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緑きらめく動物園で
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「直樹さん、いらしてたんですか」
順番を待つ間、
森 蓮
は
市橋 誉
と一緒にパフォーマンスに必要なものを準備している直樹に声を掛けた。
「うん、市橋君を手伝うのにね」
彼らが二人掛かりで運んできたダンボールからは、瓶や洗濯板、棒の付いたバケツが覗いている。
一体何をするのだろうという顔の周囲の面々に、直樹は「結構楽しいと思うよ」と笑みを浮かべ、誉と頷き合った。
そうこうしているうちに、蓮の出番だ。
「事実は小説よりも奇なりという言葉があります」
通路に立ってサル山を見上げた蓮はそう切り出し、寝子島高校の入学式の時に起きた出来事を話し出す。
「4組の扉を壊したウーシャさんを、吉田先生が背負って動物園に連れて行かれたんですよね」
「お? おう、あの時はびっくりしたなぁ。まさかウーシャがうちの学校に入り込んでるとは……」
話を振られて、熊吉先生は頭に手を遣りながら笑った。
1組の生徒が教室や式の会場で野菜を配っていたらしい事。それを担任の
島岡先生
があわあわしながら回収していった事。
そして。
「1組の話は、その組の直樹さんの方がお詳しいですよね」
「えっ……」
皆に注目されている蓮にそう言われて、順番を待っていた直樹は目を丸くした。
「直樹さんが夢と思うほど色々起きた入学式です、きっと鮮明に覚えているでしょうから」
「そんな事、今言われても……説明出来ないよ。
寝不足でぼんやりしてた僕より、他の人の方がよく覚えてるんじゃないかな?
森君はどうなの?」
「いえ、私は……」
困惑顔の直樹との会話のせいか、単に話が難しかったり興味をそそられないものだったのか、サルたちの反応は芳しくなかった。
尤も、吹っ飛ばされるような事にはならなかったけれど……。
パンチはただ、黙って問答する二人を眺めていた。
「やっぱりおさるさんには、言葉より行動で示すほうがいいかな……?」
そうひとりごちて、
夢宮 瑠奈
が進み出る。
歩みに合わせて、春色のチュニックがふわりとなびいた。
手に提げていたCDプレイヤーとスピーカーを脇に置いて再生ボタンを押すと、チュニックの裾を摘んでサルたちにちょこんとお辞儀をする。
スピーカーから流れてきたのは、テンポの速いダンスミュージック。
今ゲームセンターで流行っているダンスゲームの、フルバージョンを集めたサウンドトラックの中の一曲だ。
Aメロが流れ出すと、瑠奈は前奏で打ち付けていた踵を跳躍させて踊り出す。
忙しない足裁き、難度の高い譜面でステップを決めるには、この手のゲームにあまり馴染みのない彼女にとっては、流石にちょっと難しい。
足が縺れて転びそうになったりもする。
普段のアイドルソングの時のダンスやヒールの低い靴が功を奏してか、そこまで派手な失敗には至らなかったけれど。
(夢宮さん、頑張って……)
観衆の中で見守っていた
御鏡 聖
が、知らず手を重ね合わせて祈っていた。
上手くいかないステップがあっても、集中力を切らさず瑠奈はすぐに立て直した。
そして、サルたちに笑顔を見せる。
軽やかな動きや回転に合わせて、ふわふわと踊る桜のようなチュニック。
見れば、彼女のダンスを眺めているサルだけでなく、身体を揺すったり、ぺたぺたと後ろ足を足踏みさせているサルもいる。
心が躍るようで、瑠奈の笑みもより自然なものになった。
(みんながもっと楽しんでくれると、嬉しいな……!)
声はなくとも、想いを乗せて呼吸は弾む。
ステップを真似してくるくると回り出した若いサルたちに、ぱちりとウィンクを飛ばす。
そよ風が踊る彼女の足許から広がって、チュニックの裾がふわりとめくれ上がった。
さわさわ、若々しい緑を蓄えた茂みが優しく枝葉を鳴らす。
「おぉっ」
チュニックの下はレギンスだったけれど、見物していた若い男性がなにやらデレっとした。
「ちょっと、何鼻の下伸ばしてんのよ!」
「あででで!」
隣の彼女らしい女性に耳を捻られて、周囲の人がくすくすと笑う。
約5分のダンスパフォーマンスは、なかなかサル受けも良かったようだ。
踊り出すまではいかなかったメスのサルがパチパチと手を叩くと、膝にいた小猿もそれを真似る。
見物していた人々からも拍手が贈られ、一礼した瑠奈がにっこり可愛らしく手を上げると、数人の男性の歓声が沸いた。
何の変哲もない動物園内の道端だけれど、ちょっとしたアイドル気分を味わいつつ、瑠奈は次の人に場所を譲る為にCDプレイヤーが置かれた場所まで下がった。
「彼女のお陰で、猿たちが音楽やダンスに耳を傾けたり、楽しむ事が出来るんだって分かったな。
俺たちも頑張ろう」
「うん」
誉の言葉に直樹も頷き、二人で荷物の入ったダンボールを持ち上げる。
竹山さんの立ち会いでサル山の中に入れて貰い、水辺の平らな場所に持ってきたものを並べていく。
瓶、洗濯板とスプーン、そして逆さにしたポリバケツに箒の柄のような棒を付け、バケツの底に取り付けた紐を弦のように張ったバケツベースだ。
