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ゲームセンターの前。後頭部の髪を団子のように丸めた
嘉島 和穂
が身を固くして立っていた。淡いベージュのコートに白いタートルネックを合わせた服装は大切な人との待ち合わせを思わせた。それでいて下は活動的な茶色いショートパンツで黒いストッキングを穿いていた。
通りを歩く人を目にする度に怯えたような視線を向ける。
「なんでこんなに早く来るかなぁ」
自身に向かって何度も愚痴を零した。その口をぴたりと閉じる。左手の方向に背の高い人物を見つけた。
和穂は身じろぎもしないで目を凝らす。
「早いな。もしかして待たせてしまったのか」
それは不意打ちの声であった。急いで反対の右手に振り返ると待ち人がスーツ姿で歩いてきた。
クルト・エールヴァール
は長身であった。金色の髪をなびかせて理知的な青い瞳を和穂に向けている。
時が止まったような状態の和穂は慌てた様子で答えた。
「そ、そんなことは、ちょっとです。え、ええっと、今日は、よろしくお願いしますっ」
「誘ったのは俺の方だ。だから頭を上げて」
「あ、はい、そ、そうでしたね」
ぴょこんと頭を上げた和穂は湯上りのような火照った顔で笑った。クルトの表情も心なしか柔和であった。
「今日、二人で会えるとは思わなかった。何故かバイトのシフトが突然に変わってな。急な話で無理かと思ったのだが、誘って正解だったよ」
「あ、えっと、わたしもあの時の
約束
が気になってて、今日は、その、楽しくダーツをしましょう!」
「初心者の俺だが、今日はよろしくな。和穂ちゃん、ではなくて先生と呼んだ方がいいのかな」
和穂は自身の顔の前で思い切り手を振った。
「そ、そんな、と、とんでもないです。和穂ちゃんでお願いしますっ」
「わかったよ、和穂ちゃん」
甘い響きが伴った声を引き攣った笑顔で受け止める。和穂は油切れを起こしたロボットの状態でクルトをゲームセンターへと案内した。
向かった先に縦長のダーツの機械が置いてあった。
「すぐに用意をするので、このラインのところにいてください」
和穂の動きが急に活発になる。慣れた手付きで機械を操作してダーツを手にして戻ってきた。
「えっと、ですね。まずはダーツの持ち方から教えますね」
和穂はクルトにダーツを手渡した。
「鉛筆を握る感じで持てばいいのか」
「そんな感じですけど、実はバランスが大切なので、持つ位置はこんな風にして決めます」
自身のダーツを指の腹に乗せる。水平に保たれていた。なるほど、とクルトは声に出して真似てみた。
「そうです。そこを起点にして握れば、そうそう、良い感じです」
「握り方はわかったが、投げるのはどうするんだ?」
クルトは適当に肘を折り曲げて投げるような動作を行う。
「立ち方で変わるのですが」
見本の意味で和穂はラインに靴先を揃えて立った。少し身体を斜めにして最後は横向きとなった。
「俺は横向きがいいかな」
「サイドスタンスですね。良いと思いますよ。あとは投げ方ですが、少し構えて貰えますか」
クルトはダーツを握った状態で肘を曲げた。和穂が横から少し肘を持ち上げて手首の形を調整した。
「掌が上に向く、ように、ですね」
二人の手と手が触れていた。強く意識したせいなのか。和穂の声はか細くなり、一瞬で離れた。
「あ、あとは実践ですね。投げながら細かい動作を覚えていきましょう!」
上ずった声で促されたクルトは的の方をじっと見た。
「事前に調べてきても良かったのだが、折角だから和穂ちゃんに教えて貰おうと思って。真ん中の点数が高いのか?」
「あ、はい。高いです。本当の中心がダブルブルと言って五十点になります。でも、もっと高い点数があります。二十の数字を見てください」
和穂に促されてクルトは円の外の数字に注目した。
「あるね。外の円に細長い部分が見える」
「そこはダブルリングと呼ばれていて数字が二倍になります」
「そうか、わかったよ。内側の円の、もっと狭いところがトリプルリングで、ダーツを当てると三倍の六十点になる。違うかな」
「そうです。さすがですね、クルトさん。点数の高さを競うカウントアップだとダブルリングはよく狙います。でも、外れると点数に大きく響くのでブル狙いも有効ですね」
