this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
緑きらめく動物園で
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
13
つぎへ >>
●サルの子、散った後●
事務所に巴が連れて行かれた直後の、サル山前。
「こいつは……何があったんだ?」
騒ぎを聞きつけ、通り掛った
不二夫
が様子を見にくると、園内でも人が集中している場所の筈なのにしーんとしていた。
獣舎に逃げたサルたちは戻って来ないし、山に残っている少ないサルもパンチ以外はなんだかしょんぼりしているようだ。
集団に近付きながら訝しげに眼鏡越しの視線を巡らせると、見物客の端の方で俯いた小さな男の子が肩を震わせている。
「う、うぅ……」
「どうした坊主?」
距離を詰めながら声を掛けると、男の子は唇を噛んで不二夫の顔を見上げ、
「びええぇーーー!!」
盛大に泣き出してしまった。
「お、おい……」
一見してコワモテそうな不二夫は事情も分からず、困惑した。
これじゃ、自分が子供を泣かせてしまったようだ。
「ご、ごめんなさいね。あなたのせいじゃないのよ」
一緒にいた若い母親らしき女性が頭を下げて、子供をあやしながら先程起きた出来事を教えてくれた。
角材を振り回してサルたちを襲った少女やパンチの形相が怖かったのだろう、と。
「そうだったのか……じゃなくて、だったんすか」
事情を知って不二夫は納得する。
(気合入ったパンチが出来て、仲間を制したり思い遣ったりも出来るのか……。
相当な男だな、あのパンチって奴は。根っこはびしっとしてんだろーなと思ったけどよ)
感心げに堂々と天辺に鎮座するパンチを見上げながら、彼は思った。
しゃきっとした姿を取り戻したボス猿は、いつも通りの姿を示す事で他のサルたちに何かを伝えたいのかも知れない。
逆に、不二夫は今自分に出来る事はあるだろうかと悩む。
他の来園者たちもどうしたものかと困惑を浮かべているし、男の子はまだべそべそしている。
父親らしい姿はなく、今日はお母さんと二人で来たようだ。
(たいした事は出来ねぇかも知れねぇけどよ……)
それでも、彼の性分が放っておかない。
「坊主。男はよぉ、そんなに簡単にメソメソするもんじゃないぜ」
男の子の前にしゃがんでニッと笑うと、目尻に涙を溜めたままきょとんとする彼の腋の下に手を差し込み、抱き上げてやる。
「そら、特等席だ!」
長身の不二夫に肩車されれば、幼子には見た事もない景色が広がっているだろう。
「まぁ……良かったねだいちゃん。お兄ちゃんに肩車して貰って」
彼からは男の子の表情は見えないけれど、お母さんが嬉しそうな顔をして不二夫自身に小さく礼を言うので、少なくとももう泣いてはいない事は分かった。
不二夫の手にきゅっとしがみ付く小さな手は、温かかった。
(こんな事になってしまうなんて)
パフォーマンス側で待っていたアリーセは、戸惑う面々の中で静かに考えを巡らせた。
元々、サルが喜びそうな遊具を作ったりダンスをするというのは、自分には難しいと思っていたから。
(結局、私は私に出来る事をやってみるだけだわ)
心の中で合理的な考えが出来てしまう分、整った容姿と相俟って冷たく見られがちなアリーセだけれど、彼女もサルには元気に遊んでいて欲しいのだ。
好みの差はあっても音楽系のものに興味を持って楽しむサルがいるのは、瑠奈や誉たちの試みの結果が示してくれている。
歌の意味がどれ程伝わるかまでは分からないけれど、雰囲気はきっと伝わるだろう。
サルにも分かり易いようにと考え、短い単純なメロディとフレーズを組み合わせて、アリーセはポップス調に歌い始めた。
日向ぼっこ 猿と一緒 温まって 準備出来たら
手を握って 飛び上がって みればきっと 特別になる
どんな時も 景色が変わる 仲間達と 一緒なら
明るく楽しい歌声に、サル山に残っているサルたちは耳を傾けている様子。
そのうち動きを見せたのは、隅っこに戻っていたモン吉だった。
モン吉は誉が置いていった瓶を抱えると、他のサルがしていたのを思い出すように息を吹き掛ける。
ふ、ふすー。
