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\ オーバータイム!/
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101匹テオさん
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【epilogue】
御剣 刀
と
橘 千歳
は夕刻になると、どこからともなくまた別の猫の声を聴いた。
「え……」
「あ……」
二人がハッと我に返るよりも早く二匹の子猫達は二人の側を離れて家の外へ走っていった。
「あ、待って」
千歳が猫を呼び止めるが、彼らは足を止めない。
「追いかけよう」
刀が言って、二人で部屋の外へ出る。
そこには二匹の母親と思しきテオ似の母親猫がいて、そのそばに二匹の子猫達もいた。
別れを告げるように、「にゃあ」と鳴いて夕暮れの向こうに消えていく猫達を千歳は少し泣きそう顔で見送った。
「……また会えるといいな」
「……うん」
優しい声で語りかけてくる刀に、千歳も頷く。
もうあの猫達は二度と会えないような予感がしていた。
それでも、やはりまた会えたらいいな、と。
千歳はひそかにそう願わずにはいられなかった。
* * *
八神邸に嵐のようにやってきた猫達は、夕刻になると、嵐のように屋敷の外へ走り出した。
「ちょっ!? 八神、猫らどっか行きよるで!?」
須藤 清一郎
は突然の猫達の異変に目を瞠る。
「俺達も行こう」
あくまで冷静に、
八神 修
は猫達の後を追った。
屋敷の外に出ると、101匹の子テオを迎えに母親テオがやってきていた。
テオそっくりの母親猫の姿を見て、修はこれが神魂現象による事件であることを確信するに至った。
(よかった……。寒さに震える子猫はいなかったんだ……)
子猫達との別れは少し寂しかった。
だが、寒さに震える猫がいないことが何より大切だと修は思った。
と、そのとき、修はまだ自分の足下に一匹の子猫がいることに気づいた。
「なんだ、お前は帰らないのか?」
修はその子猫を抱き上げて訊いた。
どうやら、神魂によって生じた子テオに混じって、普通の子猫もいたようだった。
修はこの子猫も八神家でひきとることに決めた。
「よっしゃ! 事件解決やな! そしたら、今からナンパに行くで八神!」
「今からか? ああ、わかったよ。ただし、この子を獣医に連れていった後でな」
「獣医? 今日はどこもやっとらんのとちゃうんか?」
「いや、一つだけ今からでも診てくれそうな心当たりを思い出したんだ」
別れの感慨に浸る暇もなく、修と清一郎はそうして夕暮れの街を歩きだす。
* * *
ジェレミアは夕暮れになるとやってきた母親猫と一緒に路地の向こうに消えていくテオ似の猫達の背中を見えなくなるまで見守っていた。
「行ってしまったね……」
獣医師の仕事などをしていると動物との出会いと別れなど日常茶飯事である。
しかし、何度慣れようとしても、やはり別れには一抹の寂しさがつきまとうものだった。
何かをふりきるように頭を振ったジェレミアのもとに、二人の高校生がやってきた。
一匹残ったテオ似の子猫を抱えた
八神 修
と
須藤 清一郎
だった。
「おや、君はいつぞやの」
「先生。じつはうちでこの子猫を引きとることになったので、診てやってもらえませんか?」
少し申し訳なさそうに言う修の表情から察するに、今日が休診であることは知っての申し出なのだろう。
無論、ジェレミアに否やはなかった。
「もちろんだよ。さあ、おいで」
そうして、ジェレミアは彼らを笑顔で迎え、医院の扉を開く。
「おお。ええ病院やな。ところで、先生もこのあとナンパいかへん? イケメンは多い方がええし」
「おい、須藤」
常に攻めの姿勢を崩さない清一郎に、修が苦笑して止めに入る。
そんな二人を見て、ジェレミアは笑う。
「ナンパか。いいね。君は女の子が好きかい? なら、俺とは気が合いそうだ」
そんなこんなで、オレンジ動物病院の時間外診療が始まる。
* * *
仙藤 紫
は気がつけば夕刻まで猫と遊んでいた。
(まさか猫と一日じゃれあっているだけでほぼ一日が終わってしまうなんて)
少し驚く紫だったが、後悔はしていなかった。
そして、
(……あら?)