楽しくてたまらない、という表情で和穂は説明した。
「……なるほど、単純ではないんだな。そろそろ始めてもいいか?」
「ごめんなさい、説明が長くて。どうぞ、思い切って投げちゃってください」
クルトの視界に入らないように和穂は斜め後ろで見守る。期待を込めた表情は自然に笑みとなった。
クルトは投げる動作を繰り返す。青い瞳が的の中で細かく動いていた。
真ん中が絶対という訳ではないんだな。大きな点の近くに罠のように低い点が仕掛けられている。カウントアップは単純なルールのようだが、他のものでは更に狙う場所を考える必要があるのだろう。
中々に奥が深いな。
クルトの目は定まり、口元に微かな笑みを浮かべていた。迷いのない一投は的の中心から少し離れて突き刺さる。最初の動作をなぞるように続けて二本を投げた。ゲーム機の点数は七十四点と表示された。
「クルトさん、悪くない点数ですよ。十七のトリプルが素晴らしいです。ダブルブルよりも上じゃないですか」
「三に刺さった一本が少し悔しいね」
肉体に記憶させるようにクルトは投げる動作を繰り返す。目にした和穂は僅かな肘の揺れを指摘した。投げる時に力まないように少し照れながらも自身のフォームを見せた。
二人は的に向かって交互にダーツを投げた。表示される点数に喜び、時に嘆いて濃密な時間を過ごす。
慣れてきたところで点数を競うカウントアップを始めた。和穂の鮮やかなフォームから放たれるダーツにクルトは見惚れ、表示された点数に惜しみない拍手を送った。
「そ、そんな、やめてくださいよ。は、恥ずかしいじゃないですかぁ」
「とても良い笑顔だ」
クルトの視線に押された和穂は赤い頬を両手で隠して身体を捩らせる。
和やかな会話を挟みながらゲームを続けた。
途中で和穂の鼻息が荒くなる。最後のダーツを握り直し、的に真剣な目を向けた。二十のトリプル狙いが少し左にずれた。五のトリプルに二本、ダーツが刺さっていた。
「和穂ちゃん、どうしたんだ?」
「あ、あの、ですね。点数は低いですけど、五のトリプルに全てのダーツを刺すと『スリー イン ザ ベッド』のアワードになっちゃいます!」
「そういう称号みたいなものもダーツにはあるのか」
クルトの声が聞こえていないのか。和穂は速やかに投げる姿勢に入った。表情は素に戻り、気負いのない一投を見せた。
的に当たった瞬間、身体が仰け反る。
「はずれましたぁ~」
「20のトリプルで嘆かれると、俺の立場がないよ」
離された点数を見て苦笑いとなった。
何回かゲームを重ねて、ふとクルトは言葉に出した。
「他にはどんな遊び方があるんだ?」
「ゼロワンがありますね。決められた持ち点、たとえば301をダーツの出した点数で引いて、早くにゼロにした人が勝ちになります」
「先行が有利なルールだね」
「そうですね。ノーミスなら。あ、でも、最後の一投はダブル、それかブルと決められているので後攻にも勝つチャンスはありますよ」
「面白そうだ」
クルトの一言でゼロワンが始まるのだった。
二人は揃ってゲームセンターを出た。クルトは立ち止まって和穂に笑みを見せた。
「和穂ちゃん、今日はありがとう。素敵な誕生日プレゼントになったよ」
「え、そこまで、言われちゃうと、その、喜んで貰えて、わたしも、嬉しいです。あの、ダーツはどうでしたか?」
和穂は控え目な態度で聞いた。クルトはサイドスタンスの姿勢でダーツを投げる真似をした。
「しばらくはこの動きが忘れられないと思う。かなり熱中したよ。和穂ちゃんの指導の賜物かな」
「ダーツの魅力のおかげですよ。でも、安心しました」
溌剌とした声で和穂はにこっと笑う。クルトは目を優しくして浅い呼吸を挟んで言った。
「良かったら、また付き合って欲しい」
「え、あ、はい。わたしでいいのなら……」
初々しい二人は向かい合って共に照れ臭そうに笑った。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月10日
参加申し込みの期限
2015年12月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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