上手く鳴らなくても一生懸命瓶を吹き続けるモン吉に、アリーセは応援するような気持ちを込めて即興で歌い続けた。
誉がはっとした。
「そうだ、外の楽しそうな雰囲気が伝われば、獣舎に逃げた猿たちも戻って来るかも知れないぞ」
「なんだか天岩戸の話みたいだね。僕も手伝うよ」
再び電子ピアノを取り出してアリーセの歌に伴奏を重ね出した彼に、直樹も楽しげな目をして洗濯板とスプーンでリズムを刻み始めた。
ふすー……ぶぉー。
ちゃんと音が鳴ったら鳴ったで、モン吉はびっくりして瓶を放してしまう。
でも、外に残っていた中堅どころのサルが近付いてきた。
さっきの演奏で瓶を上手く吹いていた、いわばサル山のジャグ・ブロワーだ。
モン吉が瓶を拾って渡すと、上手く節を付けて音を響かせ始める。
「おさるさん、一緒に踊ろう♪」
瑠奈ももう一度出てきて、明るい曲調に合うような振り付けで踊り始めた。
「キキッ」
サルの一匹が頭の上で手を叩くと。
「フーンフー」
今まで聞いた事のない音が聞こえて、見ていた人々は不思議そうな顔をした。
「ンーフー♪」
耳を澄ますと、黙ってじっとしていたように見えたサルから聞こえてくる。
「フーンフー♪」
「フー♪」
別の岩に腰掛けていたサルも、復唱するように歌い出す。
(可愛い鼻歌ね)
調子外れではあるけれど、なんだか楽しそうな鼻歌に目を細めながらアリーセは歌い続けた。
ちらっ。
ちらちら。
奥の壁の方から、なんだか視線を感じる。
サル山と獣舎を隔てる扉はスライドして押し上げるタイプのもので、ほんの少し持ち上げられた隙間や覗き窓から中のサルたちが覗いていたのだ。
(あと一押し)
瑠奈や誉たちと同じ思いの視線を交わし、更に歌とダンスを盛り上げる。
見物人たちも、リズムに合わせて手拍子を送っていると……そろりそろりと獣舎からサルが出てきた。
こちらはまだやっと成年になったくらいの、若いサルだ。
山の外周をそろりそろりと伝って、バケツベースに到着し、足を乗せて構える。
早速、流れる曲に合わせてボーンボーンと低音が加わった。
それが引き金だったように、少しずつ、少しずつサルたちは扉を押し上げて姿を現した。
最後に子供がお腹にしがみ付いた母猿や、年老いたサルたち……そして、竹山さんが獣舎に篭ったままだと言っていたらしきサルたちの姿もある。
始めは恐る恐るといった様子で大人しくしていた彼らも、ある者は聞き手に、ある者は演奏や鼻歌に、またある者はリズムを取ったり踊るような仕草を見せたりと、次第に楽しみ始めた。
まるで、場が一体になったような空気を感じる。
(良かった……みんな、楽しそうね)
アリーセは安堵に胸を撫で下ろした。
サルたちも、山の外にいる人々も――不二夫に肩車された幼児が、キャッキャと声を上げて手を叩いていた。
「皆さん、ありがとう。
一時はどうなるかと思ったけど、君たちのお陰で山の明るさも盛り返してきたよ。
それに……獣舎から出てきてくれなかった子たちも出てきてくれたよ!」
サルたちとの協奏の後、竹山さんは感激の表情を浮かべて即席バンドのようになった生徒たちに礼を告げ、この場にいる人々に切り出した。
「丁度、そろそろお昼ですね。一端切り上げて、後は午後にしましょう。
そうですね……時間は、14時頃から再開させて頂きます」
彼の言葉で、さっきからお腹が減っていた人も、そういえばと思い出した人も。
一度解散して、それぞれのランチタイムへと向かうのだった。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
13
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
緑きらめく動物園で
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年04月10日
参加申し込みの期限
2013年04月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年04月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!