ラン・ラン・ラン！　｜リアクション

ラン・ラン・ラン！　

　あちこちに、警官が溜まっていた。
　殺人犯たちはみな、戦意が極めて高い。
　警官も疲弊し、ターゲットを見失う。
　
　黒服の男が、タブレットを取り出す。
　中でも兇悪とされる犯人。
　マッドサイエンティスト、神野美野梨。

　突如、新井すばるが会心の笑みを浮かべ、颯爽と現れた！

「やはりそういうことか！」

　つかつかと歩み寄る、フロックコート姿の少年。
　警官からタブレットを奪い、手持ちの資料と突き合わせる。
「――真偽はともかくも、彼女に接してみなければな……」
　紙の束に明記されているのは、彼女の罪状。

　あっけにとられる警官に、少年は涼やかな目を向ける。

「探偵の新井です。
　彼女が九夜山に向かったのは確実ですか？
　では、追いましょう」

　コートを翻し、警官に頷く。
　
　唐突な登場に、彼の正体を調べることすら忘れる。

　――警察に先を越されては事だ。
　
　美野梨の友人であるすばる、なんとしても彼女とじかに逢って話がしたい。
　
　警察を引き連れ、すばるは九夜山に向かう。