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(頃合か……)
サルたちも一緒に音とリズムを楽しんでいる間に、長い角材を抱えた
巴
は先程誉たちが道具を運び込んでいたサル山への通用口に近付いていた。
この辺りは、パフォーマンスを観ている人々からも死角になるけれど。
「あれ、君どうしたの?」
たまたま通り掛った飼育員さん二人に声を掛けられてしまった。
「これは……猿たちの為にと思って」
「でも、手摺を越えて中に入ろうとしてなかった?」
「ああ、動物たちのテリトリーに入る時は、担当の飼育員さんと一緒じゃないと……」
(チッ……タイミング悪いねぇ)
安全上の問題もある、と説明する飼育員さんたちの表情を見比べ、巴は一考。
流石に角材一本で何かするように見せ掛ける口実までは、考えていない。
その為、目的を果たすには今しかないと決断する。
彼らが話し込んでいる間に、角材を肩に担ぐと素早く踵を返し間近な手摺を乗り越えた。
「あっ、ちょっと君!?」
急斜面を滑り、ばしゃんと水場に降り立つ。
膝下まで濡れてしまったが、気にしている間はない。
サルたちのいる陸地に駆けながら、胸いっぱいに息を吸い込む。
「タマ取ったりゃー!!」
角材を振り上げた大柄な少女の姿に、近くにいたサルたちは驚いて散り散りに逃げ出した。
子供や子連れのメスは狙わない、なるべく本当に当ててしまわないように大振りに、と予め決めていた巴だったが、自分たちの何倍もの体格を持つ人間が更に大きな獲物を振り回して襲ってくるなんて、殆どのサルは体験した事がなかったのだろう。
なんとか対抗しようという姿勢を見せるオスもいたが、間合いを決めあぐねているようだ。
既に自分の姿はパフォーマンスをしていた側の人々にも曝され、どよめきが起きている。
早くサルたちの野生を取り戻させて、自らの目的を完遂させなければ。
「何もしなくてもあんた達を可愛がってくれるばかりが、人間様だと思うんじゃないよ!」
ぐうたらしてたら、動物園にいても死ぬ。
サルたちに、そういう危機感を植えつけてやりたかったのだ。
「キキィッ……!」
巴はひょいと逃げ遅れたモン吉の首根っこを掴み、サル山を駆け上がった。
視線の先には、やおらお山の天辺で立ち上がりながら、巴を睨み据えているパンチがいる。
モン吉は彼にろっこんを打たせない為の、いわば人質ならぬ猿質だ。
キィキィと悲痛な声を上げるモン吉を小脇に抱えたまま、岩を蹴って距離を詰めた。
「うるあああぁぁッ!!」
パンチの足許の岩にぶつけるように、雄叫びを上げながら角材を振り降ろす。
鈍い音が響くが、相手は動じた様子もない。
次の瞬間、パンチはぐんと身体を縮め、勢いをつけて跳躍した。
振り切って勢いを落とした角材の中間辺りに一度落下し、更にそれを踏み台に跳ぶ。
「……!!」
鋭い爪が振りかざされる。
真正面から見たパンチの表情たるや、巴が並の神経の持ち主ならしばらく夢に出てくるくらいの恐怖を感じるような代物だった。
他のサルはともかく、パンチに対しては彼女の目論見は成功したのだろう。
けれど、完全に怒らせてしまってもいた。
はぐれ猿と呼ばれ他のサルにも省みられず、いつも隅っこにいたモン吉であっても盾に取られれば、ボス猿はこんなにも怒るものなのか――
パンチの腕が振り下ろされるまでのほんの短い時間に、様々な思いが駆け巡った。
咄嗟に避けようとしても、身体の何処かをやられるのは避けられないだろう。
妙に頭の中は冷静だった。
しかし――
目の前で赤いリボンと、黒いポニーテールが揺れる。
巴は何の衝撃も受けなかった。
「……パンチ」
彼女の前で両手を上空にかざし、円形のバリアを張ってボス猿の攻撃を防いだ暦が呟くように呼び掛けた。
「あまり害にならない状態でろっこんを使うのは良い。
だが……お前が人を傷付けてしまったら、お前や仲間たちを元気付けようと頑張ってた人たちも、悲しむ事になるんじゃないか?」
暦の瞳に彼女が本来持つ繊細な優しさを見たのか、パンチの形相が鎮まっていく。
「そこまでにしておけ」
いつの間にか接近していた刀が、巴が角材を握る手首を掴み、モン吉を取り返す。
「……っ」
巴はなんとも言えない複雑な表情を浮かべる。
と。
「こらぁーっ! 寝子高の仲間が頑張ってるってのに、何やっとるかバカタコがっ!!」
手摺を掴み、熊吉先生が顔を真っ赤にして怒っていた。
周囲の人々も巴たちに注目している。
「ぁ……」
思いっきりうろたえたのは暦だ。
想定外の事態に内心オロオロしながらも、なんとかしなければという意志の強さに引っ張られてパンチの攻撃を防いだ……筈だったけれど、我に返ったら物凄い羞恥心が込み上げてきたのだ。
(も、もしかして動き回って、またパンツをみ、み、見られ……ん? 温かい……)
ぷるぷる震える腕は、気が付いたらパンチを抱っこしていた。
