お見合い狂想曲っ！｜リアクション

お見合い狂想曲っ！

　大橋先生が手洗いに立った時を見計らって、修は先生のもとに駆け寄った。
「先生―――今回、相手の顔を見るたびに決まってミスをしています。落ち着いて、相手の胸元を見て話せばいいんですよ」
「顔を見ると？なぜなの？」
「それは―――そう、好きな人の前だと舞い上がることがあるでしょう。似たような感じです」
　修は、ひとまず適当にごまかした。これだけでも、先生がドジを踏まなくなる助けになるだろう。

　時間帯も遅くなり、店内の客も少なくなってきた。というより、見合い中の二人とギャラリーくらいしか客はいなくなっている。
「……尚さん。あの―――ご自分のミスのことは、気にしないでくださいね」
　大橋先生は、ドジを何度も踏んだことを明らかに気に病んでいる。高良は相手の気持ちを察して、優しく言った。
「今日は本当にごめんなさい―――迷惑ばかりかけてしまって……」
「そんなことはありません。今日は楽しかったですよ―――貴女さえよければ……」

「―――混沌はより長く愉しむもんだよぃ」
　さっき捕獲され、店の奥に閉じ込められた骨削瓢が、監視の目を盗んで再び姿を現した。彼の目に入ったのは、ちょうどいい雰囲気になった二人の男女―――
「吹っ飛べリア充！」

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