お見合い狂想曲っ！｜リアクション

お見合い狂想曲っ！

「ここの料理は美味しいですね」
「ええ―――」
　お見合い中の二人だったが、時間が経つにつれて話題が途切れそうになっていた。
「……。アイルランド料理って、ジャガイモが多いんですね」
　高良が言うと、大橋先生が答える。
「そうです、アイルランドでは伝統的にジャガイモの栽培が盛んなんですよ。19世紀にジャガイモの大飢饉が起き、アイルランドで大きな被害を出したのですが、この時に大勢のアイルランド人がアメリカに移住しました。アイルランド系の移民はアメリカではかなり重要な位置づけで、ケネディやフィッツジェラルドなどの有名人もいます―――」
　相手の顔がぽかんとしたのを察して、先生は思わず口を止める。
「ごめんなさい、私ったらまた夢中で話してしまって……」
「いや、面白いじゃないか。嬢ちゃんは歴史に詳しい物知りだね」
　席が近いのを幸い、黒間黒造がフォローを入れた。
「私は歴史に詳しくないので、難しいのですが」
　高良が先生に向かって微笑む。
「もっと色々な話を、知りたいです」

　隅のテーブルでは、お見合いの二人を見守りながら、今回の怪現象の原因を議論している。
「俺は、写真を見たときにドジを踏むんだと思ったが……」
　御剣刀が、さっき気づいた意見を述べる。
「写真じゃないと思うなぁ。私、先生が店に入ってから近くでずっと見てたけど、写真なんて見てなくてもミスしてたもの」
　木鈴寧々子は、刀の説を否定する。
「そうよねぇ。それこそさっきから相手の顔を見るたびに……」
「―――顔？」
　シオ・レイゼルオークの言葉に反応したのは、八神修だった。同時に、全員が手を打つ。
「法則が分かった！」