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Xmasの奇跡☆ 物語の素敵な1日 in 寝子島!
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●美女と野獣
「こんにちはー、ケモノさん! 写真とってもいいですかー?」
いつものようにカメラを持った散歩道。
椎名 あさひ
は元気に挨拶をした。
ケモノに。
「え? ……君にもやっぱり獣に見えるかぁ」
ケモノと呼ばれたものは、目に見えて落ち込む。しかしそれはあさひを責めてはいけない。優に2mはある身長。全身が毛むくじゃらで、中世の貴族のような服が体に申し訳程度に張りついている。口からは発達した犬歯が見え、どう見ても異形であった。
「ケモノさんって名前じゃないのねぇ? あさひ、ゆるキャラってよくわかんなくて」
ごめんなさいとその手に触り、あさひは驚いた。ふさふさとした毛は弾力があり、そして。―――体温があった。
「ケモノさんってほんとにケモノさんーーー?」
ケモノケモノ連発され、そのケモノはもう諦めたように肩を落とした。
「それじゃあ、その大事なお姉さんとはぐれちゃったのねぇ?」
「ああ。私もこちらに来た時には、なぜかまた獣の姿に戻っていた。もう彼女のお陰で魔法も解け、城で一緒に暮らしていたのに」
ケモノは大きな体で悲しそうに溜息をついた。
「幸せに慣れ、些細な事で彼女と喧嘩をしてしまった私を、天がお怒りになったのかもしれない」
ケモノは嘆き、両手で顔を覆う。あさひはその太い手を両手でぎゅっと握り締めた。
「あのね、ケンカしたらしょんぼりだよねぇ?」
ケモノは顔を上げた。
「ああ、悲しいな」
「それなら、ちゃんとごめんなさいして、なか直りしないとダメなんだよぉ?」
あさひは真っ直ぐケモノの目を見た。
「だって、大すきな人のしょんぼりなお顔、ずっと見てるのイヤでしょ?」
ケモノはじっとあさひの透き通った瞳を見つめていたが、ふっとその目元を緩めた。
「そうだな。私は彼女の笑顔が大好きなんだ。……彼女を捜さなくては。落ち込んでなんかいられない!」
「そうだねぇ! あさひも手つだうよ!」
ぴょんとあさひは飛び跳ねた。
―――お姫様が、寝子島で戸惑っている。
双葉 由貴
は困惑していた。
少し足を延ばしてキャットロードまで買い物に来てみれば、人混みの中に豪奢なドレスを着た外国の女の人が、困り果てた様子ででうろうろしていたのだ。
―――声、掛けにくいな。
正直な感想だった。年上だし外国人だし女の人だしコスプレだし。山盛りの言い訳要素に、由貴の足は急いでその場を離れたがる。それでも、由貴は数歩進みかけ、その足を止めた。……困ってる女の人放っておくなんて、男として最悪だろ!
「ど、どうかしましたか?!」
駆け寄り意を決して話しかけると、その女の人は振り向いた。良かった、日本語通じたと少し安心した途端。
「あの、お城はどこでしょうか?!」
―――寝子島のどこで舞踏会が開かれてるんだあっ?!
