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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~モノクローム・ラブ
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【すれちがっても】
気持ちは通じ合っていると、
羽生 碧南
は信じています、もちろん今でも。たとえ一時すれ違ったとしても、恋人同士ならやがてはすっきりと何もかも元通りに戻るものなのだと。けれどその思惑は、未だ確信には至っていません。
ともにバスケ部の所属。長身と運動神経に恵まれた碧南はやがてスタメン入り、めきめきと実力を伸ばしながらに活躍中……対して、先輩でもあるひとつ年上の彼氏はどうにも、鳴かず飛ばず。といっても、一概に彼が才能に恵まれていないわけではなく、ひとえに競争の激しい部員同士の切磋琢磨に、紙一重で敗れてしまったというだけのことなのでしょう。碧南と同い年の後輩部員にスタメンの座を奪われてしまったとしても、彼が自身に出来得る限りの努力を重ねてきたことは疑いようもなく、それはもちろん碧南だって知っていたし、練習のかたわらに出来る限りの応援もしてきました。彼とて恋人の気持ちは当然のこと、重々に理解していたはずです。
けれど……このところの彼が口にするのは、辛辣な言葉ばかり。自分の地位を追いやったのが後輩であり年下であったことにも、大いに彼のプライドは傷つけられたのでしょう。彼女である碧南もまた後輩であり、有望な選手であり、そんなところをどうしても、重ね合わせずにはいられなかったのでしょう。
浴びせられる拒絶や罵倒の言葉に、碧南は動揺しました。以前の彼は優しかったし、一緒に部活へ打ち込むのも、バスケの知識や経験を共有し分かち合えることだって何にも代えがたい喜びで、その気持ちは彼もまた同じであったはずなのです。
碧南は返す言葉をもたず、代わりにぽっかりと胸に開いた穴を埋めるかのように、より一層練習へと打ち込むようになりました。時を置けば、あるいは彼も落ち着いて、分かってくれるかもしれない。以前と変わらない関係に戻ることができるかもしれないと、少なからず期待しながら……けれど、次第にふたりは互いを避け、顔を合わせることすら無くなっていきました。そうするたび、互いが傷つけてしまった心はじくじくと、疼くように痛んだので。
数週間もするうちに、彼はすっかり練習へ顔を出さなくなり、その反動のような激しい練習で全身がどれほどに熱を帯びようとも、碧南の胸は寒々として、冷え込むばかり。
やがて、寝子島高校女子バスケットボール部は秋の県大会へと駒を進め、ベスト8進出を賭けた試合に挑むことになりました。その躍進には、破竹の活躍を続ける碧南の存在もまた大きかったことでしょう。
碧南と彼氏の関係を知る部員たちはしきりに彼女を心配したものの、碧南はそれに答えず曖昧に誤魔化しながら、無心で試合へと臨みます。コートの上での彼女はまるで闘争本能の塊のようで、その覇気には対戦相手も臆するほど……かと思えば舞うように颯爽と駆け抜け、圧倒しました。それはコートにおける本来の彼女の姿であり、そしてそれを見せる相手をも意識しての、彼女の真摯な全力です。
試合の前日に、碧南は一通のメールを送りました。送信先はもちろん、彼……自分の試合を見に来て欲しい、自分を見て欲しい。バスケットボールこそが、碧南にとってもっとも端的に自分を伝えられる意思表明の手段だったのです。
同時に碧南は、彼が来てくれなければそれでも良い、と考えていました。このまま互いを避け合い、何の答えも見い出せずにずるずると関係を続けていくのがどれほどに不毛なのか、彼女は理解していました。来てくれたなら、何かが変わるかもしれない。来てくれなければ……終わらせよう。終わらせて、お互いに前を見て、先に進もう。それぞれに、違う道を……それが、碧南の導き出した答えでした。
そして、自分の全てを振り絞るようにして臨んだ試合が終わり、見事ベスト8進出の権利を勝ち取り、部員たちと掲げた手を鳴らして勝利の余韻を分かち合う頃になっても。碧南は、会場に彼の姿を見つけることは、最後までできませんでした。
試合は拮抗して、終盤に追い込まれてからの劇的な逆転勝利。碧南にとってはこれ以上に無く喜ばしいことであったはず……けれどその胸はやっぱり、ぽっかりと穴が開いたよう。すうすうとして涼しく、頼りなげで落ち着きません。足取りは重たく、彼女は半ばよろめくようにしながら帰途をたどります。試合の熱はすっかり引いて、心はうつろ。目の前には霞すらかかっているような気がして……。
不意にそれを切り裂いたのは、背中から胸へと、覆いかぶさるように感じた温もり、それに……彼女を呼ぶ、声でした。
涙まじり。鼻を鳴らす音。いつもは見せないそんな弱々しい顔をたまらなく見たくなって、碧南は振り向きます。
その後はただ、お互いの身体を力強く抱きしめて、往来で人目もはばからず、ふたりでわんわんと泣いていただけ。それでも碧南は、たちまち空虚な胸を埋めていくあたたかい感情の存在を感じて、それだけでもう、すっかり満たされていくのが分かりました。
碧南の気持ちは、通じていたのでしょう。全身を余すことなく用いて表現した想いは、伝わっていたのでしょう。
恋人たちは互いの手を握り、沈みかけて揺らぐ夕陽の中へと、静かに溶けていきました。泣き笑いの顔で、見つめ合うままに。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月28日
参加申し込みの期限
2015年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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