変態の軍隊 Revolution ～葉っぱ１枚でも寒くない～｜リアクション

変態の軍隊 Revolution ～葉っぱ１枚でも寒くない～

　まばゆい光の正体は、満を持して降臨した横嶋隊長のモテモテスターだった。
「熱ッ！　すごく熱いよ、これ！　なんか焦げ臭いって燃えてる燃えてる！？」
　横嶋隊長のモテモテスターは熱量が人一倍凄まじく強かった。
　彼のエロへの情熱が抜きん出いたからであろう。
「ふぅ、やっと消えた……。やぁ、待たせたね！　俺が来たからもう安心していいよ！」
　神々しい横嶋隊長のエロビームに、女子たちは一気にメロメロだ！
「エロは平等だからね！」
「すげぇのだセクシーダイナマイツ（死語）なのだ！」
　後木が実況席から飛び出して横嶋隊長に屈服！
「おっと私は射程圏内に入らないように離脱します！」
　舞華はサングラスをかけたままテトラポッドの陰に隠れて難を逃れた。
「くっ……！　咲は負けぬ！　こんな感情……、あの時の黒歴史で打ち消してやる！」
　咲の脳裏に、中学生時代の荒れた日々が思い起こされる。
　ヤンキーとして荒くれ、中学生時代に交際した男に色々とお勉強（性的な意味で）させられ、挙句、集団撮影会（意味深）を強要されメンタルはボロボロに。
　そのままメンヘラ少女として痛いポエムを書き連ねる日々……。
「彼氏が２人いて何が悪いんだーぁ！？」
　横嶋隊長の魔力になんとか抵抗するも、黒歴史のおかげで精神が錯乱する咲。
「やばい、咲さん！　しっかりしてください！」
　亨が咲の右胸を掴んだ。
「咲先輩、正気に戻ってください！」
　極夜が左胸を掴んだ。
「あぁン……、ふたりの愛が気持ちいい……！」
　咲は正気に戻った。
「クソが！　あの巨乳女、男ふたりを侍らせやがって……！」
　そこへ鬼崎の狂気が迫る！
「おにいちゃん（武器）と私で、世界を平坦にしてやるんだから！」
「そこの銀髪の美少女ちゃん！　争いは良くないよ！　葉っぱフラーッシュ！」
　横嶋隊長の葉っぱから放たれたビームが鬼崎を貫いた！
「きゃぁ！？　……あれ？　うそ、おにいちゃん以外の男の裸にドキドキするなんて……！」
　鬼崎の顔が苦痛に歪む。
「こんなの……お兄ちゃんへの愛の観察日記を本人に見られた時並の羞恥心を感じます！」
　冴木の行動を200％以上も美化した上に愛の言葉を書き連ねた~~ストーカーブック~~ただの日記帳なのだが、その時の冴木のひきつった笑顔が鬼崎のトラウマになっていた。
「あの時のお兄ちゃんの苦笑は結構傷つきました……。という訳で貴方に用はないのでさっさとそのスター寄越しやがれです」
「それはできないね！　くらえバナナビームサーベル！」
　横嶋隊長の葉っぱからバナナ型のビームサーベルが突出し鬼崎の腹部を貫く！
　あまりの激痛に悲鳴を上げる鬼崎。
「痛いよぉ……！　私、知らない男の人のおっきいバナナに串刺しになっちゃってるよぉ……！」
「ヨイショー！！　ふんぬっ！」
　そのままテコの原理を用いて、横嶋隊長は鬼崎をバナナで天高く打ち上げた。
「アアーッ！　いっちゃういっちゃうお空の上にいっちゃうー！」
「バナナ☆スパーキンッ！」
　横嶋隊長がバナナを納刀（意味深）すると、鬼崎の体は武器の冴木ごと成層圏上空で爆発して消滅した。
　魂が星座となって昇天される間、２人の魂のささやきが地上に降り注ぐ。
（死んじゃったけど、これでお兄ちゃんと永遠にあの世で一緒です！）
（どいひー！？　死後硬直が解けたと思ったら身体そのものが燃え尽きてるし！？　つくしちゃん、なにしたのー！？）
（いろいろあって私たち、星になりました☆）
（俺はその『いろいろ』の部分が知りたいんだぜ！？）
（思い出さない方が幸せだってこともあるんですよ、お兄ちゃん♪）
（アッハイ）
　そしてまた新たな星座が誕生した。
「志波さん、あそこに輝くのが『ヤンデレ座』と『ロリコン座』です」
「竜司くん、ムチャシヤガッテ……！」
　舞華の解説に志波、今宵の星空は涙なしに眺められなかった。