幻想遊戯～デュラハンの夜～｜リアクション

幻想遊戯～デュラハンの夜～

「ん……」

　寝覚めがいつも爽やかなものとは限らない。

　それは昨晩ちょっと飲み過ぎてしまって、常宿にしている旅館に辿り着いたのが明け方、そのまま夕方まで一気に眠りこけてしまっていた木鈴寧々子にとっても、全く例外ではない。

「あれ……夕べはどっか知らない会社員の飲み会に参加して……それで……」

　楽しそうに酒を飲んで盛り上がっているグループに、途中から勝手に参加して何となく酒を飲んでくる。寧々子にとってはよくあることだ。
「いたた……ひどい夢見……」
　ついつい楽しくて明け方まで――まぁ、なくはない。一緒に飲んでいた会社員たちは、今日の仕事は大丈夫なのだろうか、それとも今日は休みなのだろうか。まぁ、それもここではどうでもいい話。
「やれやれ、それにしても飲みすぎね。私こんなに寝相悪かったかな……」
　ようやく目を開くと、寝床に横たわっている自分の身体。やけに自分を客観視できているなと、寝惚けた頭で考えてみるがそうではない。

「あれ？　……ちょっと」

　ここにきてようやく気付く。

　自分の頭が身体から離れて転がっているのだ、という事実に。

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