由貴は再び困惑の渦に落ちていった。
聞けば、彼女はこの世界がわからないらしい。そして、自分だけではなく、大切な人も恐らく一緒にこちらに来て、はぐれてしまったようだと。
「……その大切な人、俺も一緒に捜してやる!」
落ち込む彼女に由貴は宣言した。
小学生の男の子と西洋のドレスを着たお姫様は、あちらこちらとキャットロードを中心に捜して歩く。歩きづらそうな彼女を見かねて由貴は無言で手を差し伸べた。彼女は嬉しそうに笑うと
「ありがとう、小さなナイト」
とその手を取る。由貴は赤くなって顔を背けたが、歩調を彼女に合わせてやる事は忘れなかった。
彼女の手を引きながらも由貴は焦りの色を濃くしていた。正直言えば小学生の自分には、充分に手に余る事態だった。彼女はどこから来たのか? ろっこんの影響なのか? 全く訳が判らない。
けれど、と由貴は繋いだ手に視線を落とした。確かな事は、この手は温かく、彼女は間違いなく俺を頼りにしてるって事だ。由貴は思わず目をつぶった。こんな闇雲に歩き回っても、時間だけがいたずらに過ぎていく。何か、少しでも手掛かりがあれば―――。
その時、くんっと手が引っ張られた。彼女が立ち止まったのだ。彼女は何かに気付いたように息を呑み、由貴に問い掛けた。
「この世界に、薔薇はありませんか―――?」
薔薇とお姫様。物語としては完璧である。
しかしここは現代の寝子島。星ヶ丘の薔薇園に来た由貴は、その光景をボタン1つ掛け違えてるような不思議な気持ちで眺めていた。
「冬にこんなに薔薇を咲かせられるなんて。うちのお城でもここまではできません」
「……薔薇は、あなたにとって大切なものなの?」
「ええ、私とあの人が出会うきっかけになった物です。彼もきっと思い出してくれるはず」
そう微笑む彼女の表情は、先程とは打って変わって落ち着いていた。そこまで信じ切れる存在ってなんだろう、と由貴がほけっと考えていると、向こうの方に人影が見えた。
ん? あれは……。
「あさひ?」
のんびりと歩くお団子頭。間違いない。椎名あさひだ。何でこんなとこにと思いながらその横に視線を向けると。
そこに、野獣がいた。
「―――あさひっ!!!」
自分でも驚くほどの声が出た。ひゅっと血の気が引く。嘘だろ、危ない、逃げろ―――! 真っ青になって走り出そうとした時。
「あれぇ、ゆきくんだ!」
あさひはのんきにぶんぶんと両手を振る。え、どういう事だ? 由貴の足が止まった時、あさひの隣の野獣が叫んだ。
「ベル!!!」
そう呼ばれた彼女は弾かれたように立ち上がり、野獣に駆け寄る。
「信じてたわ!」
そう言って野獣に抱きつくと―――。
2人を中心に薔薇の花びらが舞い上がり、気付けば野獣は姿を消し、優しい瞳の王子がしっかりとベルを抱き締めていた。
「お姉さんたち、行っちゃったねぇ」
「…ああ」
あさひと由貴はベンチに並んで座っていた。もう不思議な彼らの姿はない。
「お姉さん、うれしそうだったねぇ」
「…ああ」
由貴は生返事だ。あさひは、由貴はあのお姉さんの事を思い出してるのかな、と思った。
お姉さんに「ありがとう」と言われた時の由貴のあの照れた表情。あの時あさひはなぜか胸のあたりにぎゅっとした痛みを覚えた。そして、今も。
「あれぇ?」
「……どうした、あさひ」
「う~ん、何だか心ぞうが痛い、かなぁ?」
「え?! どうした?」
「ん~、わかんないけど、だいじょうぶだよ、多分」
首を傾げるあさひに、由貴はベンチからぴょんと降りると、手を差し伸べた。
「ゆきくん?」
「具合悪いんだろ。早く帰ろう」
ん、ともう1度由貴はあさひに手を差し出す。何度もつないだ事のあるその手に、なぜかあさひはなかなか自分の手を出す事が出来ない。
「変な奴。やっぱ結構具合悪いんじゃないか?」
痺れを切らした由貴がぱしっとあさひの手を取り、彼女をベンチから降ろしてそのまま歩き出した。
「…まだ痛いか?」
「…ちょっとだけ」
「歩くの、早くないか?」
「だいじょうぶだよ」
本当は、ゆきくんと手をつないだら、もっと胸がぎゅってしたの。
でもね、ひみつなんだ。言ったらゆきくんもっと心ぱいするから。
だってね、ゆきくん。あさひ、ゆきくんと手をつなぐの大好きなんだ。
薔薇の庭園を、心配げな小さい王子様とちょっと嬉しそうな小さい王女様が仲良く歩いている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月06日
参加申し込みの期限
2015年12月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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