やがて、どこからともなく現れた母猫が三匹の子猫を連れてどこかへ帰って行こうとする。
(また会えるといいわね)
紫はそんな猫達の背中を、ほんの少し寂しげな表情で見送った。
* * *
恵御納 夏朝
はようやくその一日のバイトを終えると、息をきらせて子猫のもとへ向かった。
(……今日は、ヒドい目に遭った)
これまでにバイトは多く経験したが、今日ほどヒドい目に遭った日はほかになかった。
そのぶん、日払いでこれまでにないぐらいに色をつけたバイト代を貰えもしたのだが。
(またおいでと言われたけど、正直あんまりやりたくはないかな……)
苦笑しつつ、夏朝はドキドキしながら子猫がいた場所へ向かう。
「よかった……。まだいてくれたんだね」
そこにはまだ子猫はいた。
こちらを見上げて「にゃあ」と鳴く子猫の愛らしい姿に思わず夏朝の表情も綻ぶ。
それだけで一日の疲れが吹き飛ぶような気がした。
それから夏朝は時間を惜しむように子猫とじゃれあった。
暮れなずむ夕陽を背に、夏朝は何故かもうあと少ししかこの子猫と一緒にいられないような、そんな予感を感じていたのだ。
果たして、その予感は正しかった。
「あ……」
夏朝がやってきてから程無くして、その子猫達を迎えに母親猫がやってきた。
「さよなら、猫さん達……元気でね……!」
少し泣きそうになるのをぐっと我慢して、夏朝は笑顔で猫達を見送った。
* * *
大天使 天吏
は夕暮れまで猫観察を続けていた。
やがて、母猫がやってきて、子猫達とともに山を下りようとするとき、テオがのっそりとやってきた。
『ちっ。ようやく事態が収まりはじめたか』
「……あら、ようやく本物のおでましね」
天吏はそれが本物のテオと知ると暗い笑みをたたえながら一瞥し、そう言った。
そして、
「でも、それなら貴方達は……」
それから今度はごく自然な笑顔でどこかへ帰っていく子猫達の背中に目をやった。
「さよなら」
と、天吏が小さな声で子猫達を見送ったときには、すでに本物のテオは彼女の前から姿を消していた。
* * *
日暮 ねむる
は無事に猫を連れて、シーサイド九龍を出ることができた。
時刻はいつのまにか夕方だった。
ねむるが雑居ビルの前の通りで猫を解放してやると、猫は一瞬だけねむるを振り返って「にゃあ」と鳴いたが、あとは振り返らずにそのままどこかへ消えた。
「おや、放してしまってよかったのですか? アレは日暮さんの想い出の猫と瓜二つなのでしょう?」
「……どれだけ似ていても、あの子はノラじゃないから」
いつのまにか後ろに立っていたエレノアに振り返りはせずに声だけで答える。
「そういうものですか」
「ああ、そういうものさ」
ねむるはそう言って、昼食の礼を言って、その場を辞することにした。
「今日はありがとう。写真はともかく、カレーはおいしかったよ」
「こちらこそ。今日はおもしろいものが見られました。また機会があれば、今度こそシチューを御馳走しましょう」
本気とも冗談ともつかぬエレノアの言葉に、ねむるは一瞬だけ目を見開いた。
「……それはもちろん猫なんか入ってないんだよね?」
ねむるの問いに、エレノアは何も答えず、ただ恐ろしいほどに美しい笑みだけを返した。
「……うん、久しぶりだよ。ここまで誰かを恐ろしいと感じたことは、ね」
こうして、
日暮 ねむる
と
エレノア・エインズワース
の邂逅はひっそりとその幕を閉じた。
* * *
猫屋敷 姫
は猫のように目を丸くしていた。
「テオさん、じつは女だったですか……!」
なんと夕暮れどきに猫屋敷にやってきた一匹のテオ似の母猫がおもむろに子猫達に授乳を始めたからだった。
「いえ、まあ冗談ですけどね」
さすがにこれでテオがメスだったと早合点することはなかった。
むしろ、やはりこれは神魂現象だとわかって少しほっとした。
「ん?」
と、そこで、姫は母猫がぞろぞろと子猫を連れてどこかへ行こうとしていることに気づいた。
「おや、帰るですか?」
姫が訊くと、母猫が「にゃあ」と鳴き、ほかの子猫達も「にゃあ」と大合唱をした。ごちそうさまと言っているのかもしれない。
そうして、姫は猫達が夕暮れの街に消えていくのを見送った。
さっきまでにゃあにゃあと五月蠅かったのが嘘のような静けさに姫はふぅと息を吐き、
「……そういえば、この後片付けは、いったい誰がするんです?」
散々食い散らかすだけ食い散らかしていった猫達の去った庭を呆然と見渡してから、もう一度大きくふぅと息を吐いたのだった。
* * *
綾辻 綾花
