変態の軍隊 Revolution ～葉っぱ１枚でも寒くない～｜リアクション

変態の軍隊 Revolution ～葉っぱ１枚でも寒くない～

「半端ねぇのだブラボーなのだそこに痺れる憧れるのだ～！」
　いつの間にか、後木真央が実況席に加わり、スマホで騒動を撮影してはSNSにアップしていた。
　今まさに黒歴史が生産され続けていることに、彼女は気付いていない。
「これはもっと世の中に知らしめるべきなのだ偉業なのだ伝説なのだ～！」
「……真央ちゃんが無自覚で当事者のみんなを公開処刑してる！　モウヤメルンダ！」
　志波は頭を抱えた。
「つまり、あたしでも躊躇っていた事をさらりとやってのける後木さんマジパネェってことで」
　それでも舞華は止めなかった。
　サキリに至っては、コンビニ弁当のゴミを変態に投げつけて煽る始末である。
「ん？　なんかでっかい人形を抱えた女の子がやってくるぞ？」
　遠くから、ずるっずるっと人形（？）を引きずる少女が近付いてきた。
　すかさずルーシーがナンパを開始。
「そなた、我のハーレムに加わらぬか？」
　ぬんっと立派な質量の胸を突き出しながら誘うルーシー。
　いつの間にか股間に葉っぱが輝いていた。
「葉っぱなどいらぬと思ったが、付けて実感、この効果よ！」
「あぁ～ん、ルーシー様ぁ♪」
　羽生が葉っぱの魔力に当てられてメロメロになっていた。
「お姉さま！　お姉さま！　ああ、お姉さま！　全裸の女性の変態なのに、なんて素敵なの！」
　いつの間にか稲場舞も魔力に当てられてハーレム要員の１人と化していた。
「フッ、そなたもこの股間を凝視するがいい！」
　ああ、この少女も魔力でルーシーの虜になってしまうのか？
　……だが、少女は唇を猟奇的に歪ませると、人形（？）をおおきく振りかぶってルーシーの側頭部を強打！
「げぼぅ！？」
　ルーシーは殴られた衝撃で10ｍほど吹っ飛ばされた。
　そのまま頭から砂浜に突き刺さると、ルーシーは息を引き取ってしまった。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛！！」
　咆哮！
　ルーシーを殴った張本人――鬼崎つくしの姿は、まるで筋骨隆々のゴリラだった。
　右手には、変わり果てた姿の冴木竜司（死後硬直）が握られていた。
　今の彼は、鬼崎の武器に成り果てていたのだ。
「おにいちゃん……、モテモテになっても、おっぱい大きい人しか声かけないし、あの先生の自宅の前で股間を御開帳するし、そして私を見てくれないし！　そんなに垂れ下がった脂肪袋が好きなら、乳などいらぬ！」
　彼女の股間には、血塗られたモテモテスターが張り付いていた。
　おそらく、冴木を始末して奪い取ったのだろう。
　奪い取って装着したはいいが、彼女はなぜかグラマラスボディにならずに筋肉質のつるぺったんになっていた。
　そして彼女は絶望し、ここに悪魔が誕生した。
「おにいちゃんと私の共同作業（装備品的な意味で）で、この世から巨乳をコロス！　巨乳好きをコロス！」
「なんと遂に下手人が出てしまった寝子ヶ浜海岸ですが、志波さん、どう思いますか？」
「舞華さん、きっと少年法が守ってくれると思います……」
　志波の思考は停止した。