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あの日の約束
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ベージュのコートを着た
トワ・E・ライトフェロゥ
が街中をちょこまかと走る。後頭部の赤いリボンが空に向かって元気に羽ばたく。
「そっちデスか!」
金色の髪を弾ませて右手に曲がる。路地裏に突入したトワは薄暗がりを突っ切って山へと向かった。
「トワはがんばるマス!」
先頭の猫は細い轍に飛び込んだ。足場の悪さを物ともせず、山道を駆け上がっていく。トワは迷子で鍛えた脚力を活かし、がむしゃらになって追い掛けた。
木々の迷路を抜けた先は開けていた。猫は逃げ場を一本の樹木に求めて飛び付いた。幹に爪を引っ掛けて器用に登る。
「フクロのネコなのデスヨ」
トワは幹にしがみ付いて後を追う。猫は太い枝に乗って先端に逃げる。トワは四つん這いになってじりじりと距離を詰めていった。
勝ち誇った顔のトワに向かって猫が鳴く。直後に滑らかな動作で下へと飛び降りた。
「それはナシよ~」
トワが躊躇っている間に猫は繁みへと飛び込んで見えなくなった。
諦め顔のトワは幹に背を預けた。眼下に広がる下草を微睡むような瞳で眺める。
「あの時の、草原に、似てる、デス、ね……」
瞼を閉じたトワは深い眠りに落ちていった。
家の柱に隠れたトワがそっと顔を出す。部屋の奥、柔らかい笑みで談笑する兄が見える。相手をするのは釣り目の人物で口数は少ない。口元は微かに笑っていた。黒い目は空洞のようで何の感情も見出せなかった。
トワは真剣な表情で見ていた。
兄様には、ボディーガードがいるけど。心配だからトワは――。
思考が途切れた。相手がこちらに振り返ったのだ。トワは驚いて、その場を逃げ出した。
「足が軽い!」
トワは夢中で足を動かした。誰も追い付けない速さを目指して、どこまでも走る。目の前の繁みに尻込みすることなく、頭から突っ込んでいった。邪魔な枝葉を手で掻き分けて進んだ。
どれくらいの時間が過ぎたのか。トワは目にした赤い光の中へと飛び込んだ。夕陽に照らされた草原が視界に広がる。
その時、後方から不穏な音がした。振り返ったトワは泣きそうな顔で後ずさる。
「来ないで!」
言いながら後ろに下がる。釣り目の人物は制止を無視した。黒い穴のような目がトワを追い詰める。
「消えたパパとママの、ところに行くんだから」
青い瞳から丸い真珠のような涙が零れる。相手の黒い目に感情に似た光が揺れた。
「トワが消えれば、兄様は消えなくてすむんでしょ?」
相手は軽く息を吐いた。無言で近づいてしゃがむと、トワと同じ目の高さで言った。
「俺が守ってやる」
トワの青い瞳が丸くなる。頬に両手を当てて妙に身体をくねらせた。
それってつまり、愛の告白でプロポーズなのよね。俺の一生を捧げるみたいな、でも、急に言われても心の準備ができてなくて。
深呼吸で気持ちを落ち着かせた。トワは相手の目をしっかりと見る。
「守ってくれるのはうれしいけど、トワにはあげられるものがないから。だから、トワをあげちゃう!」
「要らない」
一言で返された。相手はトワの手を握ると来た方向に歩き出した。
――ぐぬぬ、もっといい女になって絶対に後悔させてやるのよ。
いつの間にか泣きやんだトワは大きく手を振って帰っていった。
夜海霧 楓
は目深に被っていたハンチング帽を親指で押し上げた。山へと向かう轍に顔を近付ける。少しぬかるんだところに小さな足跡が残されていた。
「……ちび助っぽいな」
楓はジャケットの裾をはためかせて山に分け入った。眼鏡越しにそれとなく周囲に目を向ける。
「いないか」
少し足を速めた。前方の薄闇に緋色の筋が走る。楓は少し目を細めて踏み込んだ。
開けた場所に立った。広がる下草が夕陽で赤々と燃えている。
「あの時のようだ」
過去が胸の中を静かに満たしていく。
護衛役として楓は雇われた。対象の傍にいて周囲に注意を払う。その視界に頻繁に割り込む姿があった。対象の妹で活発に動き回る。
――よくわからん奴だ。
妹は護衛の対象外なので楓が自ら関わることはなかった。ただし間接的には関わっていて今日も捜索に駆り出された。
「また迷子になったのか」
妹は目を離すと、すぐに屋敷を抜け出す。その度に大掛かりな捜索が行われた。
楓は方々を歩き回った。どこにも姿が見当たらない。呼び掛けにも答えない。空が赤くなり始めていた。
楓は走り出した。赤いリボンを見つけた繁みを突っ切り、草原で妹を見つけた。発見で気が緩んだのか。足音に気付かれ、大きな声で拒絶された。
――お嬢様、特有のわがままか。
特に気にすることなく、楓は妹に近づいた。すると大粒の涙を零し、思いを伝えてきた。
――こいつは消える意味がわかっているのか? 兄妹でお互いの心配をして、何の利があるっていうんだ。世の中はギブ&テイクなんだぜ。
胸中で悪態を吐きながら楓は妹の前にしゃがんだ。
「そのままのお前でいるなら、俺が守ってやる」
その言葉を受けて妹の様子がおかしくなった。
「まあ、守る対象が一人くらい増えても大して変わらんからな」
楓の言葉は耳に入っていないのか。妹の挙動がおかしい。対価に自分自身を差し出すと言い出した。
「それだと絶対に約束を守らにゃならなくなるんで要らん。ほら、帰るぞ」
楓は妹の手を握って屋敷の方に歩き出した。
大きな伸びで回想を打ち切った。楓は近くの樹木に向かって声を張り上げた。
「ちび助、起きろ!」
「……ふわぁ。もう、朝デスか」
「寝ぼけやがって」
楓は樹木の幹を蹴って垂直に跳んだ。トワを胸に抱えると見事に着地を決めた。
「お姫様抱っこデスね! トワが欲しくなったデスね!」
「要らん」
楓はトワを速やかに下ろして手を繋ぐ。
「でも、トワを守ってくれてるデスよ」
「これも仕事だからな」
楓は手を引いて歩き出す。トワの不満を片耳で聞きながら思った。
――本当に守れるかはわからない。俺にとって唯一の、約束事だ。
黒い目に強い意志を秘めて楓はトワの手を握り直した。
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月08日
参加申し込みの期限
2016年01月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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