(バ、バリアが消えたせいか……)
暦がパンチをそっと降ろすと、彼はポーカーフェイスのまますっと離れた。
おっぱいとか騒いだりしない、実に紳士である。
パンチは開放されたモン吉の首根の辺りの毛をちょいちょいと摘んで様子を見ると、静かに山頂に戻った。
モン吉はそんな彼の背中を見上げ、周囲を見回し……山に他のサルの姿が殆どないのに気付いた。
さっきの騒ぎで、みんな獣舎に逃げ込んでしまったのだ。
サル山はしばしの静寂に包まれた。
「何やっとるかー! こォの、バカタコがっ!!」
どーんと愛のツッパリが、なんとなく居た堪れない空気を破った。
勿論、食らったのは巴だ。
「まったく、この、もう……この、な! このっ!」
カンカンな熊吉先生はいくつか怒りのワードを言うだけ言うと、ボキャブラリーが枯渇したのか「この」と「もう」のループに陥ってしまった。
「よ、吉田先生、落ち着いて下さい……」
あまりの剣幕に、飼育員さんや職員たちの方が「まあまあ」と宥める側に回っている。
「とりあえず続きは事務所の方で……あ、竹山さんはこの場をなんとか、お願いします」
「は、ハイッ! なんとか、頑張ります」
同僚に言われて、竹山さんは汗だくで声を裏返らせた。
「ホレ、行くぞぉ!」
「ってーな……自分で歩けるって」
サル山前の一同は、熊吉先生に首根っこを捕まれ、引き摺られるようにして去っていく巴を見送る。
蓮はその背を眺め、静かに口を開いた。
「動物たちは、望んで動物園に入った訳ではありません。
彼らが健康になるよう最善を尽くすのは、人間の責務です……」
「……そうだね」
肯定を示す直樹の声は、心なしか寂しげだった。
「本ッッッッッ当にすんませんでしたぁ!!」
巴の後頭部を掌でぐいっと押しながら、熊吉先生は深々と頭を下げた。
事務所の職員たちは、彼女のサルたちに対する考えや行動の真意を聞いて難しい顔をしている。
「うーん、気持ちは分からなくはないけど……」
「サルたちを思っての事だとは思うけど、やり方が乱暴だったね」
職員さんが若干好意的な目で見ているのは、先程までの火を噴くような剣幕だった熊吉先生の姿を見た為かも知れない。
「二度とこんな事がないように、こいつには後できちんと言い聞かせますんで!」
頼み込む熊吉先生に、職員たちは顔を見合わせた。
「……吉田先生に、そう言われちゃうとね」
「寝子高の生徒さんたちにも、何かとお世話になってますし……」
「彼女を止めに入ってくれたのも、生徒さんだしねぇ」
「寝子高生さんたちのお陰で、
羊たちも無事に帰ってきた
んです」
これまでの生徒たちの行いと、目立った被害がなかったのを鑑みて、今回は動物園側からのお咎めはなしという事になった。
「まあ、やっちまった事はしょうがねぇよ。
やらない方が良い事をひとつ勉強出来たと思っとけ、な!」
並んで園内を歩きながら、熊吉先生は前を向いてそんな事を言う。
その横には、とことことチエが付いて来ている。
二人は言葉少なに、動物園の門まで巴を送った。
「気を付けて、真っ直ぐ帰れよ? チンピラにケンカ売られても買うんじゃないぞ。
俺の目が届かないところで派手にやられたら、庇い切れないからな!」
「別に、先公に庇って貰う必要なんか……」
からりと笑う熊吉先生に、ボソリと零すと。
「桜崎。お前、東大目指すんだってな?
成績とか、色々と難しい事はまあ、担任の白沢先生任せだけどよ。
それだけじゃなくて、内申ってヤツも大事なんだぞ。面倒くさいかも知れねぇけどな」
ようするに、彼は今回の事を自発的に学校側に伝えるつもりはないという事なのだろう。
「……」
「なあ桜崎。世の中納得いかねぇ事や、くだらない事ばっかりかも知れねぇよ。
俺だって納得いかなかったり、やり切れねぇ事なんかゴマンとあるさ。
……だけどよ、つまらない事でせっかく持ってる夢や目標を諦めなくちゃならなくなるなんて、尚更つまんねぇだろ?」
黙ったまま、巴は熊吉先生を見上げる。
先生は目尻を下げて屈託なく笑った。
「おねえちゃん」
今度は下の方から、チカの声が掛かる。
なんだと思って見下ろす目の前に差し出されたのは、ピンクのウサギさんの棒つきキャンディだった。
チカは、ウサギさんとチカの顔をしげしげ見比べる巴ににこっと笑い掛けた。
「げんき出してね」
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担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年04月10日
参加申し込みの期限
2013年04月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年04月17日 11時00分
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