は自室で猫を膝の上に乗せてウトウトしていたところで子供を呼ぶ母猫の声のような鳴き声を聞いた。
「え……?」
と、瞼を開くと同時に子猫はもう扉に向かって走り出している。
「あ、こらっ、扉を引っ掻いたら駄目ですよ!」
綾花が仕方なく扉を開けてやると子猫達は猛ダッシュで寮の外へ飛び出した。
さらに綾花が驚いたことには猫鳴館にいた子猫は綾花が連れてきたもののだけではなかった。
どこからともなく走ってきた、やはりテオ似の子猫が綾花の目の前をハイスピードで横切っていく。
そして、その子猫の後を追うようにして走ってきたのが――。
* * *
伊賀 解理
は何かに呼ばれるようにして部屋から突然脱出した子猫を追いかけて廊下を走っていた。
「あ……」
「え……?」
その途中で、同じ寮で生活している
綾辻 綾花
とばったり出くわした。
互いの表情から、自分達がほぼ同じ状況下にあることを理解する。
解理は綾花と頷きあうと、ともに子猫を追って玄関へ走った。
その先で二人が見たものは――。
「あれは……」
「……母親?」
二匹のテオ似の成猫が子猫達を迎えにきた姿だった。
子猫達は一度だけ二人を振り返り、「にゃあ」と鳴くとそのまま母親と一緒に夕暮れの向こうに消えていく。
なんだかもう二度とあの子達には会えない気がして、すこししんみりとした気持ちになりつつ、二人は静かに彼らの背中を見送った。
「……結局、あの子達はなんだったんでしょう?」
「おそらく神魂生物の一種だろうね。あれがいつものテオとは考えにくいし――」
『――あたりまえだ。俺があんな間抜け面さらすか』
「「あ」」
シュタッという足音とともに二人の前に現れたのはホンモノのテオだった。
おそらく現象が終息するまで
逃げて
旅に出ていたのであろう彼が、どこかホッとしたように見せる表情でその姿を見せたということは、もはや事態は収束したと考えていいのだろう。
さて。
そうなると、もはや
伊賀 解理
のやるべきことは一つしかなかった。
「ふっふっふ。いやいやテオ氏。安心するのはまだ早いよ?」
『――あ?』
人の悪そうな笑みを浮かべる解理に、テオは怪訝そうに眉根を寄せて、
『……!?』
それから愕然と綺麗な色の目を見開いた。
解理がポケットから取り出したのはついさっきスマホからプリントアウトしたばかりの鼻ちょうちんテオちゃんズの写真だった。
『……て、てめぇ、それをどうするつもりだ!?』
「ふふーふー。さぁ~て、どうしようかねぇ?」
『……!?』
いつにない危機的な状況に、テオの顔がにわかにひきつる。
と、そこに、
「今回も無事に解決してよかったね、テオ。あ、今度本当に奥さんができたら私にも紹介してね!」
さらに綾花が追撃を仕掛ける。
『ぐぬぬ……! て・め・え・ら・ぁーーーーーーーーっ!』
そんな二人に、さすがのテオも今回ばかりは全身の毛を逆立てて、二人に向かってフシャーーーーーーッと威嚇することしかできなかったという。
かくして、きわめて平和裏に、しかしテオさんの心に深刻(?)なダメージを残しつつ、『101匹テオさん』事件は静かにその幕を閉じたのであった。
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あとがき
担当マスター:
水月 鏡花
ファンレターはマスターページから!
というわけで。
お疲れ様でした。MSの水月 鏡花です。
101匹テオさん、いかがでしたでしょう?
子猫可愛いですよね。猫はオッサンでも可愛いですが、子猫だとなおのこと可愛い。
テオちゃんヘッダーの可愛さにノックダウンさせられたのは水月だけではないはず。
そんな想いで、このリアクションを書きました。
今回はだいたいそんな感じ。
それでは最後になりましたが、ご参加頂いた皆様、ここまでお読み頂いた皆様、そして「らっ!」に関わる全ての方に感謝の言葉を。
ではでは、またどこかのあとがきで出会えることを祈って。
水月 鏡花 拝
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担当ゲームマスター
水月 鏡花
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月30日
参加申し込みの期限
2016年01月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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