一通り配置すると、サル山を出て向かいに戻り、自分たちが使う為の同様のものを並べた。
持ち運べるサイズの電子ピアノはケースから出し、自らの脇に置く。
サルたちは、置いたものを遠巻きに眺めている。
瓶を手にした誉が周囲に声を掛けた。
「俺たちは、ジャグ・バンドを猿たちと演奏出来ないか挑戦してみようと思う」
ジャグとは、ウイスキーなどを保管しておく為の瓶を指す。
よく見掛ける一般的な酒瓶とはちょっと違う形をしていたり、陶器で作られたものも多いけれど、今回は手近なジュースのガラス瓶を用意した。
発祥当時このジャグを楽器として使う演奏者が加わる事が多く、そう呼ばれるようになったのがジャグ・バンドという寸法だ。
まずは誉が手本を見せるように、唇を瓶の口に寄せて息を吹き込む。
ブー。
音が鳴ると、サルたちも顔を上げたり、誉の方を見遣る。
ブーブー。
数度吹いてから、節を付けて音を鳴らしていく。
そのうち、サルの一匹が先程置いてきたもののひとつが彼の持つ瓶と同じものだと気付き、近寄っていった。
瓶を抱えると、サルは見よう見真似で口先を尖らせて息を吹く仕草を見せる。
ふすーと気の抜けた音にしかならないものの、何回もやっているうちにブォー、と音が出て、周囲のサルも先程より大きく反応した。
瓶が気に入ったサルは、ブーブーと調子良く音を立て始めたけれど、自分にもやらせろと数匹のサルがやって来て取り合いになった。
「ケンカになっちゃったよ」
どうしよう、と顔を向ける直樹を「いや、ちょっと様子を見よう」と誉が制止する。
山の天辺から、スッとパンチが降りてきていたのだ。
「キー!」
「キキッ!」
争っているサルたちにのっしりと近寄ると、一匹の肩をぺしん。
ぺしん、ぺしんと揉み合っている彼らの肩を押し遣るように引き離すと、じっと睨みを利かせる。
すると、サルたちは大人しくなった。
パンチは満足そうに天辺に戻っていく。
「頼りになるボスなんだな……っと、次にいこう」
誉はパンチの背から視線を戻し、今度は洗濯板をスプーンで叩いたり、凹凸を擦ってリズムを刻む。
バケツのベースは、柄と一緒に紐を押さえる高さによって、弾いた時の音階が変わる事も教えた。
サルたちは代わる代わる音を鳴らしてみる。
すぐに飽きてしまうサルもいるけれど、中には誉の鳴らし続ける一定のリズムに合わせて音を刻み始めるサルも出てきた。
「上手くいってるみたいだね」
「ああ、後は……これだ」
直樹の呟きに手応えを得た表情で頷いて、誉は電源を入れた電子ピアノを膝に乗せた。
音楽は種族の壁も越えるという想いも乗せて、鍵盤に指を走らせる。
「猿たちよ、一緒にジャズしようぜ!」
曲が流れ始めると、サルたちもぎこちないながらメロディを追い始め、段々ノリが良くなってきた。
聞いているだけのサルも、肩を揺らしたり足を鳴らしたりし始める。
音階を操るのはまだまだ難しそうだけれど、リズム感は結構あるようだ。
その様子に、誉もジャズのナンバーを軽快に響かせていく。
(さぁ、リズムを刻んで、思いっきり自分を表現しよう。そうすれば、五月病なんて吹き飛ぶ。
音楽は自由で、力だ!)
楽しげな曲とリズムに誘われるように、
御剣 刀
はハンバーガーをかじりながらサル山の前にやって来た。
世の中には仕込まれた芸をするサルもいるが、それは調教師などが何度も繰り返し覚えさせ、出来るようになったもの。
自然に興味を持った事でも、ちょっと複雑そうな事を短時間である程度こなせるようになった姿は、一般的なサルからすると大分飲み込みが早いように感じられる。
(これも神魂の影響か……?)
山の上でどっしり構えたパンチを見上げながら通路をゆっくり回っていると、カメラを構えた見覚えのある姿を見付けた。
「やあ、今日は写真部の活動だったんだな」
刀が声を掛けると、龍八は返事代わりに目線を向ける。
「良い写真は撮れたか?」
「まあな」
横に並んで、再びサル山を見上げた。
パンチは静かに音楽に耳を傾けているようだ。
「あのボス猿のろっこんは、『ひと』が周りにいるから威力が弱まっているんだよな?」
「ああ……」
龍八は良い瞬間を切り取ろうと、ファインダーを覗き込んだまま刀の呟きに答え、続ける。
「今日は良い天気だ。上空には雲もない」
「? そうだな」
「
カラスの影ひとつ見当たらない
、青空だ」
「……なるほど」
龍八の言わんとしている事は、刀には通じた。
思惑の違いはあれど、二人とも追っているものがあるのだ。
それぞれの目的の違いにより対立する事もあるけれど、今はその必要もなく……ただの生徒二人。
何事も起きなければ、平和な初夏の休日の一幕だった。
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担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年04月10日
参加申し込みの期限
2013年04月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年04月17日 11時00分
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