変態の軍隊 Revolution ～葉っぱ１枚でも寒くない～｜リアクション

変態の軍隊 Revolution ～葉っぱ１枚でも寒くない～

　店の奥に通された３人は、初めてシトラスガムダンの正体を見て驚愕した。
「……まさか、君が、今代のシトラスガムダンなのか？　シトラスガムダンは代替わりで、毎年裏生徒会から素質のあるものが選ばれると聞いていたが……。君は私より年下なのに、その座にいるというのか……！？」
　咲は目を丸くしていた。
「コイツは驚いた。寝子高の影の支配者がお前のような聖人だったとはな？」
　亨が腕を組んで唸る。
「色々と表立って活躍している君がここにいるなんて、私は未だに信じられません……」
　極夜も絶句してしまう。
　３人の反応を楽しむかのように、シトラスガムダンは含み笑いをしながら答えた。
「フッ……、俺以外にもシトラスガムダンを名乗る者は何名かいる。今日はたまたま、俺が動いたってだけだ」
　シトラスガムダンは膝下に侍らせていた黒猫の頭を優しく撫でた。
「聖人君子でも何でもないさ。俺たちはただの傀儡だ。“上”の意思には逆らえない」
「“上”ってなんだ？　シトラスガムダンが裏生徒会長じゃなかったのかよ？」
　亨の言葉に、シトラスガムダンは右手の人差し指を天へ向けた。
「俺は『御前様』に依頼され引受けただけだ。全ては『御前様』の思し召し。綺麗事だけでは社会は動かないものだよ」
「裏生徒会……、どこまで闇が深いんだ……！？」
　極夜は思わず戦慄した。
　シトラスガムダンは同調するように苦笑する。
「全くだよ。俺もシトラスガムダンになったときは、傲慢にもこの学校を裏から思い通りにできるとばかり思っていた。でも、すべては『大人たち』の手の平だったんだから、とんだお笑い種だ。本当は俺たちが人前に出ることは滅多にない。だが、君たちなら信用できると思ったから、こうして俺は姿をさらけ出した。信頼の証だ」
　シトラスガムダンの目は真剣だった。
「依頼、遂行してくれるか？　エージェントたち」
「「ハイッ！　ヨロコンデー！」」
　３人は最敬礼で依頼を受諾した。
「私も変装して現場近くで待機しているので、何かあったら連絡をしてくれ。あ、赤外線で連絡先を転送するからスマホ出してくれ。できればシトラスガムダン名義じゃなくて本名で頼む」
　シトラスガムダンがスマホを取り出すと、３人も慌てて自分のスマホを取り出した。