしようか? わたしはスケッチブックにかいてあるから、あまりつかわないんだけど』
「出来れば一通り教えて貰いたい。今後の役に立つと思うんだ」
『わかったよ。さいしょは、かんたんなあいさつからはじめるね』
海は手話の本に目を通す。最初の方の頁を開いて卓上に置いた。
『さいしょはわたしがやるから、そのあとでかたなくんがまねしてみてね』
「わかった」
刀は身体を寄せた。海を食い入るように見詰める。その視線に講師役の頬は瞬く間に赤くなり、手をあたふたと動かした。
「今の手話はどういう意味になるんだ?」
『いまのはしゅわじゃないから』
スケッチブックに書き込まれた文字は少し乱れていた。刀は納得したのか。自身の手を揉み解すように動かした。
海は深呼吸を挟んで、ありがとう、という手話を実演した。刀は本の図解の説明を一瞥してから試す。
「左手の甲に手刀を当てるような感じか」
『かたなくん、すこしうごきがはやいよ。あとはスマイルだね。もうすこし、ありがとうってかんじをださないと』
海は自身の口角を上げて見せる。先程よりも感情を込めて手を動かした。
「本当にありがとうって言われているみたいだ。いや、ありがとうを伝える手話だから、それでいいのかもしれないが、不思議な感覚だ」
手話の表現の豊かさに刀は驚いたようだった。海は満足そうな笑みを返す。
『つぎはこれだよ。かたなくん、よくみていてね』
勢いのある文字が画用紙の中で踊っていた。
海は手話を堂々と披露した。自らが楽しんでいるかのように表情は活き活きとしている。
『そこのてはもうすこしひらいて』
的確な指摘でしっかりと講師役もこなす。開いた本の図を順繰りに指差した。
刀は本の方に身体を寄せる。学んだ手話を実際に試してみた。
「こんな感じか」
肩が触れそうなくらいに近づいて海に聞いた。あまりの顔の近さに動揺して頭が不自然に揺れる。ぎこちない笑みで親指を立てて急場を凌いだ。
「これも手話なのか」
『これはちがうよ。しゅわのよいはこれ』
右手で拳を作った海は鼻先に据えた。刀の目を意識して前に突き出すように動かす。
「そうなのか。こんな感じかな」
その動きに海は小さく拍手を送る。そのあとで刀に微笑み掛けるようにして同じ動作を繰り返した。
「褒め言葉として受け取っておくよ」
二人だけの手話教室は合間に休憩を挟んで延々と続いた。部屋には照明が点けられた。
刀は座った状態で肩を回す。
「少し肩が張っているような感じだ。あと顔が疲れた」
『かたなくんのひゃくめんそう、おもしろかったよ』
海はスケッチブックを持った姿で微笑んだ。
「こんなに顔の筋肉を使ったのは初めてかもしれないな。今日はこれくらいにして、また手話を教えて貰えるか」
『いいよ。あたらしいやくそくだね』
海の何気ない書き込みに刀は少し視線を落とした。
「約束を果たして、また約束を交わす。自ら望んだ約束がしっかりと繋がって、まるでお互いを縛る鎖のようだな」
耳にした途端、海はスケッチブックに猛烈な勢いで文字を書いた。
『わたしはちがうかな。やくそくに、しばるチカラはないから。あいてをしんらいして、てをつなぐような、あたたかいものがやくそくかなっておもうよ』
「そっちの方がいいな。じゃあ、手を繋いで家まで送るよ」
刀は立ち上がると手を差し出した。海は火照った顔で迷う。
「俺は海から信頼されてないのかな」
がっくりと頭を下げた刀の手を海は握った。強く引っ張って立ち上がる。
「悪い、少し調子に乗った」
海ははにかむようにして、いいよ、と手話で返した。
二人は玄関へと向かう。海が先に靴を履いて刀が続く。
先に外に出た海は踵を返した。刀に向かって、ゆっくりとした手話で思いを伝える。
「それは、あれだ。また来たいって意味だよな。歓迎するよ。俺と海の新しい約束だ」
『ありがとう』
いつものように海はスケッチブックに文字を書いた。
二人は手を繋いで歩き出した。固い信頼で結ばれているようだった。
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担当ゲームマスター
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月08日
参加申し込みの期限
2016年01月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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